産まれたばかりの新生児に
「寝ない」
「泣き止まない」
などの悩みは尽きません。
とってもか弱くて愛おしい存在なのだけど、毎日の夜泣きや日中のぐずりなど、もうお手上げ状態のママも少なくないのではないでしょうか。
新生児のうちはグズるのも寝ないのも当たり前と言えば当たり前。
しかしママの体力や気力的には「今だけだから」と耐え続けるのも厳しいですよね。
そこで今回は、寝ない新生児のお世話を上手く乗り切るコツ、手抜きする方法などママの負担を少しでも軽減するためのアイデアをお伝えしていきたいと思います。
新生児が寝ない理由とは?
新生児が寝ないのは、たくさんの原因があります。
生活のリズムが安定する3か月くらいまでは、赤ちゃんが夜中も寝なくて困ってしまうことがよくあるのです。
そもそも新生児の赤ちゃんはまだ外での生活に慣れていないので、眠りが浅く光や音などの刺激にも敏感に反応してぐずります。
状況に圧倒されて、寝ないということもあります。
まずは考えられる原因を全て、チェックしてみてください。
昼夜逆転
新生児はまだ体内時計のリズムができていません。
この間まで光の入らないママのお腹の中で過ごしていたので、昼夜の区別が全くないのです。
これは生後3か月までに徐々に生活習慣を整えていくことで、ある程度改善するものと考えましょう。
ぐずって上手く眠りに入れない、泣き止まない、目をぱっちり空けてご機嫌に過ごすなど状況は様々だと思います。
しかし、どんな場合でも夜中に目が覚めてしまうのはまだまだ仕方がないことであり、異常ではありません。
母乳育児による空腹
母乳育児の場合、頻繁に母乳を欲しがって泣いて起きることがあります。
消化が良いので2時間前後でもお腹が空いてしまったり、赤ちゃん自身が上手に飲めていないので1回の授乳量が少なくすぐに空腹になったりという理由が考えられます。
赤ちゃんに母乳をしっかり吸ってもらうことで、母乳育児を軌道に乗せることが大事だと言われています。
そのため、夜中も頻繁に起きて授乳しなければならずママの負担はとても大きくなりますね。
完全母乳を目指したい人も、夜中も頻回授乳になることは避けられないでしょう。
体感温度
新生児と私たち大人とでは、肌で感じる体感温度が大きく違います。
大人が適温だと思っていても、赤ちゃんは寒いと感じて泣いたりぐずったりすることがあります。
寝室の適温は20~25℃。
湿度は50%前後が目安です。
そして、洋服は大人よりも1枚少な目でよいとも言われています。
新生児の赤ちゃんは、寒さを感じると体をバタバタ動かしたり、激しく泣いたりして動きを見せます。
赤ちゃんが自ら動くことで、「熱」を生み出して自分の体を守ろうとしているのです。
逆に、暑さに対しては泣いたり動いたりすると、余計に熱を生み出すので逆効果。
厚さに対しては汗をかくことで調整しようとします。
新生児のうちは1日の中での体温変動があまりなく、調整機能がまだまだ弱いのです。
また冷暖房の風が直接当たっていたりすると、体温を奪われてしまうので危険。
室温・体感温度には十分注意してあげるようにしましょう。
お腹の不調
新生児は、大きく力みながら泣くのが特徴です。
これは多くの赤ちゃんに見られる様子であり、特別な異常ではありません。
色々な原因があるのですが、多くはお腹の中のガスやうんちを出そうとしたり、それに伴う不快感で泣いてしまうことが多いです。
大人はうんちやおなら、げっぷなどを無意識にコントロールしながら生活しています。
お腹の中で多少動きがあっても、それほど気になりません。
しかし、新生児の赤ちゃんはそれさえも
「何だこの感覚は!」
という感じで、刺激を受けているんですね。
そのため力んだり、不快感によって激しく泣いたりするのはよくあることなのです。
息が荒い
新生児の赤ちゃんは、1分間に40~60回くらいの呼吸数が目安となります。
これは大人の呼吸数と比べると、倍近い数です。
大人の間隔からすると、呼吸が荒くて早く苦しそうと思ってしまいがちなんですね。
また、新生児の鼻はとても小さいので呼吸するときにフガフガと音が出ることもよくあることです。
寝ない上に呼吸が荒い…となると、何かの異常では?と思ってしまうことも多いのですが、機嫌がよく授乳量も普段と変わらないようであれば心配は要りません。
モロー反射
新生児が寝ないことの大きな要因となるのがこの「モロー反射」です。
モロー反射とは??
