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結婚~妊娠と、人生の幸せの絶頂期を共に過ごしてきた夫婦。
待望の赤ちゃんが生まれたら、さらに楽しくて幸せな毎日が待っていると思っていましたよね。
しかし実際は出産後2~3年がもっとも夫婦関係が悪くなる時期。
この時期の離婚率はとても高く、私の周囲にも別居や離婚をした人がチラホラと見受けられます。
出典:ベネッセ教育総合研究所 資料
ベネッセ次世代研究室が行った調査では、妊娠中には全体の74%のカップルが「本当に幸せだ」と答えたのに対し、子供が誕生してから夫婦愛を感じるという人は30%近くも落ち込んでいます。
あんなに幸せだったのに、最愛の子供が生まれることによってこんな結果になるって、なんだか悲しいものです。
旦那さんに対して「嫌い」という感情が湧くなんて妊娠当初は思ってもみなかったのでは?
今回は、なぜ産後にここまで旦那さんのことが嫌いになってしまうのかを一緒に考えましょう!
産後クライシスの問題や、産後の女性の心や暮らしの変化と結びつけると解決策がみつかるかもしれません。
旦那を嫌いになる原因、産後クライシスとは?
産後クライシスとは、産後すぐから2~3年の間に急激に夫婦仲が悪くなる現象のことをいいます。
昔から妻の産後に夫婦仲が悪くなるということは多くありました。
それをNHKの朝の情報番組が
「産後クライシス」
という造語で表現し、報道したことがきっかけで世間への認知度も高まりました。
この産後クライシスが広まったおかげで、妊娠中から産後の夫婦のすれ違いを防ごうと努力する人も増えたことは事実でしょう。
産後クライシスは防ぎにくい
産後の気持や生活の変化を予想することって、かなり難しいものです。
全くの未知の世界のことは、基本的に想像しかできないので具体的な悩みや疑問が浮かびにくいもの。
「何か質問ありますか?」
と言われても、質問すら浮かんでこないという場面を経験したことのある人も多いのでは?
妊娠中はまさにこの状態です。
幸せで明るいイメージばかりが先行し、ネガティブな状況に備えるということはなかなか難しいものがあります。
ホルモンの分泌による生理的反応
産後クライシスの原因となる「女性のホルモン変化」。
出産後、女性の体にはオキシトシンというホルモンが分泌されます。
これは子供を守る本能的な働きを持っていることから、家事や育児に協力的でない夫や、ストレスの原因となる他人の言動にとても敏感になります。
出産後は夫に触れられるのも嫌だ、女として見られることも嫌だと感じる女性は少なくありません。
母乳の分泌を促すプロラクチンというホルモンも、赤ちゃんを守ろうとする働きがあるため、他の者に対して攻撃的になることがあります。
旦那さんに対してイライラする、攻撃的になるなどの反応も、ホルモンが影響している可能性があるということ。
オキシトシンとプロラクチンの分泌により、女性は本能的に「赤ちゃん優先」の状態になってしまうのです。
出産を終えた女性は、心も体もすっかりお母さんなのです。
旦那さんの父親としての実感は?
産後、女性は身も心も母親としての準備が万端。
一方で旦那さんはどうでしょうか?
もちろん立ち合い出産や、産前産後のサポートなど、夫婦でしっかり向き合えた夫婦は産後の気持のすれ違いも少なくなるでしょう。
しかし、
“赤ちゃんに対面してもまだまだ自分が父親であるという実感が湧かない”
“可愛いというよりも、不安や怖さの方が大きい”
と感じる男性もいます。
どうしても最初は、痛みや苦しみを経験しながら出産した母親との温度差は出てしまうもの。
正直な話、男性が父親としての実感を持てるようになるのは、数年かかることもあります。
- 子供と会話できるようになってから
- 1歳になり人間らしい反応が見られるようになってから
- パパ(お父さん)呼ばれるようになってから
などなど、妊娠当初から母親としての心構えをしてきた女性との差は、天と地ほどあります。
これは性別の違いなので、仕方がないことと割り切ります。
妊娠~出産、そして産後の女性の体や育児のこと。
全てに対して、男性は女性よりも認識が薄いのです。
今からこれをどうやってすり合わせていくかが大切なことになるでしょう。
旦那が嫌いになるのは産後すぐだけの話ではない
産後クライシス、という言葉を聞くと
「産後すぐに突然夫婦仲が悪化する」
というイメージが湧くのでは。
でも、実際に夫婦の仲が険悪になるのは産後すぐではなく2~3年経ってからの場合もあります。
その理由はいったい何なのでしょう…?
