健康食品として話題の「黒にんにく」をご存知でしょうか。
聞いたことはあるけれど、まだ試されたことがない方も多いと思います。
そもそも「黒にんにく」って、にんにくと何が違うのでしょうか。
「にんにく」が食べるのにおいしいだけではなくて、疲労回復にも効くのはよく知られています。
でも「黒にんにく」も所詮「にんにく」なのですから、「にんにく」を食べていればいいのではないでしょうか。
実は、「にんにく」と「黒にんにく」は似ているようで違います。
「黒にんにく」の成分を見ると、「にんにく」では取れないような、体に効く成分がたくさん凝縮しています。
それでは、健康ブームに乗って人気の高い健康食品である「黒にんにく」のすごさの秘密を解説します。
「黒にんにく」が私たちの健康にどのように効果があるの、その実力をお届けします。
『黒にんにくとは?』
「黒にんにく」の元をたどれば、あの野菜売り場に置いてある白いにんにくです。
この白い生のにんにくを、高温・多湿のもとでじっくりと約一ヶ月ほど熟成させます。
すると、白かったにんにくは黒くなり、「黒にんにく」ができあがるのです。
長時間、熟成されるあいだ、添加物などは必要としません。
一定の気温と湿度が保たれた室内で熟成させるど、自己発酵して、一ヶ月ほど経つと「黒にんにく」になるのです。
『なぜ黒にんにくは黒くなるのか?』
食品を発酵させると、その食品の中に潜む微生物が活発に活動して発酵が進むというのが、通常の発酵のプロセスです。
しかし、「黒にんにく」には微生物が存在しません。
それならば、白い生のにんにくを発酵していくときに、何が起こっているのでしょうか。
にんにくを発酵させると、にんにくの成分である糖質とアミノ酸が、メイラード反応という化学反応を起こすのです。
このメイラード反応によって発酵されて、その結果、白かったにんにくが黒く変わります。
『にんにくと黒にんにくの違い』
「にんにく」と「黒にんにく」は色が変わっただけではありません。
成分が変わり、味も変わってきます。
「黒にんにく」は、一般の白いにんにくに比べると、甘みがずっと増します。
その糖度は、スイカの糖度の3~4倍に達するほどだそうで、ドライフルーツのような甘さがあります。
また嬉しいことに、にんにく特有の匂いも熟成中に消えてしまうので、食べた後に口臭を心配する必要がありません。
成分の面では、老化の原因といわれる活性酸素を抑える効果のあるポリフェノールが増加します。
そのため、抗酸化作用が高まります。
また、アミノ酸も増加。
アミノ酸は、私たちの体を作るたんぱく質のもととなる成分ですが、アミノ酸を多く摂取することで、心身ともに健康な肉体を維持するのに不可欠です。
また、抗がん作用もある「S-アリルシステイン」という成分が大幅に増加されます。
この「S-アリルシステイン」は、あらゆる食品の中でも、にんにくだけが持っている有効成分です。
その効果は、がん予防に効くだけではなくて、抗酸化作用、肝障害予防作用、高血圧の改善、動脈硬化予防、心臓疾患予防などの症状にも効果があることが確認されています。
『黒にんにくはどこで生まれたの?』
ところで、この「黒にんにく」がどこで生まれたのかというと、三重県だというのが有力説ですが、その発祥の地は明確になっていません。
しかし、韓国のキム・スコット博士が開発して、世界的に広まったという説もあります。
黒にんにくは、韓国では有名な健康食品だそうで、黒にんにくが使われたサプリメントも多く生産されているそうです。
日本では最近、にんにくの産地である青森県も黒にんにくの生産に積極的に取り組んでいますので、青森産黒にんにくというのも、よく目にする商品です。
『黒にんにくの効果とは』
【生活習慣予防】
喫煙や飲酒、体に良くない食事などの私たちの生活習慣が原因で起こる病気が、生活習慣病です。
有名なところでは、糖尿病や高血圧、脂質異常症などが挙げられます。
これらの疾患に肥満が重なると、メタボリックシンドローム、または「メタボ」として知られていますが、太っていることを気にしている方もいるのではないでしょうか。
40歳頃から気になり始めるこれらの生活習慣病ですが、この生活習慣病を予防する効果が、「黒にんにく」にはあります。
「黒にんにく」に含まれる「S-アリルシステイン」という有効成分が、老化や動脈硬化、そして生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。