大きな音を立てた際に乳児が両手を広げて抱きつくような反射動作を指し[1]、出生直後より出現し、通常は生後4ヶ月頃には消失する。モロ反射の消失によって、頚定(首が据わること)や首の運動が可能となるとされる。
モロー反射の動きは、初めてみる人にとっては結構びっくりするものです。
ビクッと体が痙攣するような動きをしたり、白目をむいたりすることもあります。
これって何かの異常では!?と慌ててしまうことも少なくありません。
また、せっかく眠っていたのに赤ちゃんが自分のモロー反射の動きで起きてしまう、反射にびっくりして泣き出して寝なくなってしまうなどということも、よくあることですね。
昼間の興奮
昼間にいつもと違った環境に置かれることで、興奮状態になってしまうことがあります。
例えば、赤ちゃんを見に来客があった日、他の人に赤ちゃんを預けて休んだ日など…。
大人にとっては当たり前のことも、赤ちゃんにとっては初めてのことだったり、刺激的なことと感じられているかもしれません。
すると赤ちゃんは、そんな新しい刺激や経験を夢で再体験することがあると言われています。
新生児は眠りが浅いので、こういった経験や記憶の整理を行う途中で気持ちが高ぶって泣くこともあります。
母乳の飲みすぎ
赤ちゃんが寝ないときや、寝かしつけのときにおっぱいやミルクをあげながら寝かせることはよくありますよね。
しかしその授乳量が多く赤ちゃんが苦しくなってしまい、上手く寝られないということも考えられます。
ミルクの場合は1回の授乳量や1日の総量が決まっています。
しかし母乳はいくらでもあげていい、どんどんくわえさせて吸わせることで母乳育児を軌道に乗せるとも言われていますよね。
そのため、満福中枢の発達していない赤ちゃんはお腹がいっぱい過ぎて苦しくなってしまうこともあり得るのです。
母乳は泣いたら吸わせていい、と言われていますがあまりにも赤ちゃんが寝ないときや赤ちゃんがグズリ続けるときは、おっぱいを飲ませ過ぎている可能性も視野に入れてみましょう。
敏感な赤ちゃん
赤ちゃんにもそれぞれ個性があって、同じ月齢でもよく泣く子、大人しい子、よく寝る子、寝ない子がいます。
特に、よく泣き、あまり寝ない赤ちゃんは敏感な赤ちゃんである可能性もあります。
敏感とは、刺激や情報を多く察するという脳の特性です。
ちょっとの物音でも起きる、体の様々な変化に気付く、環境の変化に敏感に反応するなど…。
同じ新生児でも、周りの環境による刺激をどうとらえて、どんな風に反応するかは赤ちゃんによって違います。
「暗くて怖い」
「明るくて眩しい」
「うんちが出そうで出ない」
「眠いけど寝付けない」
「背中がかゆい」
「布団の肌触りが悪い」
などなど、ありとあらゆる刺激に対し、新生児がそれを表現する方法は
「泣く」
ことしかないのです。
新生児が寝ないことでママがイライラしてしまう理由
いくら新生児が寝ないのは当たり前のことだとは言え、ママも度重なる夜泣きで疲労困憊。
イライラしてしまうのは、おかしいことではありません。
人として正常な反応だと思います。
だけど、新生児のうちは寝ない、泣き止まないのが当たり前。
このイライラと付き合うには、イライラしがちな状況やその理由を改めて知ることが必要です。
1. ママ自身が眠いとイライラする
ママ自身が、貴重な睡眠時間を夜泣きによって起こされること。
これはイライラして当然ですね。
人によって短時間睡眠でも平気な人、たくさん寝ないと調子が出ない人、など睡眠に対する適応能力は違います。
決して夜泣きに付き合えるママの方が偉いわけではありませんよ。
育児には体力が必要、その体力を確保するには睡眠が大切です。
その睡眠を赤ちゃんのお世話によって奪われてしまっているのですから、
「もうどうすればいいの!」というお手上げ状態になっても致し方がないことです。
2. ママが疲れているからイライラする
睡眠不足もそうですが、ママ自身の疲労が溜まって体力が低下していることもイライラする原因です。
妊娠前だって、疲れているときや体調が悪いときはいつも以上にイライラしたのでは?
それと同じで、育児は本当に体力勝負。
たまにリフレッシュや気分転換をしても、疲れはまたすぐに溜まります。
イライラするのは、ママが真剣に育児を頑張っている証拠です。
またそれをいけないことだと振り返っていることも、一生懸命赤ちゃんに向き合っている証拠ですよ。
3. 毎日同じことの繰り返しでイライラする
毎日同じ時間に、同じように泣きだす赤ちゃん、寝ない赤ちゃんにイライラすることもあるのでは?
