このページを開いたあなたは、おそらく毎日の休みない育児と家事にほとほと嫌気がさしているのではありませんか。
育児は大変、母親は大変。
みんな口ではそう言いながら、実際周りのママはけっこう楽しそう。
いつもばっちりオシャレしているし、幸せそうで輝いているママも多いもの。
自分はどうして、みんなのように器用に育児ができないの?
夫婦で家事分担して上手く家庭を回している人も多いのに、なぜうちはワンオペ育児なの?
こんなに子供のことを考えているのに、なぜうまくいかないの?
などなど
育児に関する悩みは後を絶たず、さらに周囲との差に劣等感やコンプレックスを抱えてしまう人も少なくないでしょう。
育児疲れって、よく聞くワードですが実はその実態はとても危険なもの。
育児疲れは、幼児虐待や自殺などの非常に恐ろしい結果を招く可能性があるのです。
決して大げさな表現ではありません。
核家族化が進み、母子が孤立しやすくなっている現代ではこのような問題は常に隣り合わせなのです。
みんなしんどいけど頑張ってこなしているから、自分も少しくらい無理しないと…って思っている人も多いはず。
しかし、それがエスカレートしてからでは遅いのです。
自分自身を少しでも楽にするために、育児疲れの原因と対処法を一緒に考えていきませんか?
育児がこんなにも疲れる理由って?
育児が疲れる理由には、一晩じゃ語り切れないくらいの要素があります。
今回は多くの人に当てはまる、共感できるポイントに絞ってみていきましょう。
1. ひとりになれない
ママは24時間365日、ほとんどひとりになることができません。
赤ちゃんのうちは眠ってもまたいつ泣いて起きるか分からないし、様子も見ていなければなりません。
実家が近くにある人でも、預けるのはやむを得ない用事のときばかりで、自分のリフレッシュやひとりの時間を作るために預けられる状況ではないという人も多いもの。
ひとりで、誰のことも気にせず静かにのんびりとした時間を過ごすこと。
ひとりの大人として普通のことですが、ママにとっては夢のまた夢の時間です。
2. 子供の声や、子供が出す音がうるさい
子供の声って、本当にうるさいんです。
同じことを何度も聞いてきたり、同じ歌をエンドレスで歌ったり。
何度も聞いた話を、毎回同じテンションで話します。
特に疲れているときや体調の悪いときなどは、
「5分でいいから黙って欲しい」と思うことも。
お風呂で泣く子供の声は、工事現場の音と同じくらいうるさいです。
それでも「うるさい!」って言っちゃダメ。
「静かにしてよ!」って怒鳴っちゃダメ。
子供が騒ぐのは当たり前で、母親はそれを優しく見守るもの、みたいな価値観が植え付けられています。
3. 毎日子供を持ち上げ運び続ける
ママは赤ちゃんを毎日抱っこして持ち上げ、運ばなければいけませんよね。
赤ちゃんは1人にできませんから、どこに行くのも一緒。
その間ずっと、持ち運び続けているのです。
最初は3~4キロの赤ちゃんですが、そのうちすぐに10キロになります。
15キロ(3歳前後)になっても、まだまだ抱っこしてほしいと言って泣きます。
両手を開けるためには、抱っこひもやベビーカーも持ち歩かなければなりません。
常に大きな荷物を10キロ前後持ち歩いて、日々生活しているのです。
本当に厳しい仕事だと思いますよ。
4.家事が進まない
家事をやらなければならないのに、思うように進みません。
赤ちゃんは抱っこでなければ寝ない子も多く、布団におろせないことも多いです。
寝たと思ったらちょっとした物音で起きるので、音の出る家事ができないこともあります。
成長すれば
- 一緒に遊んで!
- お茶こぼしちゃった
- お外で遊びたい!
