イギリスの首都ロンドンは、古くから大英帝国として栄えた歴史と近代が融合した都市であり、ヨーロッパ随一の観光地として毎日世界中から多くの人々が絶え間なく訪れています。
ロンドンでは、歴史的建築や美術館巡りから、ショッピングやエンターテインメントなど、たっぷり楽しめる観光地が盛り沢山です。
滞在期間が短いので1日で主な観光地を回りたいという方から、日程に余裕を持ってじっくりとロンドンを楽しみたい方など、滞在予定によって観光プランの内容も異なってきます。
こちらでは、有名な観光地からちょっとした穴場まで、ロンドンに行ったら必ず訪れて頂きたい、選りすぐりの超おすすめ観光スポットを10か所ご紹介して行きます。
1バッキンガム宮殿
最寄り駅 地下鉄St. James’s Park駅
ロンドンで最初におすすめする観光地は、英国王室宮殿であるバッキンガム宮殿です。
王室の結婚式や女王の誕生日などには、王室一族がバルコニーに勢揃いする事でも有名です。
宮殿の外に英国国旗が揚げられている時は、エリザベス女王が宮殿内に滞在して執務などを行っています。
バッキンガム宮殿は迎賓館として、外国の王族などが英国を訪れた際にも使用されている場所です。
バッキンガム宮殿の正門前に来ると、赤い制服と黒い毛皮の帽子を身に着けた、宮殿をガードする近衛兵たちの姿が見られます。
近衛兵たちは、門前で直立不動の姿勢を保ちながら宮殿の警備をしていますが、彼等が警備の勤務を交代する時には、毎回正式な交代式が行われます。
宮殿の前で晴れやかに行われる衛兵交代は、バッキンガム宮殿の一番の見どころ。
冬は月・水・金・日曜日、夏は毎日行われています。
衛兵交代式は10時45分に始まり、45分間続いた後行進を行います。
衛兵交代式と楽器を演奏して規則正しく行進する衛兵たちの姿は、必ず見ておきたいイギリスの伝統的セレモニーです。
毎日この時間になると、宮殿前には世界中からの観光客がびっしりと押し寄せるので、少し早めに行って良い場所を確保することをおすすめします。
1837年から王室王族の住居として使用されているバッキンガム宮殿には、全部で77室もの部屋があり、毎年夏(7月中旬~9月末)には、宮殿内にあるステートルームが有料で一般公開されています。
ステートルームとは、王族が来賓客を迎えて祝典などの公式行事を行う部屋で、有名な芸術家による絵画や内装、家具などが圧倒的です。
入場料:大人£24
17歳以下£13.50
60歳以上/学生£22
ファミリー£61.50
5歳以下無料
2ビッグベン
最寄り駅 地下鉄Westminster駅
ビッグベンの愛称で親しまれている大きな時計台は、英国国会議事堂としても使用されているウエストミンスター宮殿の一部で、世界遺産に登録されているゴシック復権様式の建物です。
時計台を含むウエストミンスター宮殿と、テムズ河を渡るウエストミンスター橋は、ロンドンで必ず訪れたいおすすめの観光地です。
ウエストミンスター宮殿が建築されたのは1016年ですが、1834年に火事で焼失され、1840年から数十年かけて再建築されました。
直径7メートルという大きな文字盤の周りには金メッキ細工が施され、312個のオパールガラスが貼られています。
1859年に時計台が完成し、5月31日から動き始めた時計のグレートベル(鐘)が初めて鳴ったのは7月11日のことでした。その後は15分ごとに小さな鐘を鳴らし、1時間ごとに大きな鐘を鳴らしています。
ビッグベンの時計の音色に使われているメロディ「ウエストミンスターの鐘」は、日本の学校で「キーンコーンカーンコーン」というチャイムとして使用されており、日本人には大変馴染み深い音色なのです。
ビッグベンと呼ばれる時計台は最初は「グレートベル」と呼ばれていましたが、後に「クロックタワー」という正式名称が付けられます。
2012年にはエリザベス女王の即位60周年を記念して「エリザベスタワー」という名称に変更されました。
ちなみに、最初は「ロイヤル・ビクトリア」という名称で呼ばれる予定だったそうです。
96メートルもの高さがある時計台ですが、2017年から大規模な修理工事が行われています。
周囲には足場が組まれ、安全に作業を行うために、大晦日と戦没者記念日を省いて、鐘の音を鳴らすのを2021年までは中止すると発表しました。
現在は修理中のため、内部ツアーも中止されてます。
3ロンドン塔
最寄り駅 地下鉄Tower Hill駅
次におすすめするロンドンの観光地は、タワーブリッジのふもとにそびえ立つロンドン塔です。
正式名称は「女王陛下の宮殿にして要塞」、中世に建築されて現在は世界遺産に登録されている、通称「ホワイトタワー」で親しまれている建物です。
1078年に建築が始まり1190年代に塔が完成しますが、12~13世紀にかけてリチャード1世とヘンリー3世によって城壁などが増築された後、全体が完成しました。
1625年まで国王の住居であったタワーは、他にも天文台や造幣所、銀行、さらに王立動物園などとして使用されてきました。
ロンドン塔といえば監獄や処刑場として使用されていた歴史が一番有名で、13世紀ごろからは王侯貴族や政治犯などが幽閉され、拷問や処刑が行われてきました。
新しい教会を作ってまで再婚したヘンリー8世の2番目の妻アン・ブーリンや、5番目の妻キャサリン・ハワード、王の側近であったトーマス・クロムウエルなどの処刑は、歴史上でも有名なお話です。
ロンドン塔内部は有料で見学可能で、ビーフィーターと呼ばれる衛兵隊の衣装を着たガイドによる観光ツアーもおすすめです。
