ボリュームダウンが薄毛の始まり?
日本人の髪の太さの標準は60~90㎛(0.06~0.09mm)で、
生まれてから年齢とともに太くなり、
男性は20~22歳をピークに、
その後は次第にまた細くなっていきます。
女性の場合は30歳前後がいちばん太く丈夫になっています。
細くなっていくスピードは人により違いますが、
急激に細くなる場合は要注意です。
リンスをすると細くなったような感じがしますが、
この場合は柔軟剤が配合されているからであって
太さは変わっていません。
「毛量が昔の半分になった」とか、
「毛の太さが昔の半分になってしまった」
というようなことを言う人がいますが、
毛量が半分になるのは、
長さは同じで太さが約7割くらいになったときで、
地肌が30%も透けて見えることになってしまいます。
もし長さは同じで太さが半分になってしまうと、
毛量は4分の1になってしまい、
太さが4分の1になると、
毛量は16分の1になってしまいます。
このようになると、
もはやスカスカを通り越してハゲの状態になってしまいます。
8分の1の太さになると、
毛量は64分の1になってしまいます。
顔のウブ毛よりも細くなり、
実際には長く伸びることはできなくなりますので、
肉眼では毛が生えていないように見えてしまいます。
計算上長さが同じ場合として毛量を計算していますが、
実際には細くなるに従って伸びも悪くなり、
メラニンも少なくなるため、
もっと毛量は少なくなってしまい、
地肌の見える割合も増えてしまいます。
ヘアサイクルで成長期に入った毛は、
毛先が尖った非常に細い状態で生えてきて、
生え始めは腕の毛よりも細いです。
腕の毛は擦っても抜けないのに、
新しく生えてきた毛髪はゴシゴシ洗うと抜けてしまいます。
これは髪の毛が腕の毛の毛穴よりずっと大きな毛穴で、
皮脂が充満した毛穴から出てくるので、
ちょっとした力でも簡単に抜けてしまうのです。
無理に引き抜いてしまうと、
頭髪は平均129日、
約4ヵ月も生えてこなくなります。
しばらくしてようやく生えたと思ったら、
また同じように引き抜いてしまうということを繰り返していては、
なかなか太い毛にはなれないのです。
男性型脱毛症などの場合、
医師により効果的な医薬品を処方してもらったけれど
まったく効果が現れなかったという人は、
育毛に熱心なあまりせっせとお手入れを続け、
せっかく新しく生えてきたのに擦り落としたり、
薬にだけ頼ってケア面が不足したりと、
間違っていることが多いです。
また円形脱毛症の場合も、
やはり生えてきたばかりの毛を引き抜いてしまい、
改善に時間がかかるということがよくあります。
女性の場合は、
牽引性脱毛症になりやすい傾向があります。
細短毛や先尖毛が抜けるのは要注意
細短毛や先尖毛が抜けるのには二つの原因があります。
一つはヘアサイクルが短縮したことにより、
成長期が非常に短くなってしまって自然に抜けたもの。
もう一つは本来はまだ伸びることができる状態なのに、
シャンプーやタオルドライ、
マッサージなどの時に新生毛を擦って引き抜いてしまっている場合です。
自然に抜けた毛の毛根の形と、
無理に引き抜いた時の毛根の形ははっきりと違うため、
その鑑定は比較的容易です。
毛先の部分が丸く、
表面が硬く、
すべりのよいブラシを使って髪と全体を杭かしてみましょう。
そのとき、
細短毛や、
先尖毛などが多く抜ける場合はヘアサイクルの短縮が起こっています。
襟足の部分から流かし始め、
次に後頭部、
そして毛渦部(つむじ)、
トップ、
最後にフロントから筋目をつけて順番に梳かします。
髪が長い場合はさらにこの順序にプラスして、
ブラッシングする毛束の毛先を梳かし、
次に中間から、
最後に根元からというように、
梳かす毛束も筋目をつけてから流かすようにします。
この時に髪が引っかかるような梳かし方をすると、
太い毛も抜いてしまうことがあります。
また、
排水口に目の細かなネットを張って抜け毛を集めると、
シャンプー後の抜け毛の中に
白っぽい綿毛のような状態の細い抜け毛や、
先尖毛が多く見られる場合、
一般にシャンプーのやり方が間違っていて、
新しく生えてきた毛を引き抜いていることが多いです。
このような細い毛や新生毛は固着力が非常に低くなっています。
普通の太さの頭髪の場合、
一本引き抜くのに50~80gの力が必要ですが、
この4分の1くらいの力がかかっただけでも
簡単に抜けてしまうことがあるのです。
「女性の薄毛の問題がない人」の場合でも新生毛はあるわけで、
このような人で細い抜け毛や、
先尖毛が多く抜けている場合は、
シャンプーのやり方に注意しなければなりません。
抜けることを気にするよりも、
細くさせないよう気にかけること、
つまり「気にし過ぎないで、
気にかけて、
正しい手入れをする」ということが大切なのです。
ヘアスタイルの工夫
最後に、
美容の面から
「健康な身体を保ち、
かつ見た目も若々しく美しく(かっこよく)ありたい」
という永遠の願いを少しでも実現させるために、
より若く見えるヘアスタイルのポイントについて記してみましょう。
より若く見えるようにするためには、
両目を結んだラインの位置を変えることが重要です。
正面から見た時の目の位置を下げることが大切なのです。
目のラインを下げるといっても、
美容整形などでラインを変えるのではなく、
ヘアスタイルを工夫することで、
錯覚により見た目を変えるのです。
髪が薄くなると、
少しでも髪を残したほうがボリュームが出ると思って髪を長くしがちですが、
長くなると髪の重みでトップのボリュームはなくなり、
サイドやバックの髪が広がりやすくなってきます。
こうなると、
ますます老け顔に見えるようになってしまうのです。
つまり、
子どもの頃は頭と顔の中心に目のラインがあったものか、
成長するに従って顔は上下に伸び、
しだいに目のラインが上にあるようになってきます。
髪が薄くなったりボリュームがなくなると、
目のラインの位置はより上になり、
老けて見えるようになります。
かつらをつけると若く見えるように、
トップにボリュームをつけることで、
目のラインが顔の中心にあるようにすると、
若く見えるようになってきます。
そのためには、
女性の場合も男性の場合も、
まずは短くカットするのが基本で、
とくにボリュームがなくなった
トヅプの髪を短くして立たせたり、
髪の長さに長短をつけ、
「空気感のある」
スタイルにしたり、
パーマでボリュームアップをしたり、
根元を起こしてふんわりさせます。
髪の根元にヘアスプレーやムースをつけ、
次に下から上に毛の流れに逆らって空気を入れる感覚で、
すくい上げるようにしてドライヤーを当てます。
このようにしてボリュームを出したり、
分けとった毛束の裏側にソフトタイプのスプレーをかけ、
ローラーを巻いてその上をドライヤーで乾かすと、
短時間でボリュームがつき、
目のラインが顔の中心にあるように見えてきます。
また、
黒髪のままよりブラウンなどにカラーリングをすることにより、
軽さと若々しさを表現でき、
サイドを短めにカットすると、
ア力抜けしてかっこよく見えるようになります。
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