こうやって子供の要求がどんどん増えて、家事が思うように進みません。
子供の相手だけしていればいいなら、いくらでもできる。
でも、それに家事や仕事などの
「やらなければいけない用事」
がたくさん追加されるので、ママの負担は計り知れないほど多くなってしまいます。
5. 毎日多くの挫折を味わう
小さな子供がいると、やろうと思っていたことを最後までやり遂げることができません。
頭の中で
「これをやって、次にこれをやって、その間にこれをやろう」
と計画を立てていたとしても、その途中で赤ちゃんが泣いたりぐずったりすれば中断せざるを得ないですよね。
子供に何か要求されたり、子供が失敗して部屋を汚したり、着替えたり…ということも日常茶飯事。
そんなことをしているうちに時間はどんどん過ぎ、やるべきことを達成できないまま1日が終わることもしばしば。
子供がいなければ難なくこなせる用事も遮られ、挫折感を味わうことに。
どんな小さな家事でも、ひとつひとつ終わったら「プチ達成感」を覚えるもの。
ものごと達成することは、人間にとって大きな原動力になります。
これを毎日ちょっとずつ奪われ、その代わりに挫折感を与えられます。
これが繰り返されることで、ママの育児疲れは加速していくのです。
5. 弱音を吐けない
弱音を吐くのは、母親として情けないというイメージがある人も多いのでは。
- ママが不安な顔をしていると赤ちゃんに伝わる
- ママが明るくないと子供たちが安心できない
- ママは子供の前で泣くべきではない
こういう、
「ママは強く、いつも明るい存在でいなければいけない」
というイメージを強く持っていませんか?
実際に、こうした助言をされることも多いです。
するとママはちょっとくらいつらくても弱音を吐けなくなり、自分を偽って無理をしてしまうのが当たり前になってしまうんですね。
ひとりの人間としての感情よりも、ママとして子供たちに不安を与えない振舞い方ばかりが求められてしまうことも。
6. 周囲の目を考えなければならない
子供を育てていると、やはり周囲への配慮には気を遣います。
これは育児疲れを大いに加速させてしまうもの。
- 他人に迷惑をかけてはいけない
- 公共の乗り物に乗りにくい
- お友達とのやり取りで神経を遣う
- 周囲の子供との比較
などなど、子育てには常に他人の目が付いて回るものでもあります。
子供が活発に動くようになればなるほど、周囲への迷惑とならないように…という気持ちがプレッシャーとなり、育児疲れを増幅させてしまいます。
7. せっかく作ったご飯を食べてもらえない
苦労して作った離乳食、好き嫌いのある子供に食べやすいよう工夫したメニュー。
せっかく手間暇かけても、子供が食べてくれないなんてことも日常茶飯事ですね。
育児書や育児教室などで習った方法を実践してみても、一向に食べようとしてくれない子。
毎日決まったものしか食べたがらない子。
おっぱいばかりで離乳食がなかなか進まない子。
育児に食の悩みは尽きません。
食はその子が育つために重要なものだと言うことは確かなので、それを負担に感じてしまうママも多いです。
その上、苦労したのに食べてくれないとなると、またここで挫折感を味わうことになります。
8. 体調が悪くても休めない
例え体調が悪くても、ママは休むことができません。
女性は月経周期によっても体調の悪い日があります。
毎月同じようにやってくる排卵や月経の前後、また天候により気圧の変化、育児疲れによる肩こりや腰痛などなど。
女性には体調が悪くなる要因がとてもたくさんあります。
だからと言って、完全に一人になって眠ることもできません。
つらい体に鞭を打って、子供の相手をしたり、お世話をしたりしなければならないのです。
9. 子供を危険から守るプレッシャー
常に子供から目を離してはいけない、ということも大きな負担です。
外出中はもちろん、家の中でも1日中子供を見守ならければなりません。
家の中に危険がないように考え工夫し、危ないものがないか常に周囲を観察しておくことも。
外に出たらひと時も気を緩めることなんてできないですよね。
常に子供の命、安全を預かっているというプレッシャーも、ママには課せられているのです。
10. 休憩時間・休日もない
普通のお仕事には休憩時間もあるし、休日もあります。
残業時間は決められていて、それらはみんな法律でしっかりと定められているのです。
でも、ママには休日も休憩時間もありません。
例えば日中、子供が1時間~2時間昼寝をしますが、その間は子供が起きているとできない家事や用事を進めることもあります。
一緒に休んだ場合、その家事はあとで時間を作ってやらなければなりません。
結局、休んだらその分後から大変になるだけ。
ワンオペ育児ならなおさら、ママの休み時間はほぼありません。
11. 1人で多くの立場をこなさなければならない
女性は結婚して出産すると、いくつもの立場を持つことになります。
まず自分自身があって、母親としての自分、妻としての自分などたくさんの立場があり、それぞれにやるべきことやがあります。
母として妻として、またご近所付き合いなどもあります。
頭の中で考えることは、非常に細かくて膨大な情報量。
キャパオーバーとなって、頭の中の整理が追い付かないということもあるでしょう。
12. ご飯をゆっくり食べることもできない
ご飯を自分のペースで最初から最後まで座って食べる、ということもできません。