また肝機能促進に抗がん作用にも効果があるといわれています。
その上、「S-アリルシステイン」は、摂取してから15分~30分ほどで効果が現れるそうで、即効性も期待されます。
「黒にんにく」に含まれる「S-アリルシステイン」は、生活習慣病を予防するのに役立つ心強い見方です。
【抗がん作用】
「黒にんにく」になる前のにんにくにも、抗がん作用があることで有名ですが、「黒にんにく」は更にその効果を促進させます。
それは、「黒にんにく」になることで増強される「S-アリルシステイン」が、NK細胞、つまり異常が生じた細胞を見つけ出し、攻撃するリンパ球を活性化させます。
がん細胞やウイルス感染細胞などの悪玉を殺すNK細胞の活性を高めるので、がん予防が期待できます。
ただし、すべてのがんに効果があるわけではありません。
特に効果があるといわれているのが、「胃がん」と「大腸がん」です。
それに対して、「乳がん」と「肺がん」に関しては、抗がん作用は期待できないといわれていますので、黒にんにくが万能というわけではないようです。
とはいえ、「S-アリルシステイン」によって、免疫機能を高められることは確かですから、「黒にんにく」ががんに限らず、病気にかかりにくい体を作ることは確かだといえるでしょう。
【血液がサラサラ】
「黒にんにく」は動脈硬化を抑制する働きもあります。
動脈硬化とは、血管内にプラークといわれる塊が付着することで、血管の弾力性がなくなり細くなり、血液が十分に流れなくなるという深刻な症状です。
日本の3大死因である、脳血管疾患や心臓病を引き起こします。
この動脈硬化を予防・改善をするのに効果的なのが、適度な運動と、脂質・塩分・糖分、そしてコレステロールを控えた食生活です。
「黒にんにく」はこのコレステロールを抑える効果があります。
にんにくに含まれているアホエンとビニルジチインに、S-アリルシステインがコレステロールを下げる働きを持っています。
またにんにくの成分であるMATS(メチルアリルトリスルフィド)が、プラークの発生を防いで、血管の詰まりを防ぎます。
活性酸素によって酸化された血液中の脂質が、血液をドロドロの状態にするのですが、MATSがそれを防ぐ効果があるのです。
そのため「黒にんにく」は血液をサラサラにしてくれるので、動脈硬化を予防できるのです。
【アレルギー改善】
喘息、アトピー、花粉症などのアレルギーですが、「黒にんにく」は、そのつらいアレルギー症状を抑えてくれる効果もあるのです。
アレルギーの原因は、免疫機能の低下だといわれています。
この免疫力を強くしてくれる作用が、「黒にんにく」にはあります。
またアレルギー症状を抑えるのに、体を温めるのも効果的だと言われていますが、「黒にんにく」中の「アルギニン」が、体を芯から温める効果があるので、免疫力もアップします。
そして「黒にんにく」に含まれる「レクチン」という成分は、腸管免疫を活性化させる作用があるので、その影響で、全身の免疫を正常に働くように作用して、アレルギーも改善するといわれています。
【心筋梗塞予防】
「黒にんにく」に含まれるMATS(メチルアリルトリスルフィド)が血液をサラサラにしてくれることはすでに紹介しました。
MATSの効果はそれだけではなくて、血圧を下げて、血管が硬くなるのを防ぐ効果もあります。
さらに、がんや老化・動脈硬化などを引き起こす脂質過酸化を防ぎ、血小板が固まるのを防いだり、血管を広げる作用があります。
心筋梗塞は、心臓に繋がる血管に血栓ができて、血流が止まることで引き起こされます。
MATSは、血栓のもとである血小板を固まりにくくするので、心筋梗塞の防止に効果があるのです。
【脳梗塞予防】
脳梗塞も、心筋梗塞と同じく、血管に血栓ができて血流が止まることで引き起こされるべ病気です。
「黒にんにく」に含まれるMATSのおかげで、血小板が固まりにくくなるので、血栓が作られにくくなり、血液もサラサラに保ちますので、脳梗塞予防にも繋がるのです。
【疲労回復・体力精力増強】
白いにんにくに比べて3倍ものアルギニンを含んだ「黒にんにく」は、老化抑制、免疫力の向上、そして一酸化窒素生成などに効果があります。
それがどのような影響を引き起こすかというと、疲労回復、体力回復、精力の増強などに効果を現します。
また「黒にんにく」の「アリアチミン」という成分が、糖質を効率よくエネルギーに変えてくれるので、疲労回復や精力増強といった効果を引き起こしてくれるのです。