クラウンジュエル展示室では、王室所有で世界最大ダイヤモンド「カリナン」をセッティングした王室宝飾品などが展示されています。
入場料:大人(16歳以上)£21.50
子供(5-15歳)£9.70
4ロンドンアイ
最寄り駅 地下鉄Waterloo駅
新しく出来たロンドンのランドマーク、ロンドンアイも人気のおすすめ観光スポットです。
テムズ河沿いのサウスバンクにある、ロンドンの街全体を見渡せる大きな観覧車で、ミレニアムプロジェクトのひとつとしてオープンしました。
観覧車は32個のカプセルから出来ていて、1個のカプセルには約25人の搭乗が可能です。
時速0.9㎞で動くゴンドラは、ゆっくりと約30分の時間を掛けて一周するので、大きなカプセル内で立ちながら壮大なロンドンの景色を眺めることができます。
1999年末に開業した当時は、ギネスに登録されるほどの記録を持つ、世界最大の観覧車でしたが、その後中国やシンガポール、ラスベガスに巨大観覧車が作られ、記録は追い抜かれてしまいます。
観覧車前は毎日長い行列が出来るので、公式サイトで事前にチケットを購入しておきましょう。
入場料:スタンダート£24.30より
ファミリー、ファストトラックなど多数。
ロンドンアイ前のアトラクション
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シーライフロンドン水族館
400種類以上の海洋生物を実際に見ることができる、ヨーロッパ最大の水族館です。
入場料:スタンダード£20.40より
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ロンドンダンジョン
ロンドンで起きた歴史的な事件を乗り物などのアトラクションで楽しめます。怪事件や処刑を俳優たちがユーモアたっぷりに演じているのが楽しい!
入場料:スタンダード£21より
5ピカデリーサーカス
最寄り駅 地下鉄Piccadilly Circus駅
都市ロンドンを楽しむなら、ロンドンの中心地ピカデリーサーカス観光をおすすめします。
ロンドン市内の中心地ウエストエンドにあり、メインの大通りがへとつながる広場です。
広場の中央にはエロス像と噴水があり、周囲に立ち並ぶ有名店のネオンサインやビルの街頭ディスプレイ、街を行き交う2階建てバスなどが走る、まさにロンドンを象徴する場所です。
クライテリオン・シアターやロンドン・パビリオンなどの歴史的建造物や、曲線を描く様に建てられたリージェントストリートの美しい建築を眺めるだけでも価値のある広場です。
ピカデリーサーカスから続くそれぞれの通りには、欧州最大の中華街を始め、有名ショップやレストラン、カフェやパブ、劇場や映画館などが立ち並び、24時間人々が忙しそうに行き交っています。
ピカデリーサーカスから繋がる主なストリート
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ピカデリー
リッツホテルやフォートナム&メイソン、日本大使館があり、グリーンパークを抜けるとバッキンガム宮殿にたどり着きます。
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リージェントストリート
有名店が立ち並ぶショッピング街で、アクアスキュータムやマッピン&ウエブの本店、バーバリーやハムリーズなどがあります。
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シャフツベリー・アベニュー
リリックやアポロといった有名な劇場が軒を連ねる通りです。
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ヘイマーケット
高級住宅街ペル・メルに繋がる通りであり、高級ホテルやカフェや劇場が立ち並びます。
ピカデリーサーカス周辺には日本食レストランやスーパー、書店などがあり、ユニクロや源吉兆庵、大黒屋なども出店しています。
6テートモダン(入場無料)
最寄り駅 地下鉄Southwark駅
日~木曜 10時から18時まで
金・土曜 10時から22時まで
ロンドンの近代美術を見学したい方には、テートモダンとミレニアムブリッジ周辺の観光をおすすめします。
テートモダンはテムズ河沿いのサウスバンクにある、入場無料の国立現代美術館です。
テートモダンは元々発電所として使用されていたもので、有名な赤い電話ボックスをデザインしたジャイルズ・スコット卿が設計し、1947年と63年の工事で発電所が完成しました。
美術館としてオープンしたのは2000年で、1995年にスイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムードンが美術館改造プロジェクトを提案したのが始まりです。
テートモダンは7階建てで、グラウンドフロアーは土産店、1階がカフェ、2階から4階は展示室、6階はレストランになっています。
シュールレアリスム、印象派、ポップアート、パフォーマンスアートなど400以上ものカテゴリーのコレクションを展示、期間限定展示会や子供のワークショップなども開催しているので、何度訪れても楽しめる場所です。
テムズ川沿いに佇むテートモダンは、6階レストランからの眺めが最高なので、窓際の席を取ってゆっくり景色を眺めながら、紅茶とケーキを楽しむのがおすすめです!