座って食べ始めれば子供が牛乳をこぼし、お肉が噛めないと泣き、もう食べられないと言われたらママがスプーンをもって食べさせたりもします。
当然自分のご飯は冷えてしまうし、立ったり座ったりしすぎて食べた気にもなりません。
座ってご飯を食べなさい、しつけながらも自分はそれすらままならない状況。
私は座って食べると逆に疲れるので、立ったまま食べることすらありました。
13. 子供のことばかり考えてしまう
こんなに育児疲れしているのに、ママは結局子供のことばかり考えてしまいます。
子供が寝ているときも、子供をどこかに預けているときも子供のことが頭から離れないのです。
リフレッシュしようと誰かに子供を預けたとしても、何をしているか、泣いていないかなど気になって気になってソワソワしてしまうことも。
結局預けてもなんとなく集中できず、遊びを楽しめないということも少なくありません。
普段から真面目に子育てに勤しんでいるママ程、子供のことばかり考えて息抜きが苦手な傾向にあります。
育児疲れを少しでも解消するには?
育児疲れの解消法として、
- 適度な運動
- ひとりの趣味に没頭する
- 子供と夢中になって遊ぶ
- 好きなスイーツを食べる
などがよく挙げられますが、こういうことで本当に育児疲れが解消されるとは限りません。
一時的に気持ちが落ち着くこともありますが、それはごまかしているだけでもあります。
本当に育児に疲れている人は趣味をする気にもなれないし、子供と遊んでも夢中になんてなれません。
そもそも一人の時間が限られているので、できることも限られてしまうのです。
そこで、育児疲れを根本的に解消するにはどうしたらよいのか考えてみました。
1. ひとりで抱えないこと
育児疲れで自分を追い詰めてしまうママは、責任感が強いタイプの人。
誰かに頼ったり、相談したり、愚痴を吐きまくってすっきりするなどということが苦手な傾向にあるのでは。
自分の話をするのが苦手なママも、中にはいるでしょう。
こういう場合、自分の中だけで悩みを抱えて考えが深刻化しやすいです。
自分の頭の中だけで悩み続けていると、考え方が偏り、バランスの悪い思考になります。
これは、どうにかして誰かに話して意見を求めない限り改善しません。
いちばん望ましい相手は、夫です。
夫に育児に対する不安や悩み、今思っていることをできるだけたくさん話してみましょう。
言わなくても大体分かってくれているだろう、という思い込みは夫婦関係を悪化させます。
男性は人の心の奥まで察し憶測するということが苦手なので、はっきりと悩みを打ち明けないと理解を得られません。
夫にもっと協力してほしいと思っている人、家事育児の大変さををもっと知ってほしいと思っている人なども同じです。
男性は女性が思っているよりずっと不器用なので、逐一口で説明しないと理解できない場合が多いのです。
それでも夫の理解が得られない場合は、自分の両親や友人など、誰でもいいので自分が話しやすいと思う人にSOSサインを発しましょう。
ただし、身近な人であればあるほど自分の弱い部分を見せられないという人も少なくありません。
そのような場合ネットの質問掲示板を使ってもいいし、お住いの自治体の育児相談や子育て支援センターなどに相談する方法もあります。
(私は育児疲れでしんどくなると、質問掲示板やSNSで同じような悩みを持っている人に共感してもらって解決することもありました。)
2.自分の気持を吐き出し、頑張りを認めること
子育てにおいて
「ママとしてこうあるべき」
「ママはこうでなければいけない」
という固定概念をまず捨てましょう。
そして、自分の正直な気持ちを吐き出してください。
それがどんな感情であっても、どんな自分勝手な内容でも構いません。
例えば…
- 赤ちゃんの泣き声がうるさい
- 子供としゃべりたくない
- 子供の顔も見たくない
- ひとりになりたい
- 好きなだけお酒を飲みたい
- 子育てをやめたい
人には言いにくいことであっても、あなたが本心で感じたことを書き出して、それを自分で認めましょう。
自分が感じたこと、というのは誰かに否定する権利はありません。
あなたがそう感じたことは、事実であってそれを「正しい」「間違っている」と審判することは誰にもできないのです。
もちろん自分自身でも。
そして、自分がどれだけのことをやっているか、どれだけ必死で頑張ってきたか認めましょう。
ダメな母親なんていません。
みんなそれぞれの精一杯を、毎日続けているのですからそれだけで十分立派なのです。
必死に子育てに向き合ってきたからこそ、時に息切れしてつらくなってしまうもの。
育児疲れを強く感じるママは、ダメなのではなく誰よりも子供に寄り添っているママだと言っても過言ではありません。
3.心療内科やカウンセリングルームは怖い場所ではありません
育児疲れで本当に限界だと感じたら、心療内科やカウンセリングルームを訪ねることも視野に入れるべきです。
決して敷居の高い場所ではありません。
心療内科、精神科など抵抗がある方も多いですが、中身はいたって普通です。
安定するために少し薬を飲んでみたり、話を聞いてもらったりするだけでもずいぶんと心が楽になります。
今より悪くなるということはありませんので、精神的に参っていると感じたらクリニックやカウンセリングを検討して下さい。
4.保育園の一時預かりやファミリーサポートは理由を言わなくても預けられます!