子供が動き出すとママの苦労も増える
今まで寝てばかりだった赤ちゃんも、どんどん動くようになり行動範囲が広がります。
目に映るすべての物に興味津々で、家じゅうの物をひっくり返して散らかします。
成長の証なので怒ってもいけないし、安全面も責任もって見守らなければならない。
産後半年くらいたつと、このような育児の負担が増えてきます。
産んだばかりの頃は頻回授乳で眠れず、そんなこんなしている間にすぐに動き出して目が離せない。
重さはどんどん増加するのに、いまだ抱っこかおんぶでしか寝てくれない。
こんな風に、世の中のママは数年間休む間もなく働いているんですよね。
【子供のイヤイヤ期がやってくる】
早い子だと1歳半くらいで、第一反抗期である「イヤイヤ期」に突入します。
自分の主張をするために、手が付けられないほど泣いたり床に寝そべって駄々をこねたりします。
毎日毎日、ご飯を食べる・お風呂に入る・服を着替えるなど、当たり前の作業にも、いちいち泣きながら抵抗。
旦那さんは会社に出かけてしまえば分からないけれど、ママは24時間ずっとイヤイヤ期に付き合っているんですよね。
自由時間の少ない生活のストレスが蓄積してくる
産後数年もたてば、育児には多少慣れてきますが今度は「自由のないストレス」が蓄積してきます。
- 妊娠してから一度も飲みに行っていない
- 出産後、大好きな趣味の映画を一度も見にいけていない
- 好きなアーティストのライブに行けない
- テレビで紹介される素敵なレストランやカフェも自分には関係ない
もういい加減、自分の好きなことをしたい。自由になりたい。
そんなストレスもMAXに達してくるころです。
そのとき旦那さんは…?
ママたちが産後数年こんな思いを秘めているのに対し、旦那さんはそれに気付いていますか?
子供が泣くからストレスが溜まる
子供が言うことをきかないからイライラしている
ただそれだけだと思っていることはよくあることです。
ママたちの心の中は、つもりつもったたくさんのストレスでいっぱいいっぱいです。
今までは旦那さんに尽くしたり、優しくできていたとしても、ここまで来るともうやってられないという気持ちになることは当然です。
しかし、旦那さんとしてはママの心の中を十分に理解できていないので
「変わってしまった」
「冷たくなった」
「愛情が冷めた」
と感じて、夫婦の中はどんどんすれ違ってしまうことも少なくないでしょう。
旦那が嫌いなのが“普通”という風潮
世の中のママたちの旦那嫌いを加速させているのは、「旦那が嫌いなのは普通だ」という風潮にも原因があるでしょう。
例えば
- 旦那の悪口で意気投合する
- 旦那の愚痴をSNSで投稿する
- 恐妻家キャラタレントの増加
こういう世間の「旦那嫌いで当たり前」という雰囲気、強く感じませんか?