テートモダンから少し歩くと、シェイクスピアの劇場を再現した「グローブ座」があります。
テューダー朝時代の建築や舞台をそのまま再現した劇場内では、シェイクスピア劇のステージの観劇を始め、シェイクスピア関連の展示室やレストラン、カフェ、土産店などがあり、シェイクスピアの魅力をたっぷりと楽しめます。
テートモダンからテムズ河を渡って向こう岸に行く時は、ミレニアムブリッジを利用するのがおすすめです。
ミレニアム・プロジェクトの一環で建設された橋を渡ると、北側にあるセントポール大聖堂にたどり着きます。
7ホップオンバスツアー
停留所:ロンドン市内にある数十か所以上の指定バス停なら、いつでもどこでもスタートと乗降が可能です。
1日で効率的に観光をしたいという方におすすめなのが、ロンドン市内の主要な観光地で乗り降り自由のホップオン・バスツアーです。
バッキンガム宮殿やビッグベン、ロンドンアイ、ロンドン塔、トラファルガー広場などロンドン市内にある人気の観光地をくまなくドライブ、異なるルートからお好きなルートをマッチして、自分だけの観光プランを楽しめます。
2階建てバスなので、天気の良い日には屋根なしの屋上からロンドンの景色を眺めながらゆっくりと観光ができるうえ、数十か所あるバス停から好きな場所で乗り降りが出来ます。
チケットは1日から3日用などバス会社によって様々あり、日本語音声ガイドや子供用ガイドも利用できます。
コンボチケットとしてナイトツアーや歩きツアー、さらにテムズ河クルーズ、ロンドンアイとマダムタッソー入場などが一緒になったチケットを格安で販売しているバスツアーもあります。
チケットはオンラインで事前に購入しておくと割引になるので、多くのオプションが付いたチケットにグレードアップしたい方にもおすすめです。
料金:
ゴールデンツアー:(バスツアーのみ) 大人£27.90 子供(5-15歳)£13
シティサイトシーイング:(歩きツアーとテムズ川クルーズ付き)£32より
ビッグバスロンドン:(テムズ河クルーズ付き)大人£30 子供£16.20
8テムズクルーズ
バスツアーに次いでおすすめのロンドン一日観光が、テムズ河クルーズです。
クルーズ船に乗り、ゆっくりとテムズ河から眺めるロンドン市内は、バスや歩きでは見ることができない景色を発見することができます。
テムズ河では観光船の他にも通勤や交通手段として使える水上バスを運行していて、優雅なクルーズ船ではアフタヌーンティーやランチ、ディナーやマダムタッソーなどへの入場券が付いたものから、パーティやウエディングまで多数のプランを揃えています。
クルーズ船に乗れるのは、ウエストミンスター桟橋、ロンドンアイ桟橋、タワーミレニアム桟橋からで、片道の終着駅グリニッジまで運行した後、同じルートでウエストミンスターまで戻ります。
1日に何回も往復で運航しており、片道だけの乗船も可能なので、帰りは地下鉄で戻ったり、別のルートを観光するなど、自由なプランが立てられます。
乗船ルートからは、ビッグベンやロンドンアイ、ロンドン塔などが見え、タワーブリッジやロンドン橋などの下をくぐり抜ける時には、橋上にいる人達が大きく手を振ってくれます。
クルーズ船が南東へ進むにつれて、一般の観光では見慣れない景色が目に入ってきます。
チャールズ・ディケンズが当時本を書くために通っていたパブや、20世紀初頭には欧州最大の港であったドックランズの古い建物があり、その周りは対照的にモダンなマンションが続々と建設されています。
先へ進むと、金融街カナリーワーフに立ち並ぶ高層ビル群が見え、高いビルの窓が太陽光をまぶしく反射しています。
終点のグリニッジ桟橋近くになると、遠くにミレニアム・ドームが見えてきます。
料金(片道)乗船のみ、英語ガイド付き:
シティクルーズ:大人(16歳以上)£16.75
子供(5-15歳)£10.50
テムズリバーサービス:大人(16歳以上)£12.50
子供(5-15歳)£6.25
9グリニッジ
テムズクルーズ船の終着駅でゆっくり観光したい方におすすめしたいのが、グリニッジを思い切り楽しむコースです。
グリニッジはロンドン南東部にある世界遺産登録されている街で、グリニッジ子牛線が通る場所として有名です。
