お酒をのむと、翌日に顔や足がむくむのを実感している方は多いですよね。
年齢とともにむくみはひどくなり、回復も遅くなります。
しかし、翌朝の顔や足のむくみを気にして、心からお酒を楽しめないのは残念ですよね。
実は、ちょっとした心がけで翌朝のむくみや体調の具合が大きく変わるのです。
むくみのメカニズムやアルコールとの関係性を知り、よりむくみにくいお酒の飲み方を学んでみましょう。
【飲み過ぎた朝は顔がパンパン】
顔は皮下組織に隙間が多いので、余分な水分が溜まりやすく、むくみが現れやすい部位です。
特に、お酒をたくさん飲んだ翌日は、顔がむくみでパンパンに腫れてしまうことも。
顔がむくんでしまう原因は、単純にお酒を飲んだことだけではありません。
お酒をたしなむ程度に飲むのであれば、翌朝のむくみはそれほど出ないこともあります。
朝、むくみがひどいと感じたときは、前日の飲酒量に心当たりがあるのではないでしょうか?
ただ、お酒がむくみを引き起こす理由はひとつではなく、様々な要因が関係しているのです。
お酒を飲み過ぎてしまう理由や、それによりむくみが起こる原理を見ていきましょう。
【お酒とむくみのメカニズム】
お酒を飲み始めると、すぐにトイレに行きたくなることがあると思います。
これは、アルコールは摂取するとすぐに尿として排出されるためです。
アルコールは基本的に体にとって良いものではないので、毒素として排出しようとする働きが高まります。
また、お酒を飲むことで“抗利尿ホルモン”と呼ばれる、尿の量や頻度をコントロールする機能も働きにくなり、頻尿になります。
このように強い利尿作用が出ることで、体からどんどん水分が排出されていくのです。
すると、体はこの働きに対し水分不足の危機を感じて、水分を補おうとします。
延々とお酒を飲み続けることができたり、喉が渇くように感じたりするのはこのため。
脱水を防ぐための体の働きにより、結果的に水分摂取量が排出量を上回ることになってしまうのです。
こうして体の血管の外側に、処理しきれない水分が溜まってしまうのがもっとも有力なお酒とむくみのメカニズムです。
【お酒が血管を膨張させてむくみに】
お酒を飲むと、血管が膨張します。
このとき動脈の壁に無数の穴が開き、ここから水分が血管の外へと漏れてしまうのです。
これを“血管透過性”と言い、血管の中と外で物質が入れ替わりやすい状態のことを指します。
血管透過性が進むことにより、血管の外側にどんどん水分が漏れ出てしまうことになります。
摂取した水分が多ければ多いほど、血管の外に漏れ出る水分量も多くなるというわけ。
これが、お酒を飲んだときにむくみが起こる原理です。
【塩分多めのおつまみがさらにむくみに】
塩分をとりすぎると、血管の塩分濃度が高まります。
血管の塩分濃度は決まっていて、基準値を超える塩分をとると体は危機を感じます。
そのため、水分をたくさんとって塩分を薄めようとするのです。
塩分が多く、濃い味のおつまみを食べていると、その分お酒の量も進みますよね。
おつまみによってお酒の進み方に違いが出るのは、体液の塩分濃度を調整しようとして、体が水分を欲するからという側面もあるのです。
【飲酒前の対策方法】
お酒を飲む前にコップ1杯の水を飲んでおくと、むくみ対策に繋がります。
お酒飲んだ後に水分補給をしても、アルコールの分解が行われるタイミングに間に合いません。
喉が渇いたところに冷たいビールやチューハイなどを飲むと、とても美味しく感じます。
ついついやってしまいがちなことですが、むくみを促進させる大きな原因になるのでやめましょう。
お風呂上がりのビールなども、体が水分を欲することでお酒が進み、結果深酒やむくみの原因になるので注意が必要です。
【少量チビチビ飲みが効果的】
お酒を短い時間に一気飲みすると、むくみが起こりやすくなります。
血中のアルコール濃度が急激に濃くなるので、分解させるために体が必死に水分を欲します。
しかし、水分を欲することでまたお酒を飲む→尿が出る→また水分を欲するという、無限のループにおちいります。
