多彩な色を放つ宝石は、それぞれが独特の特徴を持ち、長い歴史の上で神話や伝説の主人公にもなってきました。
宝石の種類や個性について、もっと知ってみたいと思いませんか?
ジュエリーやパワーストーンとして人気のある主要な宝石から、10種類の宝石を厳選してみました。
魅力的な宝石が持つ特徴と色や、特別な意味についてご説明していきます。
ダイヤモンド
(ダイヤモンドの特徴)
ダイヤモンドは地球上で最も硬い(硬度10)物質です。
へき開性という性質を持っているので、一定の方向に圧力をかけると、簡単に割れてしまうことがあります。
鮮やかな光沢と耐久性に優れていることから、宝石類の中で最も高い価値が付けられています。
他の宝石を傷付けることがあるので、保管する場合には、単独で箱に入れるようにしましょう。
(ダイヤモンドの色)
ダイヤモンドといえば無色透明が一般的ですが、実は色のバリエーションは黄・茶・褐色・ピンク・赤・緑・青・灰・黒…と大変豊富です。
カラーダイヤモンドは滅多に見つからないので、大変高い希少価値が付けられています。
(ダイヤモンドの意味)
4月の誕生石であるダイヤモンドは、エネルギーの吸収と増強を促進します。
伝説の呪いのダイヤモンド「ホープ」や「ブラックオルロフ」などのように、悪いエネルギーを引き寄せる事もあります。
ダイヤモンドを着けるときは、純粋にポジティブな気持ちでいることを心がけましょう。
ルビー
(ルビーの特徴)
ルビーは鉱物コランダムの一種で、ダイヤモンドの次に硬い(硬度9)鉱物です。
コランダムに鉄とクロムを含有することで、赤い色のルビーになります。
古代インドの時代から、宝石の王として王族の宝飾品などに装飾されてきました。
インド神話では「不老長寿の木」にルビーの果実が成ると書かれ、ヒンドゥー教の神クリシュナにルビーを捧げると、王として蘇るという伝説があります。
(ルビーの色と種類)
- ピジョンブラッド:ミャンマー産の濃い赤色をした最高品質。
- ビーフブラッド:タイ産の黒みを帯びた赤色。
- チェリーピンク:スリランカ産で、透明度が高く明るい赤色。
- スタールビー:光を当てると6本の星条に光るスター効果を見せる。
(ルビーの意味)
7月の誕生石であるルビーは、血流を良くして、生命力を活性化します。
試験や試合、面接などで勝利を得たいときや、恋愛成就にも効果的です。
エネルギーを活性化するので、欲や嫉妬など邪悪な心を持つと、負のエネルギーが大きくなって災難に遭うことがあるので注意しましょう。
サファイア
(サファイアの特徴)
サファイアもルビーと同じくコランダムの一種で、鉄とチタンの含有量によって、色合いが変化します。
サファイアには様々な色がありますが、一般的に青いものをサファイアと呼んでいます。
古代ペルシャでは、地球はサファイアによって支えられていて、その反射光で空が青く見えるのだといわれていました。
(ブルーサファイアの色)
- コーンフラワーブルー:カシミール産で矢車草の花に似た最高品質。
- ロイヤルブルー:モゴック産の濃い青色。
- カワセミのブルー:スリランカ産の最高品質で濃い青色。
- ソフトブルー:パイリン産の鮮明な青色。
(サファイアの種類)
ブルー以外にも、豊富な色のバラエティがあります。
- ピンク
- ヴァイオレット
- イエロー
- グリーン
- オレンジ
- ブラック
- ホワイト
- パパラチャ ピンクとオレンジの中間色で、大変希少。
- スターサファイア 光を当てると6本の星条に光るスター効果を見せる。
(サファイアの意味)
9月の誕生石サファイアは、不安を取り省いて気持ちを安定させてくれます。
困難な状況に立たされたとき、心を冷静にして真実を見抜く判断力が付きます。
「哲学者の石」「幸福の石」とも呼ばれ、自己表現力や知的活動を向上させて、自分自身がもつ本来の才能を引き出してくれます。
ルビーと同じく硬い宝石なので、保管するときは他の宝石と一緒に置かないようにしましょう。
アレキサンドライト
引用元;https://tsnjewelry.com/
(アレキサンドライトの特徴)
アレキサンドライトは鉱物クリソベリルの一種で、ルビー・サファイアの次に硬い(硬度8.5)宝石です。
発見されたのは150年ほど前、ロシアのウラル山脈でした。
ロシアでは「皇帝の宝石」といわれ、不思議な多色性を見せる神秘性と高い耐久性があることから、価値の高い宝石として大切に扱われてきました。
19世紀のロシア作家ニコライ・レストフが書いた短編では、アレキサンドライトは直感を高め未来を予測できる宝石として描かれていました。
