なぜ私が緊急帝王切開に?理想の出産ができなかった後悔と自責

産後の心
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女性は10カ月間という長い月日を経て、出産を経験します。

 

この妊娠期間は、赤ちゃんをお腹の中で育てるというだけでなく、出産に向けての心構えや知識を蓄える期間でもありますよね。

多くの女性がスムーズで静かなお産を目指し、色々な準備をしていることでしょう。

しかしその反面、5人に1人が帝王切開での出産を余儀なくされるという現実があります。

妊婦健診の途中で、普通分娩では母子の安全が確保できないと判断される場合、予定帝王切開の日程を決めることになります。

 

妊娠後期になって突然帝王切開での出産となってしまうことで、怖さや悔しさを感じる人も少なくありません。

 

また、出産の最中に緊急帝王切開に切り替わるということもありますよね。

 

突然の予定変更に戸惑っていても、赤ちゃんや自分の命を守るためには有無を言わさず従う他ありません。

そんな人は

 

「普通分娩で産みたかった」

「なぜ帝王切開になってしまったの?」

 

という後悔や自責の念をどうやって解決したらよいのでしょうか。

 

自分の心との向き合い方や、出産のあり方について一緒に考えてみませんか?

緊急帝王切開、そのときの心情は?

お産の途中に非常事態が起こることで緊急帝王切開となるケースも多いです。

 

出産の途中までは陣痛に耐えながら頑張ったのにも関わらず、突然帝王切開に切り替わってしまいます。

 

ママは体も心も疲れが溜まっているし、不安や焦りで正常な精神状態ではありません。

 

そんな中帝王切開で産むことが決まって、どんどん準備が進んでいく。

 

この流れに頭や気持ちがついていかないと感じるのは当然のこと。

 

お腹を切るという恐怖や動揺の気持があっても、赤ちゃんや自分の安全のためだと言われればその通りにするしかありません。

 

このような状況は、心に根強く残る「嫌な思い出」になってもおかしくないのです。

 

 

しかも、このような目まぐるしい状況の変化に対して、必ずしも病院の医師や看護師、助産師が適切なメンタルのケアを行ってくれるとは限りません。

 

忙しい病院では、不安を抱えているママのメンタルケアにまで手が回らないことも珍しくないでしょう。

 

結局ママはこの時の恐怖や悔しさをしばしば思い出し、もやもやした気持ちになるということも少なくないのが現実です。

 

 

普通分娩できなかった“劣等感”とは?

 

1.立派な出産に対するイメージ

帝王切開で出産したママが、普通分娩できなかったことを後悔してしまう原因は、出産へのイメージが第一に挙げられます。

 

安産や立派なお産に対するイメージと、帝王切開のイメージがかけ離れてしまっているためです。

安産や立派なお産とは自然分娩は当然のこと、慌てず騒がず静かに産む、というようなイメージが根強くあります。

 

・お腹を痛めて産んだ子供はかわいい
・出産の痛みに耐えてこそ立派な母親

 

このように

 

「出産の痛みを自力で乗り越えた母親だけがいい母親だ」

 

という、固定観念のようなものは多くの人に残っているでしょう。

 

最近では、無痛分娩や和痛分娩など様々なスタイルの出産方法が確立され、注目を集めています。。

 

しかしまだまだ少数派であり、普通分娩が圧倒的に選ばれているのも帝王切開に対する劣等感を感じる原因のひとつです。

 

※ 無痛分娩・和痛分娩とは、どちらも同じ麻酔薬を使って陣痛の痛みを和らげる出産方法。

 

2.普通分娩の母親と比べてしまう

予定帝王切開の場合は陣痛を経験しません。

 

陣痛を経験しないことで、「産みの痛み」を知らないまま母親になったという劣等感が残ってしまうこともあります。

 

圧倒的に普通分娩での出産が多い中で、人と比較して落ち込んでしまう場面は多々あるでしょう。

 