グリニッジの街に入ると、ロンドン市内とはひと味違う歴史的な建物が立ち並んでいます。
昔は港町として栄えた街であったことから、海に関する博物館や学校などがあります。
カティサーク号(大人£16.50/子供£6.30)
港町であったグリニッジで、インドなどから紅茶を輸入するティ―クリッパーとして活躍した貨物船です。
グリニッジ天文台(大人£9/子供£5.85)
国際標準時間の基準として定められたのが、グリニッジ平均時です。
グリニッジパーク内の丘を登ってグリニッジ王立天文台にたどり着くと、天文台旧本館の前に真っ直ぐなグリニッジ子牛線が描かれています。
丘の上から眺める壮大な景色や、時刻を知らせる報時球、プラネタリウムやカフェなど、丘の上でゆっくりとした時間を過ごせます。
国立海事博物館(入場無料)
トラファルガー海戦やキャプテンクックに関する資料など、イギリスの航海の歴史を始め、実物大の船のモデルやシミュレーションなどが展示されている、巨大な博物館です。
旧王立海軍大学(入場無料)
元々はヘンリー8世が誕生したプランセンティア宮殿が建っていて、建築家のクリストファー・レーンが設計し、病院として使われた後、王立海軍大学となりました。
素晴らしい内装のペインテッドホールや礼拝堂は一見の価値アリです。
クイーンズハウス(入場無料)
17世紀にジェームス1世の妻アンのために建築され、王族がかつて住んでいた宮殿です。
宮殿内にはターナーやカナレットの絵画が展示されているほか、圧倒的な美しさのらせん階段や対称的な内装など、パラディオ様式の格調高い建築を見学することができます。
10オリンピックパーク(入場無料)
最寄り駅 地下鉄Stratford駅
時間に余裕があって、ちょっと違った観光を楽しみたい方にぜひおすすめしたいのが、オリンピックパークです。
2012年のロンドンオリンピックとパラリンピックに使用された大きな敷地を、スポーツ複合施設として開発した場所で、現在はクイーンエリザベス・オリンピックパークが正式名称です。
地下鉄ストラトフォード駅を降りると、すぐ前には200以上の店舗が入るヨーロッパ最大のショッピングモール「ウエストフィールド」があります。
モール内にあるデパートのジョンルイスに入って3階に行くと、そこはオリンピックパーク全体を見渡すことが出来る展望ルームになっています。
ショッピングモールを抜けると、すぐ外がオリンピックパークへと繋がる道のりです。
パークのすぐ側にはリー川が流れているので、大きな橋を渡って公園内へと歩いて行きます。
歩き続けると、高さ115メートルの赤い展望台「アルセロール・ミッタル・オービット」が目の前にそびえ立ちます。
ロンドンオリンピックを記念して作られた展望台は、英国最大のパブリックアート作品で、通称「オービット」と呼ばれ、有料で展望台に登ることができます。
広いパーク内には小さな子供達が遊べる遊具を始め、ロッククライミングや噴水、貸自転車などが設置されているので、ジョギングや散歩を楽しみながら、家族全員がのびのびとエクササイズできるスペースが用意されています。
ロンドンオリンピック開催時に建設された屋内水泳施設や水球競技場、オリンピックスタジアムなどの建物もそのまま残っています。
オリンピックパーク内にある小高い丘を登ると、ロンドンの街が遠くまで見渡せ、公園の周囲には新しいマンションやビルが続々と建築されています。
オリンピックパークが建設された頃はリー川も汚く、敷地は湿地帯でした。
その後リー川の清掃や芝生の手入れが行われ、樹木や花を植えるなどして公園が整備されています。
晴れた日には広い公園内で思い切り運動して、疲れたら一休みしてピクニック。
ショッピングモール内には日本食を始め、世界のエスニックフードが楽しめるフードコーナーもあるので、公園へテイクアウトするのもおススメです。
まとめ
おススメのロンドン観光コースをご紹介しました。
特に1~3日で観光地をくまなく回れるバスツアーは、時間の無い方におススメです。
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