2児を育てた経験上、私的にはこれがいちばんイライラの原因だったように思います。
毎日、泣き声で夜中に起き、時計を見ると決まった時間。
「またなの?」
「やっぱり始まった…。」
「悪夢の時間だ…」
こんな感じで、毎晩同じことが繰り返されることにイライラがつのりました。
4. 赤ちゃんではなく、夫が起きないことにイライラしている
新生児の赤ちゃんは泣くもの。
まだまだ夜は寝ないもの。
だけどこんなにイライラが止まらないのは、横で大いびきかいている夫のせいかも?
もちろん翌日も仕事があるので、眠らなくちゃいけないのも分かります。
でも、毎日毎日夜中にひとりで起きて、しゃべりも笑いもしない新生児をあやしたり揺らしたりし続けるのって、孤独です。
私だけの子じゃないのに、なんで私だけいつもこんな時間にひとりでこんなことしなきゃいけないの?
そんな風に思うこともあります。
平日は百歩譲って夫を寝かせても、休日は夜泣きで寝ない赤ちゃんの相手を交代してもらうなど平等性を図っていく必要があります。
5. その他、環境によってイライラが増幅している
夫だけではなく、同居している親、近所への泣き声の心配など、様々な不安要素が重なってイライラが増幅することもあります。
赤ちゃんが悪いわけじゃない、でも赤ちゃんが泣くことや寝ないことで周囲から受ける干渉の目などがママを追い詰めていることもあります。
少しでも自覚があるなら、まず自分は何がいちばん心配なのか、何に不安を感じるかなどを客観視してみることも大事です。
新生児はいつまでまとまって寝ないの?
昼夜逆転と言い、体内時計のリズムが一定に定まっていない状態は生後3か月前後で落ち着きます。
生後2か月くらいから、昼は起きて活動し、夜は静かに寝るものだということを徐々に教えていきましょう。
そうすることで、徐々に夜中にまとまって眠る時間が増えてきます。
4時間程度まとまって寝るようになると、ママも一緒に睡眠を確保することができます。
その後も細切れに起きることはありますが、新生児ほど頻繁に泣くことはないでしょう。
ただし、その赤ちゃんによっては生後半年過ぎても夜泣きが続く、場合によっては一時的にひどくなるということもあります。
2歳くらいまでは夜中に泣いて起きる、何らかの理由で目が覚めて遊び始めてしまうなど、夜寝ないという悩みが付きまとうこともあります。
夜泣きに関しては個人差が大きく、いつまで頑張れば大丈夫ということは一概に言えないのです。
そのため、赤ちゃんが夜寝ないとき、泣いて起きるときはどう付き合えばいいか、負担を減らす方法はどんなことか、という方向に目を向けることも大事なのではないでしょうか。
新生児が寝ないときでもイライラしないための対策
1. おひなまきをしてみる
新生児の赤ちゃんは、まだまだ一人で布団に寝かされることに不安を感じる場合があります。
そこで、最近注目されている「おひなまき」を試してみましょう。
おくるみなどが販売されてヒットしたのですが、お雛巻きは日本では昔から育児に取り入れられていたおくるみの巻き方です。
バスタオルや毛布などで、しっかりと手足を固定して包み込んであげることで、赤ちゃんが安心してぐっすり眠るようになるのです。
モロー反射で起きてしまう確率もぐっと下がるので、一度試してみては?
2. そのまま泣かせておく
赤ちゃんは、寝ぼけたり寝言を言う代わりに泣いていることもあります。
新生児はおしゃべりもできないし、表情や声色を変えて何かを伝えることもできません。
だから、どんな時も「泣く」しかできないのです。
ただ単に寝ぼけているだけでも泣くし、夢を見て興奮しただけでも泣きます。
赤ちゃんが夜中に起きて泣き出しても、すぐにあたふたせずしばらくそっと様子をみることも時には必要です。
すると、意外にもそのまま再び眠りについたり、少しぐずってもまた泣き止んだりと、落ち着きを見せることがありますよ。
3. 夜だけミルクにしてみる
母乳ですぐにお腹が空いてしまうのなら、夜寝る前だけミルクに切り替えることも選択肢のひとつです。
母乳にこだわりすぎる必要はありません。
夜中に赤ちゃんが頻繁に泣いたり、寝なくなってしまうとママの体力を奪われるスピードも加速してしまいます。
そして、疲れきったママが赤ちゃんにイライラしてしまう…。
このような状況ではママにも赤ちゃんにも負担が増加してしまうので、ミルクという選択肢をプラスする方が得策かもしれません。
臨機応変にミルクを活用することも、時には必要ですよ。
4. 赤ちゃんの気分転換
赤ちゃんがなぜ寝ないのか、なぜ泣き止まないのか分からない…。
そんなときは、気分転換させてあげることが必要です。
寝ぼけて起きる→よく分からないけど不安→泣く→ママがイライラする→泣く
このようなループはよくあることです。
面倒ですが、一度電気をつけたりベランダに出たりして、赤ちゃんの意識がフッと変わるように気分転換させてあげるのもよい方法ですね。
5. ママも起きて好きなことをする
赤ちゃんが寝ないときは、いっそのこと寝かそうと必死にあやすのをやめてもいいのです。
ママも一緒になって起きて、テレビを見たり、音楽をかけたりしてもいいと思います。
赤ちゃんから長時間目を離さなければ、好きなことをして過ごしてもいいのではないでしょうか?