本来、子供や家庭のためを考えると、旦那が嫌いだということはマイナス要素です。
改善すべきことなのに、世間に同じような状況の人が多すぎるため、あまり問題視しない人も増えているのです。
さらには、ママ友同士旦那の悪口を言い合ったり、SNSで口汚くののしったりしている様子さえ珍しいものではありません。
多くの夫婦が家庭の問題から逃げて、外で愚痴を言い合って盛り上がってしまうのです。
これは、女性だけでなく男性も同じ。
会社の中でも夫婦仲が悪いという人が圧倒的に多く、夫婦仲が良い人は少数派。
奥さんとの仲が良いと「のろけ」「めでたいやつ」などとからかわれたりすることも。
圧倒世の中「夫婦仲が悪い人」の方が圧倒的に多いようなイメージさえあるでしょう。
産後クライシスが子供に与える影響
夫婦仲の悪さが、今後子供にどんな影響を与えるか知っていますか?
考えられる子供へのネガティブな影響をまとめました。
家庭の中で安心することができない
夫婦喧嘩はもちろんのこと、会話がない、ギスギスした雰囲気があるなど、子供は小さくても感じ取っています。
家を基盤にして外に巣立っていく子供にとって、家庭は何も気にせず安心して心身を充電できる場所でなければなりません。
そんな家庭の中が不穏な空気になっていると、安心できる場所や心が休まる場所がないので様々な問題に直面しやすくなります。
・うつ病などの精神疾患
・不登校やいじめ
・引きこもり
・万引きなどの犯罪
・家出
このような子供の問題は、ほとんどが家庭環境や夫婦関係の悪化による影響です。
ただ単に、夫婦仲が悪いという問題では済まない可能性さえ出てきます。
子供が話をしなくなる
夫婦仲が悪い家庭では、親の機嫌が悪いことや家族の雰囲気が悪いことが多くなります。
すると、子供は明るく楽しい話題を出したり、子供らしいふざけた発言をしにくくなってしまいます。
また話をしても父親と母親、そして自分を交えての自然な会話ができないことも。
こうなると子供は
「家族みんなで話すのが楽しくない」
と感じるようになります。
成長とともに話をすることが減り、家族全体のコミュニケーションが減ってしまいます。
夫婦の関係を良くするための考え方
夫婦関係は家庭の基盤。
旦那さんと以前のように仲良く暮らしていくためには、考え方を変えてみることも必要です。
視野を広げて、視点を変えて、いろいろな方向から自分たちの家庭を分析してみましょう。
1. 旦那さんの立場になってみる
まずは旦那さんの立場になってみましょう。
旦那さんは男性です。
妊娠中の体の不調も、出産の痛みや苦痛なども、見てはいますが感じていません。
「お腹が痛い」って言っている友達に、「大丈夫?」と言っているときの自分を思い出しましょう。
旦那さんからすると、実感はその程度です。
また旦那さんは日中会社に行ったり、仕事をしている家庭が多いですよね。
その間は仕事のことしか考えていないし、子供のことも見ていません。
ママは24時間ずっと子供のことを見ているし、家事の要領もいい。
以前twitterで、
ママとパパはベテランバイトリーダーと、入って2日目の新人バイトと同じくらいの差がある
と言っていた人がいましたが、まさにその通り。
自分と同じように機転をきかせて子育てや家事をこなせる旦那さんなんて、ほとんどいないですよ。
家事や育児は、積極的に
「これやって」
「あれもやっといて」
と頼んでOKです。
でも、それに対し
「言われないとできないの?」
「いちいち言わせないで。」
などと、批判しながら頼むのはなしです。
親しき中にも礼儀あり、自分が逆の立場だったらそんな頼まれ方をしたくないはずですよ。
2. 自分の気持りや要望を正直に話す
もちろん、旦那さんにも落ち度がある場合は多いはず。
気が利かないというのにもレベルがあり、赤ちゃんが泣いているのに一切反応しない男の人もいるし、うんちのおむつ替えは拒否する人もいます。
そんなひとつひとつの「不満」をママが長い期間溜め込むことは、とても危険。
我慢は積もれば積もるほど、精神的負担や相手への嫌悪感が強くなるものです。