「黒にんにく」は血流の流れもよくすることから、体を温まるので、冷え性の方にも効果的ですし、また疲労回復や体力増強にも繋がるのです。
【美容・美肌効果】
年齢からくるしわやたるみは、皮膚細胞が酸化されることで起こる老化現象です。
この皮膚の酸化現象を引き起こす活性酸素を取り除いてくれるのが、「ポリフェノール」や「S-アリルシステイン」です。
「黒にんにく」には、この、「ポリフェノール」や「S-アリルシステイン」が、白いにんにくの3倍から4倍含まれているというのですから驚きです。
老化に負けないお肌を作るためにも、「黒にんにく」は手放せません。
【アンチエイジングにも黒にんにくを】
老化の原因となる活性酸素を除去してくれる成分が、「黒にんにく」には豊富に含まれています。
活性酸素を除去してくれる代表選手が、ビタミンC やビタミンEですが、「黒にんにく」にはこれらのビタミンが豊富に含まれています。
また、これらのビタミン以上に活性酸素の除去に効果があるといわれているイオウ化合物です。
そのイオウ化合物であるアリイン、アリシン、アホエン、S-アリルシステイン、メチルスルホキシドがたくさん含まれているのです。
シミ、しわ、白髪などの原因である活性酸素を減らす抗酸化作用のある黒にんにくは、アンチエイジングに効果ありです。
【骨粗鬆症(こつそしょうしょう)にも効果を期待】
黒にんにくに含まれるたくさんのポリフェノール。
黒にんにくの実にポリフェノールはたくさん含まれているのですが、特に多いのが、にんにくの皮です。
黒にんにくを食べるときに皮は捨ててしまいますが、それはもったいありません。
ぜひ黒にんにくの皮を集めて、熱湯を注ぎしばらく蒸して作った「皮茶」を飲んで、ポリフェノールをしっかり体に取り入れましょう。
なかでもポリフェノール成分である「ケルセチン」は、骨代謝改善効果があります。
これがどのような症状に効くのかというと、骨粗鬆症などの骨の密度を下げる症状を抑える効果があると言われています。
また、「ケルセチン」は炎症や痛みを抑えてくれるので、関節痛にも効果があります。
【黒にんにくが薄毛にも効く?!】
「黒にんにく」は、育毛にも効果があります。
髪の毛の主要成分であるアミノ酸が「黒にんにく」には豊富に含まれています。
また血行促進する「アルギニン」が、頭皮の血行もよくしてくれるお陰で、育毛効果が上がるのです。
また「アルギニン」は成長ホルモンの分泌刺激を促すので、頭皮の成長が促進して、育毛を促して、「S-アリルシステイン」のIGF-1という因子が、発毛を促します。
抜け毛の要因は、肝機能の低下が考えられますが、「S-アリルシステイン」が活性酸素を除去するので、肝機能が低下しないように抑制することで、脱毛の予防になるのです。
「黒にんにく」の血液サラサラ効果で血行がよくなり、発毛が促されて、同時に脱毛予防にもなるので、薄毛にも効果があるというわけです。
『副作用はない?』
「黒にんにく」は健康食品であって医薬品ではありませんから、副作用はありません。
しかし副作用に似た症状として、食べ過ぎによって胸焼けを引き起こすことはありますし、胃腸が荒れて、腹痛や下痢、胸焼け、吐き気などが起こる可能性はありません。
それを防ぐには、摂取量は適量を心がけることです。
目安として、黒にんにくの1日の摂取量は、1片から3片ほどです。
またにんにくアレルギーの方も、アレルギーの症状が出る可能性がるので、黒にんにくを食べないほうがいいでしょう。
出血が止まりにくい病気の人も、黒にんにくが血小板を固まりにくくするので、止血が難しくなりますから考慮すべきです。
「黒にんにく」が体にいいからといって、食べすぎては体調を壊すもとになりますから、食べ過ぎないように気をつけましょう。
『黒にんにくをどこで手に入れるのか』
炊飯器を使って、自宅で「黒にんにく」を作ることもできます。
写真提供;youtube
10日から20日の間、生のにんにくを炊飯器に入れて保温し続けるのです。
でもこれはかなりの手間ですよね。
簡単なのは、やはり市販の黒にんにくを買うか、お手軽なのはサプリメントでしょう。
でもスーパーなどの店頭ではあまり「黒にんにく」は見かけません。
「黒にんにく」の購入は通販というのが一般的です。
青森県産のにんにくを使った商品が主流で、その粒の大きさや量によっても価格にばらつきがありますが、100グラム約600円程度というのが相場です。