・ママ友同士、出産の痛みの話で盛り上がるとき
・立ち合い出産経験者の話を聞くとき
・母親や義母など、悪気なしに「帝王切開で残念」などと言われるとき

 

敏感な性格のママは、他人のちょっとした発言や雰囲気を気にしてしまうことも。

 

「他人と比べてはいけない」と頭では分かっているけど、どうしても卑屈になったりうらやましいと感じたりしてしまうことはあります。

3.2人目以降も帝王切開になる可能性が高い

 


1人目の出産が帝王切開である場合、第2子以降も帝王切開で出産することが多いです。

 

どうしても自然分娩を経験したいのであれば、受け入れてくれる病院を探して医師と相談の上、自然分娩が可能かどうかを判断していくという形になります。

 

ただしハイリスク出産になってしまうため安全面を考えて、自然分娩をあきらめるという人も少なくないのが現状です。

 

また日本の産婦人科業界では、帝王切開は3人までしか取り出せない、もしくは婦人科系の病気になったときに開腹するためには2回までの出産にすべきとする医師が多いとされています。

 

(繰り返しお腹を切ることで、皮膚の再生能力が弱まってしまうため。)

 

もちろん病院によっては、何人でも…という腕の良い産婦人科医もいます。

 

しかし現状としては、希望する出産回数が制限されてしまうことや、続けての妊娠ができないなどのデメリットが確実にあります。

 

こういった問題についても、普通分娩との違いから「劣等感」に繋がってしまう可能性があります。

 

出産の後悔、自責の念への向き合い方

出産に対する後悔、帝王切開であることへの劣等感などを解消するには、自分の気持ちに真っ向から向き合いましょう。

 

そしてゆっくりと気持ちの整理をつけていくことが必要になります。

 

 

まずは自分の感情を認めましょう。

帝王切開での出産が、自分の理想の出産ではなかったこと。

 

それは、あなた自身がしっかりと認めてあげることが必要です。

 

おそらく帝王切開での出産に劣等感や後悔の気持を感じると周りに話すと、

 

ぜいたくな悩みだよ。」

 

「母子ともに健康なのだから感謝しなくちゃダメ!」

 

「母親がそんな卑屈になっていたらダメだよ?」

 

という言葉が返ってくる、もしくはあなた自身がそう思っているのではないでしょうか。

 

もちろんこのような意見も正しい意見かもしれませんが、まずは自分の本当の気持ちに気付いてください。

 

帝王切開なんて今や当たり前の出産方法のひとつだし、母子の安全のためにはしかたがないこと。

 

そんなことは言われなくたって分かっていますよね。

 

ただ、気持ちの整理ができないだけなのです。

 

「帝王切開なんて本当は嫌だったのに!」

「普通分娩で産めなくて悔しかった!」

 

と、自分自身の正直な気持ちに正面から向き合いましょう。

 

あなたは感じたことは事実であり、それが贅沢だとか卑屈だと否定する権利は誰にもありません。

 

あなたがつらいと感じたその気持ちは、紛れもない事実なのです。

 

このステップを踏まないと、気持ちの整理は付けられません。

 

 

そしてそれをしっかり受け入れて肯定することができたら、今度は前向きな気持ちに切り替えていけばいいのです。

 

自分を責めてしまうのはなぜ?

なぜ帝王切開の人が、想定外の出産になったことで自分を責めてしまうのでしょうか?