不満や文句、という形ではなく素直に「お願い」すればいいのです。
「ごめん、ちょっとこれやっといてくれる?」
「パパ―、これ替えておいておいてもらっていい?」
可愛く、そして軽くお願いするのがコツ。
「あなたは優しいから当然やってくれるでしょ。こんなこと簡単だよ!」
という雰囲気を込めて。
また、本当に嫌だと思っていることや改めて欲しいことに関しては真剣に、正直に伝えるべきです。
意地を張ったり、やせ我慢したりして、いい奥さんを演じなくていいのです。
嫌だったら嫌だと言っていいし、もっとこうしてほしいという要望は伝えてください。
一時はけんかになっても、そのわだかまりを引きずらないようにすべきではないでしょうか。
3. 旦那さんへの指導・教育・対話
旦那さんへの不満、それは旦那さん自身が無意識にやっていることも多いでしょう。
例えば、家事育児は女の仕事と思っている男性は、育った家庭がそういう古いスタイルだった可能性が高いです。
女性の要望に耳を傾けない男性は、自分の父親がそういう人だったかもしれません。
人の行動は、育った環境と遺伝的要因が大きく影響します。
旦那さんの人格が悪い、というわけではなく育った家庭が古臭いだけなのかもしれません。
このままだと、その家系の男はいつまでも古臭い亭主関白な人間になってしまいます。
この代で古臭い男女の差をなくそうとする勢いで、旦那さんを教育していきましょう。
ちょっと面倒かもしれませんが、旦那さんに対して指導や教育をするということはかなり重要です。
指導・教育などと言う言葉を使うと上から目線だし、大それたことのような気がするかもしれません。
でも、女性にしか分からないことは女性が指導してあげるのは当然のこと。
分かっていなければ説明してあげる。
分かってほしかったら、ちゃんと話をする。
そして、自分が育った家庭についてどう思っているかや、自分たちはどういう家庭を目指したいか、という方向性を話し合う必要性も出てきます。
夫婦間では、努力して対話することがとても大切です。
1対1で「対話」する時間を作る
忙しい中でも、夫婦での対話の時間は絶対に必要です。
おしゃべりや会話と、「対話」は違います。
対話は話をすることや心を通わせることが目的なので、おしゃべりのような雑談、ただ単に要件を伝えることとは違うのです。
テレビやスマホを見ながら、なんとなくしゃべる。
どっちでもいいようなことを、なんとなくしゃべる。
それは、必要な対話ではありません。
テレビを消して、向き合って顔を見ながら話をするのです。
普通に生活していると、気持ちが通い合うような話をする時間はほとんどありません。
意識して1対1で話す機会を設けましょう。
普段はちょっと言いにくいことや照れくさいことも、しっかり向き合うと言えたり、聞けたりするかもしれません。
産後早い段階での対策が必要
産後クライシス、産後の生活や気持ちのすれ違い。
これらはなるべく早い段階で、お互いが問題視して話をする必要があります。
産後2~3年の間に夫婦関係が崩壊すると、その後修復することが難しくなるでしょう。
この期間に気持ちのずれが生じると、それを挽回するのは不可能に近いとまで言われているのです。
ママ自身もそして旦那さんも、せっかく築いた家庭を夫婦仲の悪いギスギスした関係にしたくないはず。
誰でも家庭は安らげる場所であってほしいし、それを作るためにはお互いが同じように努力する必要があります。
そんな根本的な話を、旦那さんと向き合って対話しましょう。
さいごに
産後の夫婦のすれ違い、産後クライシスの克服についてお話しました。
どんなことにも言えることですが、悪化してしまったことや思い描いた現実と違うと思ったときは、冷静になって考えることがとても大切です。
感情的になったり、あきらめてしまったりすると、事態は悪化する一方です。
夫婦のことは他の誰にも分からないデリケートで難しい問題。
それでも生まれてきた子供のために夫婦が協力し、家庭と子供を守っていく決意が必要なのではないでしょうか。
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