おしゃぶりは、生後0ヵ月から使用できる育児グッズです。
古くから親しまれている育児グッズですが、おしゃぶりの使用に対する意見は賛否両論。
「噛み合わせや歯ならびが悪くなる。」
「言葉が遅れる。」
などのデメリットが印象的だという方も多いのでは?
他の育児情報サイトでも、
「なるべく使わない方がいいけど…」
という前提で話が進んでいるのが気になります。
結論から言うと、おしゃぶりへのデメリットはさほど気にする必要がありません。
今回は、新生児からおしゃぶりを使ってみたいというママに向けて、正しい認識と付き合い方についてご説明していきたいと思います。
新生児のおしゃぶり、その役割とは?
おしゃぶりは、
- 赤ちゃんの精神を安定させる効果
- 赤ちゃんを泣き止ませる効果
- ママの育児負担を軽減させる効果
があります。
鼻呼吸の練習になるので健康的メリットがあるという説もよく耳にしますが、これは医学的根拠のないデマですのでご注意ください。
赤ちゃんの時におしゃぶりをしていても、おしゃぶり卒業後に口呼吸の習慣がついてしまうことはあります。
例えば慢性的なアレルギー性鼻炎などを持っている場合、おしゃぶりで育っても口呼吸になってしまうことがあるのです。
また、おしゃぶりをよく動かすことであごの発達を促すという情報もありますが、こちらも間違った知識です。
顎は物を食べるときに、しっかりと咀嚼したり固いものを噛むことで鍛えられます。
赤ちゃんのおしゃぶり程度で急速に顎が発達することは考えられません。
つまり、おしゃぶりの役割は
赤ちゃんに静かに眠ってもらう、ごきげんよく過ごしてもらうためだけのものだということです。
特別な発達を期待できるものではなく、ママの代わりになって赤ちゃんを安心させてくれるグッズだということになります。
新生児のおしゃぶり使用のメリット&デメリット
メリット
① 赤ちゃんが安心する
新生児~生後数か月の乳児は、様々な不安によって泣きます。
オムツやおっぱい、ミルクだけでなく、
- なんとなく不安
- ちょっと口さみしい
- なかなか寝付けなくてイライラする
など、ちょっとした不安感やどうにもならない感情で泣いていることがあります。
そこで適度におしゃぶりを加えさせてあげることによって、赤ちゃんは精神的に安定するのです。
気持ちが安定すると赤ちゃんもよく眠るようになり、心だけでなく体の健やかな成長にも繋がるでしょう。
② ママも育児が楽になる
赤ちゃんの気持が安定しやすく、ご機嫌でいられる時間が多ければその分ママの負担も軽くなります。
授乳が終わっておしゃぶりに切り替えてあげると、安心してそのまま眠ってしまうこともあります。
- ずっと抱っこしていなければ眠れない
- 布団におろすと不安で泣いてしまうので離れられない
こういう状況は、かなり大きな負担になりますよね。
おしゃぶりを吸っていると、赤ちゃんは何も咥えていないときより刺激やママとの分離に強くなります。
口で安心感を与えられているので、布団におろしたり、ママがそばを離れたりしても引き続き眠りやすくなるのです。
おしゃぶりの使用は、こうした赤ちゃんの不安を少しでも軽減できるように、という目的で使用されます。
③ 指しゃぶりよりもデメリットが軽減される
おしゃぶりは使わない方がいい、とされる一方でもっと厄介なのは指しゃぶりです。
指しゃぶりは歯に強く圧力をかけてしまいやすいので、かみ合わせへの影響はおしゃぶりよりも大きくなるとされています。
しかも、指は取り上げることができないため卒業するのが難しい場合も多いのが問題。
4歳以降になっても指しゃぶりがやめられず困っているという親御さんをたくさん知っています。
おしゃぶりをしていると、指をしゃぶる習慣がつきにくいので指しゃぶりへの依存を防ぐことができるでしょう。
デメリット
① 長期間使用すると噛み合わせや歯並びに影響が出る可能性がある
おしゃぶりは、2歳半までには卒業するべきと言われています。
子供の乳歯は2歳半ごろまではかみ合わせや歯並びが多少悪くても、その後正しい習慣を付けて行くことで元に戻ることが多いのです。
3歳以降もおしゃぶりを使用し続けていると、噛み合わせの異常が存続しやすいとされています。
おしゃぶりの使用習慣によっては、おしゃぶりが3歳ごろになってもやめられず、噛み合わせや歯並びの影響が心配されます。
② 4~5か月ごろの口による学習の機会が減る
赤ちゃんが4~5か月ごろになると、何でも口に入れてなめることで様々なものの質感や感触を学んでいきます。
おしゃぶりを常に使用していると、他のおもちゃを口に入れることができない場合が。
そのため、口にものを入れることで得られる学習の機会が減ってしまう可能性が考えられます。
③ 乳頭混乱を起こす可能性
おしゃぶりを吸うことに慣れてしまうと、ママのおっぱいを嫌がってしまうという子もいます。
これを乳頭混乱と言い、母乳育児の妨げとなってしまうことがあります。
また反対に、ママのおっぱいに慣れているためおしゃぶりを受け入れてくれないということもあります。
新生児の赤ちゃん、おしゃぶりをポイっと吐き出してしまう!?