(アレキサンドライトの色)
アレキサンドライトは太陽光の下で緑色、白熱灯の下で赤~褐色に変化する多色性を持ちます。
緑から赤への変色がはっきりしているものほど高い価値が付きます。
最高品質のロシア産は採掘し尽されたといわれ、大変高い希少価値が付いています。
現在の主な産地はスリランカですが変色が弱く、ブラジル産が高品質とされています。
(アレキサンドライトの意味)
6月の誕生石アレキサンドライトは神経系を強化し、自立心や愛情心を高めてくれます。
邪気を追い払う力が強く、はっきりとした意思を持つ自分自身を確立することができます。
疲れを癒したり、自信を持って行動したい方におすすめです。
エメラルド
(エメラルドの特徴)
エメラルドは鉱物ベリルの一種で、クロムとバナジウムを少量含むことで緑色になります。
硬度は7.5と硬い方ですが、内部にキズや隙間が多く割れやすい性質を持っていることから、オイルや樹脂に漬け込んで耐久性や色を向上させています。
聖書にはこんなお話しが記述されています。
ある日、天上界で大天使ミカエルが悪魔ルシファーを打ち破ったとき、ルシファーの冠が地上に落ち、はめられていたエメラルドには傷がつきます。
このエメラルドは後に聖杯になり、後にキリストの最後の晩餐で使用されました。
(エメラルドの色)
- コロンビア産:濃い緑色で最高品質
- ザンビア産:青味のある濃い緑色
- ブラジル産:明るい緑や、黒味の多い緑色など。
- ジンバブエ産:黄色味の多い薄い緑色
(エメラルドの意味)
5月の誕生石エメラルドは、気持ちを鎮めたり、愛する人との絆を深めてくれます。
怒りやイライラといった感情を抑えて平常に戻して人間関係を良くするので、対人関係で悩んでいる人にはおすすめです。
割れやすい性質を持つので、ぶつけたり大きい衝撃を与えないように気をつけましょう。
アクアマリン
(アクアマリンの特徴)
アクアマリンもエメラルドと同じくベリルの一種ですが、微量の鉄を含むことで青色になります。
アクアマリンはキズや内包物が少なく、優れた耐久性があります。
ギリシャ神話に、セイレーンという歌声の綺麗な海の怪物が登場します。
セイレーンの宝箱にあった青い宝石が海岸に流れ出て、海の神ネプチューンが偶然拾い上げました。
その後、アクアマリンは航海中の船乗りたちの身を守る護符となったのです。
(アクアマリンの色)
- サンタマリア:ブラジルのミナス・ジェライス産で濃い青色の最高品質ですが、現在は採掘されていません。
- マルタ・ローシャ:鮮明な青色。
- エスピリトサント:ブラジル産で深い青色。
- サンタマリア・アフリカーナ:モザンビーク産の濃い青色で、ブラジル産のサンタマリアに似た色。
(アクアマリンの意味)
3月の誕生石アクアマリンは、平和と安らぎを与え、離れた人との再会や幸福な結婚生活への手助けをしてくれます。
クリエイティブな感覚を向上させたり、対人面で良い印象を与えるよう、自信が持てるようになります。
長時間紫外線に当てると色が変わるので、保管する時は箱に入れて暗い場所に置き、屋外で長時間着用しないよう注意しましょう。
トルマリン
(トルマリンの特徴)
「電気石」の異名を持つトルマリンは、摂氏100度に加熱することで電気を発生します。
15世紀には産地であるスリランカからヨーロッパへ輸入されていましたが、多彩な色を持つことから、長い間ルビーやエメラルド、ジルコンなどと混同されていました。
16世紀にブラジルで大量のトルマリンが発見されてから、ようやく「トルマリン」として知られるようになったのです。
(トルマリンの色と種類)
絵具のパレットのように多彩な色のバリエーションを持つことから、シンハリ語の「トルマリ(多くの色)」が名前の由来となりました。
- グリーントルマリン:黄~緑は一般的で、鮮明な緑は価値が高い。
- クロムトルマリン:クロムの不純物による鮮やかな緑色。
- ピンクトルマリン:薄いピンクから濃いピンクまでの全て。
- ルベライト:ルビーに似た赤みの強いピンク。
- インディゴライト:青と緑の中間色。
- ドラバイト:緑~黄色に茶色味がかったもの。
- アクロアイト:無色透明で、非常に稀。
- バイカラー:ピンクと緑の2色。
- パライバトルマリン:青緑色のネオンブルーで、希少価値が高くコレクターに人気。
(トルマリンの意味)
10月の誕生石トルマリンは、摩擦によるマイナスイオンを発生して、周囲の空気や心身を浄化し、活性化する作用があります。
ストレスや疲れを癒し、集中力ややる気を起こすパワーがあふれます。