 

それは、

 

「他にぶつける場所がないから」

 

です。

 

緊急帝王切開など、やむを得ない事情で最善を尽くした結果。

 

それをママ自身もちゃんと分かっている場合、自分を責める以外に後悔や劣等感をぶつける場所がないのです。

 

仕方がないことだったのは十分分かっている。

 

母子ともに健康なことには変わりない。

 

だからこそ、自分を責めることで負の感情を逃がそうと必死なのではないでしょうか。

 

 

気持ちを落ち着けたら、前向きに

妊娠中は、とにかく出産を無事に終えることや、赤ちゃんに会うことが第一の目標ですよね。

 

しかし出産は果てしない子育ての幕開けであり、スタートです。

 

帝王切開で産んだことがあなたにとってコンプレックスであると感じるなら、それを埋めるように愛情を注いであげましょう。

 

陣痛ももちろん大変ですが、帝王切開だってたくさんのリスクと苦労があります。

 

・麻酔による体調不良
・お腹の傷の痛み
・回復に時間がかかる
・突然の手術への不安

 

など沢山のリスク、不安があったはずです。

 

それを立派に乗り越えて、今母子ともに健康で暮らしています。

 

じゅうぶんに立派だ、むしろこれほど立派なことはないと、自分に自信を持てるようになると良いですね。

 

 

出産トラウマについて知っていますか?

 

出産トラウマとは、想像していた出産と違う形になってしまったことで、出産時の出来事が心のわだかまりとして残ってしまうことを言います。

 

帝王切開の劣等感がぬぐえない人も、この出産トラウマを抱えている可能性があります。

 

出産トラウマは、もちろん痛みや恐怖感が原因なこともあれば、出産時の状況、不安な気持ち、さみしさ、そして緊急帝王切開のような予想外の展開など、様々なことが原因で心に傷が残ります。

 

出産は神秘的で感動的ですばらしいものだ!と思っていた人も多いでしょう。

 

しかし実際はもっと淡々としていて感動とは程遠いということもあります。

 

また、自然なお産や素敵なお産を目指す人が増えているため、予定外の手術や予想外の展開に心が納得できないままという人も少なくないのではないでしょうか。

 

 

また、産後はホルモンバランスが急激に変化するので、いつも以上に心が不安定になりやすいもの。

 

普段なら気にならないようなことも、産後だからこそ強く心に残ってしまうのです。

 

これも出産時の出来事を根にもってしまう原因のひとつとされています。

 

 

出産トラウマについて詳しく知りたい方はこちら↓↓

どうしてこうなった!“出産トラウマ”による心の傷を癒すには

 

克服には帝王切開経験者の話を聞くこと

克服に大切なことは、やはり同じ経験をしている人とたくさん話をすることです。

 

立場の同じ人でなければ分からないことはたくさんあります。

 

せっかく話しても、求めている答えと違う回答が返ってくることでさらなるストレスを感じることも。

 

できるだけ同じ立場の人を探して話をすることをおすすめします。

 

帝王切開で出産する人は決して珍しくないので、ママのためのサークルや交流の場に行けば同じ経験をしているママに出会えるはずです。

 

育児教室やベビーサロンなどには積極的に参加し、帝王切開あるあるを気軽に話せるような友人を作ってみましょう。

 

ネット上にも帝王切開の体験談はたくさんありますし、質問掲示板には同じように劣等感や後悔の念に悩んでいる方の投稿も多いもの。

 

自分だけで抱えずに、同じ気持ちでいるママがいることを知るだけでも気持ちはずいぶんと楽になるのではないでしょうか。

 

 

また出産前後の出来事は記憶に残りやすいのは事実ですが、これから始まる育児はとっても楽しいと同時に悩みの連続です。

 

可愛いわが子に必死に愛情を注いでいるうちに、きっとこの出産の後悔や自責の念は薄れていくはずです。

 

時間が解決することもありますので、少し肩の力を抜いてこれからの楽しい暮らしのことを考えてみてくださいね。

 

さいごに

帝王切開になってしまったことへの後悔や、自分を責めてしまう気持ち。

 

自然な出産や感動的な出産を思い描いていた人にとっては、思わぬ非常事態だったはずです。

 

母子ともに健康だということは恵まれたことですが、ママの心は大きく揺れ動いたことでしょう。

 

その気持ちをしっかりと肯定し、受け止めましょう。

 

出産に対するわだかまりを解消するためには、それが一番大切なことです。

 

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