寝かせよう寝かせようとすると、
「なんで寝ないの~!!」
ってイライラするんですよね。
「もう絶対寝ないコースだし、深夜番組でも見よう。」と開き直ることも、イライラする気持ちに対しては意外に効果的ですよ。
6. おしゃぶりを使ってみる
新生児もおしゃぶりを使用することができます。
夜泣きでしんどいときや、赤ちゃんが寝なくて疲労がたまったときなど、おしゃぶりの出番です。
赤ちゃんによっては受け付けない子もいるのですが、もし赤ちゃんが気に入ってくれたらママの負担はかなり楽になります。
おしゃぶりは賛否両論ありますが、正しい知識を持って適切な使い方をすれば、育児をぐっと楽にしてくれるアイテムです。
新生児が寝ないとき注意すべきポイント!
新生児の赤ちゃんが寝ない、泣き止まないは当たり前。
神経質にならず、少し泣かせておいても放っておいても大丈夫です。
でも、ここだけはちゃんとチェックして赤ちゃんの様子を確認しておきましょうね。
1. 鼻水や咳、熱などがないか
赤ちゃんの体調不良の見極めは難しいことも多いですが、基本的には鼻水や咳、発熱がなければ様子を見て大丈夫です。
皆さん普通にできていることだと思いますが、授乳の様子、食欲などもしっかりチェックしておきましょうね。
新生児のうちは、本当に些細な刺激や原因のない不安感などで泣くことがあります。
ですから目立った不調がなければ、様子をみて大丈夫です。
2. ケガや腫れ、かぶれや虫刺され
念のため、赤ちゃんの体にケガしている場所や腫れている場所がないか見ておきましょう。
新生児の赤ちゃんがケガをするということはあまりありませんが、痛みで泣いている可能性もゼロではないので確認しておくと良いですね。
もしくは、湿疹や虫刺されなどがかゆかったり、痛かったりして泣いていることもあるので注意が必要です。
私の下の息子は新生児のときに、肛門周囲腫瘍というおできのようなものができてよく泣いていました。
オムツかぶれなどでも痛みやかゆみを感じて泣くことがありますので、チェックしてあげましょう。
3. 泣き方や赤ちゃんの動きに注目
泣き方がいつもと違う、というのはママの直感的な感覚で分かることも多いですよね。
見たこともないくらい激しく泣く、逆に弱弱しく泣くなど、普段と違うと違和感を覚えたら、要注意。
その他、ぐったりしていたり顔色が悪いなど不安なことがあるときは、ひとりで抱えずに電話相談を利用してみましょう。
夜中はすぐに行ける小児科がないことや、ママの気持が不安定になりやすいため、不安が増幅します。
無料ですぐにアドバイスをもらえる、子ども医療電話相談事業がおすすめ。
症状を伝えることで対応の方法、病院にかかる必要の有無などを指導してもらえます。
(ただし病的な疑いがある場合の相談に限り、育児相談窓口ではありません。)
さいごに
新生児が寝ない、泣き止まないことへの不安や焦燥感が少しは改善されたでしょうか。
毎日同じように続くこの状況に、うんざりしてしまうママも少なくないですよね。
イライラしたときは、そんな自分を責めないで認めてあげて欲しいと思います。
赤ちゃんの泣き声を女神のように受け止められる母親なんてごくわずかです。
泣き止まない、寝ない赤ちゃんにイライラするのは普通のことですから、決して自分をダメな母親だと責めないでくださいね。
そして、自分がちゃんと育児を続けていくために何ができるかを考えましょう。
気持ちの持っていき方を変える、対応方法を変える、または夫や家族に協力を要請するなど、具体策をとるように動くことも必要ですね。
ずっと続くことではないので、上手な乗り切り方、付き合い方を自分なりに模索していくことが大切になるでしょう。
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