摩擦や熱で帯電する性質があり、ほこりや汚れなどがつきやすいので、柔らかい布でサッとふき取るようにしましょう。
トパーズ
(トパーズの特徴)
トパーズは硬度が8と硬い宝石ですが、横にヒビが入りやすい性質を持っています。
水酸基を含む「OHタイプ」がインペリアルトパーズで、他のトパーズはフッ素を含む「 Fタイプ」です。
古代インドでは、イライラしたり感情が高ぶったときには、トパーズが心身を平常に戻して優しく癒してくれるといわれていました。
中世ヨーロッパでは、心身の疾患に効果的であり、枕の下に置いて眠ると安眠と快適な目覚めを誘うといわれました。
(トパーズの色と種類)
- インペリアルトパーズ:シェリーカラーや黄褐色の最高品質で、赤色が多いほど高品質。
- ピンクトパーズ:インペリアルトパーズを加熱処理したもの。
- ブルートパーズ:ほとんどが無色のものを放射線処理したもの。
- グリーントパーズ:大抵が照射処理したもの。
- シャンパントパーズ:シャンパンのような、天然の薄茶色。
(トパーズの意味)
11月の誕生石トパーズは、目の前にある曇りを取り省き、洞察力を高めて将来進むべき道筋をはっきりとさせてくれます。
名前の由来が「探し求める」という語源であるように、探し求めている人物や物事、仕事などに巡り会う機会を与えてくれます。
キズが付きにくいのですが、割れやすい性質を持つので、落としたりぶつけたりしないように注意が必要です。
紫外線にも弱いので、暗い場所で保管して、太陽光の下での長時間の着用や浄化は避けるようにしましょう。
ガーネット
(ガーネットの特徴)
ガーネットとは、同じ結晶構造と成分を持つ鉱物のグループの名前です。
硬度が7-7.5と硬く、過去にはアジア部族が弾丸として使用していたほどです。
19世紀の英国では、ヴィクトリア女王が深紅のガーネットを愛した事から、ジュエリー界において新しい流行が誕生しました。
(ガーネットの色と種類)
ガーネットのグループには幾つもの色があり、不純物の成分によって異なる発色をします。
- アルマンディンガーネット:ワインレッドのような赤色。
- パイロープ:血のような赤色。
- ロードライト:紫味を帯びた赤色。
- グリーングロッシュラー:緑色で、透明グリーンはツァボライトガーネット。
- スぺサルタイト:オレンジ色で、明るい色はマンダリンガーネット。
- デマントイド:薄黄緑色で大変希少、ホーステイルの内包物が特徴的。
(ガーネットの意味)
1月の誕生石ガーネットは、人との絆を深め、成功や目標への幸運を実らせてくれます。
体内の血行不良を改善し、不安な気持ちを排除して勇気をもって前へと進むことができます。
紫外線や熱、薬品などに強いので安心ですが、他の宝石を傷つけることがあるので、一緒に保管するのは避けましょう。
クオーツ
(クオーツの特徴)
クオーツは地殻で最も一般的に産出される鉱物で、その中でも無色透明のものを水晶(ロッククリスタル)と呼びます。
日本では古来から産出されており、奈良時代の書物では山頂の湧き水が凍った水の精「水精」と表現され、「枕草子」では水晶の数珠と書き記されています。
中世のヨーロッパでは、水晶の玉は未来を透視する水晶占いに使用されていました。
(クオーツの色と種類)
- ロッククリスタル:無色透明の水晶。
- アメシスト:紫色をした、最も人気のある水晶。
- アメトリン:黄と紫の2色を同時に発色。
- シトリン:黄色で、大抵がアメシストを加熱処理したもの。
- スモーキークオーツ:茶色の水晶。
- ローズクオーツ:ピンクやピーチ色をした石英。
(クオーツの意味)
クオーツ(ロッククリスタル)は4月、アメシストは2月、シトリンは11月の誕生石です。
無色透明のクリスタルクオーツは、身の回りを清めて浄化し、心身を癒すパワーがあると信じられてきました。
身体の活性化や、将来歩くべき道へと導いてくれるガイドとして、決断力を向上させてくれます。
硬度は7ですが、割れやすく傷つきやすい性質を持つので、ダイヤモンドやルビーなど、硬い宝石とは別にして保管しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ひとつの宝石には幾つかの種類が存在し、色も多彩にあることが分かりました。
宝石を身に着けるときは、そのパワーを信じて、ポジティブな気持ちでいることが大切です。
使い終わったら軽く布で拭くなどして、大切にケアしてあげて下さいね。
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