黒にんにくの食感を試すために、実際に黒にんにくを召し上がっていただきたいのですが、黒にんにくの栄養素を手軽に取りたい方には、サプリメントがお勧めでしょう。
- 楽天市場で売れ筋なのが、株式会社ふくやの「黒にんにくきび酢 サプリメント」で、「黒にんにく」のエキスに、ポリフェノールが豊富に含まれたサトウキビから摂れたきび酢の合わせ技がきいたサプリです。
- 匂いもなく、飲みやすく、疲労回復の効果があったという口コミも多数あり、人気商品となっています。
- 摂取量は一日1粒~3粒で、飲みすぎることないように注意してください。
『効果的なとり方』
それは、1日1粒、多くても3粒を食べるのおすすめです。
いつ食べるのが効果的なのかは諸説あるので、ライフスタイルに合わせた食べ方をされればいいと思います。
ただ黒にんにくを食べると、血流が改善される効果があるので、それにより血行が促進して、全身の体温が上がる傾向があるようです。
そうした意味から寝る前よりは、朝食と合わせて食べたほうがいいかもしれません。
『黒にんにくの保存法』
もしも「黒にんにく」が余ってしまったら、冷凍庫で保存するのが一番のおすすめです。
「黒にんにく」は、冷暗所なら一ヶ月ほど、冷蔵庫で半年、そして冷凍庫なら半年から一年ほど保存することができます。
冷凍庫保存ですと、おいしさをそのまま封じ込めておくことができます。
熟成時に、黒にんにくの水分が出てしまっているので、やや硬くなるものの、カチカチに凍ったりはしません。
ですから、黒にんにくを食べたいときに、冷凍庫からいつでも出して、すぐに食べることができます。
『黒にんにくの調理の仕方』
「黒にんにく」の食べ方は、黒にんにくの粒をそのままポンとお口に入れて食べるのでもいいのですが、それでは味気ないと思われたり、またはその甘さが苦手だったりする場合には、「黒にんにく」をお料理に使ってはどうでしょうか。
次に、「黒にんにく」を使ったレシピをいくつかご紹介します。
【黒にんにくしょうゆ】
にんにくしょうゆは聞いたことがありますが、にんにくの代わりに黒にんにくを使います。
作り方はいたって簡単。
おしょうゆに黒にんにくを皮ごと入れて、10日ほどおきます。
もしもそれほど待てない場合は、皮をむいた黒にんにくとしょうゆ、それにお酒を少し入れてミキサーで混ぜるという方法もあります。
差し醤油に、料理の調味料としてもお使いいただけます。
【ドレッシング】
美容のため、抗がん作用のために、黒にんにく入りドレッシングはいかかでしょうか。
オリーブオイルベースのドレッシングに、アクセントとして刻んだ黒にんにくを混ぜ合わせます。
食べ飽きたドレッシングがこの一手間で、美容に効果のあるマジックソースに変わりますよ。
【黒にんにく味噌】
刻んだ黒にんにくに、味噌、砂糖、みりん、酒を混ぜ合わせれば、スティック野菜のディップソースになりますし、隠し味にも使えます。
豚肉を黒にんにく味噌で一晩漬け込めば、疲労回復の特効薬となる豚肉の味噌漬けができあがります。
豚肉のビタミンBとにんにくのアリシンが結びつき、疲労回復のお手伝いをしてくれますよ。
【加熱してもOK!パスタの調味料として】
熟成した黒にんにくは、加熱してもその成分が抜けてしまうことがありません。
ですから、普段のパスタ料理に、生のにんにくの代わりに、スライスした黒にんにくを使うことができます。
黒にんにくの甘さがパスタに濃くをプラスして、生にんにくを使ったパスタよりも、滋養強壮がより強化された食べてもおいしい、体にもおいしいパスタになります。
【カレーや餃子と一緒に】
黒にんにく独特の甘さが苦手な方には、カレーと一緒に黒にんにくを煮込むというのがおすすめの調理法です。
カレーを煮込むときに、刻んだ黒にんにくを煮込むと、カレー全体の甘さが増して、濃くのあるカレーが出来上がります。
また、餃子にも黒にんにくがおすすめです。
黒にんにくの味で餃子のうまさが失われるということはありませんし、免疫力も上がるので、体調を崩しやすい季節にはおすすめのレシピになります。
『まとめ』
「黒にんにく」は、生活習慣予防から抗がん作用、血行促進、滋養強壮に、美容・アンチエイジングと、オールマイティに効く健康食品です。
「黒にんにく」を日々の生活に取り入れて、健康的に毎日を過ごしましょう。
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