自治体の一時預かりやファミリーサポート事業は、預ける理由を聞かれない場合もあります。
リフレッシュのために子供を施設に預けるのは、全く悪いことではありません。
でもやっぱり中には言いにくい、抵抗が強いというママもいますよね。
見ず知らずの人に、育児に疲れたなんてなかなか言う勇気ありません。
一時預かりは理由を言わなくても受け入れてくれることがあります。
育児疲れで限界を超えているママが無理して育児を続けるよりも、仕事と割り切って冷静な立場で子供と接する保育士さんにお任せしたほうが安全なこともあります。
ママと赤ちゃん(お子さん)の心の健康を保つためには、少し子供と離れて育児のプロに任せるという選択も全然アリなんですよ。
「育児ノイローゼ」と検索しまくった私の毎日
私は、次男を出産した1年後くらいに育児ノイローゼに近い状態になりました。
あの時は、毎日スマホで夜な夜な「育児ノイローゼ」と検索しまくって、自分今後どうなってしまうのか考え続けていました。
6歳と1歳の子供たちを抱え、実家は両方とも遠方で頼れない。
完璧主義なので部屋が汚れていることや、家事がスムーズに進まないことにストレスを感じていました。
下の子が動き出すと目を離せないし、次から次へと物を引っ張り出してくるので部屋はぐちゃぐちゃ。
上の子は下の子に対する嫉妬心で荒れていて、赤ちゃん返りが1年以上続いていました。
夫は体調不調で仕事に出かけるだけで精一杯。
周囲のママ友もいましたが、会えば雑談をする程度で、深刻な相談をしたり頼ったりできるような間柄でもありませんでした。
忙しすぎてご飯を食べるのも忘れてしまうようになり、空腹にも気付かないことがありました。
育児ノイローゼや育児疲れなど、こういうワードを検索すること自体がもう、育児ノイローゼだと思います。
定義とか、チェックシートとかそんなものは重要ではなく、ママ自身が「しんどい」「もうやめたい」って思ったらそれは危険サインなのではないでしょうか。
私は自分がダメになったら子供たちもダメになるか、もしくは虐待してしまうと思ったので、自分でセルフモニタリングをしながら自分の気持ちと上手く付き合ってきました。
結果的に育児ノイローゼやうつとまではいかなかったのですが、やっぱり育児疲れはよくあることではなく「危険」な状態なのだと痛感しています。
さいごに
今回は、育児疲れが加速してしまう理由と、改善するために自分の気持を向き合う方法についてお話してきました。
育児に悩んでしまうことや、つらい・もうやめたいって思うのは、決して珍しいことではありません。
みんな人に言えないだけで、一度や二度は感じたことのある感情なのかもしれません。
しかし、だからと言って「みんなそうだよ」「よくあることだよ。」で済ませてはいけません。
ワンオペ育児や、母親の孤立によって深刻な問題となるケースが多発している現代。
育児ノイローゼや産後うつ、虐待などは決して他人事ではなく、誰もが陥る可能性を持っているのです。
自分の気持に気付き、向き合って、SOSを出してくださいね。
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