こうして深酒をしてしまうことで、翌朝のむくみや二日酔いなどがひどくなってしまうのです。
お酒は一気にガブガブ飲まず、少量をチビチビと飲むのが、むくみの予防に繋がります。
【体を冷やさない】
体が冷えると、体の循環機能がうまく働かなくなります。
代謝が落ちてしまうことでリンパの働きが弱まり、体の中に余った水分を循環させることができなくなるのです。
お酒により水分を過剰に摂取した上、体の冷えによりその余分な水分をうまく排出できない。
このような状態になると、むくみを解消するのにも時間がかかってしまうことになります。
お酒を飲むときに気をつけたい、体の冷え対策とは…
- 焼酎のお湯割りや熱燗を飲む
- お酒を飲んだ後に温かい飲み物を飲む
- 飲み会から帰宅したら、温かいお風呂に浸かる
ただし、深酒している状態でお風呂に長時間入るのは危険です。
熱すぎない温度のお風呂、短時間だけ入るのがよいでしょう。
入浴の前後に、水分補給をすることも忘れずに。
【むくんだ朝は利尿作用高めの飲み物を】
前日のお酒でむくんでしまったときは、利尿作用のある飲み物を摂取しましょう。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
利尿作用のある飲み物はカフェインが多く含まれているので、朝に飲むと目覚めがよく、頭がすっきりします。
この他、エナジードリンクもカフェインの強い飲み物として知られています。
しかし、むくんでいる体に冷たい飲み物はあまりおすすめできません。
冷たいものよりも温かい飲み物の方が、むくみの解消には効果的。
コーヒー、紅茶、緑茶なども、温かいものを選んだ方がむくみの解消には効果的です。
また、飲み物だけでなく、食べ物にも利尿作用のあるものがあります。
- すいか
- メロン
- 冬瓜
- きゅうり
- ほうれん草
- 柿
などなど、その他にも利尿作用のある食べ物はたくさんあります。
特に、メロンやキュウリ、すいか、冬瓜などのウリ科の野菜や果物は利尿作用の高い食べ物です。
朝食のメニューにうまく取り入れることで、むくみの解消に役立てましょう。
【リンパマッサージでむくみケア】
むくみの解消にはリンパマッサージが効果的です。
優しく滑らせるようにマッサージし、血管の外側にたまった水分の排出を促しましょう。
〈顔のリンパマッサージ〉
顔のマッサージは、鼻を中心に外側に向かって、中指の腹で押し出すようにマッサージしましょう。
- 鼻の筋は、下から上に向かって
- おでこまできたら、左右に
- こめかみ辺りから下に下がる
- 目の周りは、内側から外側に
- 頬も内側から外側に、横方向に向かって
- あごは下から上に
このようにして、内側から外側に向かってマッサージします。
リンパのある耳の下に老廃物を送り、最終的に耳の下から鎖骨に向かって下げていきます。
〈脚のリンパマッサージ〉
脚のむくみをとるマッサージは、下から上に行いましょう。
- 仰向けに寝る
- 片足を上げる(膝を曲げてよい)
- 足首からふくらはぎにかけて、下から上に滑らせるようにマッサージ
- 膝から上も同じように、太ももまで水分を押し出すようなイメージで
脚は、どうしても体の下方にあるので水分が溜まりやすく、むくみやすい場所です。
下から上に水分を押し上げるようにマッサージしていきましょう。
手を滑らせることが大事なので、滑りをよくするオイルやクリームを使って行いましょう。
【さいごに】
お酒は血管に直接影響を与えるため、むくみの大きな原因になります。
しかし、お酒の量や飲み方、その後のケアを心がけることで、その程度を軽くすることができます。
飲み過ぎや食べ過ぎに注意し、飲んだ後の体をいたわりましょう。
「大人のお酒」のたしなみを守ることがむくみの予防にも繋がるのです。
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