新生児におしゃぶりを与えても、最初はポイっと吐き出して拒否してしまうことがあります。
中には最初からお気に入りにしてくれる子もいますが、おしゃぶりへの好みは結構な差があるもの。
同じ兄弟でも、上の子のときに愛用したメーカーは嫌がり、他の物を気に入るというケースがあります。
また、何種類か試してみてようやくお気に入りが見つかるということも多いので検討してみましょう。
少しでもおしゃぶりで赤ちゃんのご機嫌をとりたいのなら、何個か試してみてもいいのではないでしょうか。
1つ400円~1000円前後のものなので、いくつか試してもそこまでの痛い出費にはなりません。
また、新生児の赤ちゃんにはおしゃぶりが大きすぎたり重すぎたりすると、上手く吸えずにポロっと落ちてしまうことも多いです。
新生児用のなかでも軽くて小さいものを選ぶ、または時間を置いてまた再度チャレンジするなどの工夫も必要ですね。
おしゃぶりへの批判的意見について
メリットとデメリットの項目を読んでいただければ分かるように、おしゃぶりは長期間使用せず、日常的に依存しすぎなければとても大きなメリットのあるものだと言えます。
おしゃぶりでなくても、どんなものにもメリット・デメリットというものは存在しますよね。
しかし、多くの人が
「使わなくたっていい」
「必要なくない?」
「おしゃぶりさせるのってかわいそう」
という厳しいアドバイスをするんですね。
少しでも楽に育児をしたいと思うことが悪いことのように感じてしまうのは、このように厳しい意見や理解のない意見を目にする機会が多いからだと思うのです。
例えばよく問題視される、母乳育児とミルク育児の比較と同じようなものです。
どっちを選んでも、それぞれの利点・欠点があってどっちが正しい、間違っているということはありません。
周りの人に
「おしゃぶりを使わない方がいいよ。」
「使う必要なんてないよ。」
などと言われてもそれはその人の意見であって、客観的なものではありませんので気にしなくていいと思います。
本当に害のあるもの、需要のないものなら、ドラッグストアや育児用品店で普通に陳列されているわけがないのです。
何を選ぶかは、ママが自分の判断で決めていいのですよ。
おしゃぶりとの上手な付き合い方を知ろう!
おしゃぶりはママの育児負担を軽減することができる、画期的なグッズです。
でも、だからと言って常に咥えさせたままにしたり、赤ちゃんの欲しがるままにおしゃぶり与えるのは問題です。
おしゃぶりをこれから長い期間愛用していく上で、注意しておきたいことはたったふたつだけ。
1. おしゃぶりを使うときを決めておく
なるべく、寝かしつけやどうしてもぐずるときだけと心がけておくのは大切なことです。
実際忙しく育児していると、使用時間が長くなってしまうこともあります。
しかし頭のどこかに「使いすぎないように」という自制心を持っておくようにしましょう。
きっちり、神経質になりすぎる必要はありません。
大きくなればおしゃぶりのことを忘れて遊ぶようにもなるのですが、小さいうちはママがおしゃぶりへの制限をかけてあげるように気を付けておくとよいでしょう。
2. 日中はおしゃぶりを外してコミュニケーションをとる
生活のリズムが整ってくる生後3か月ごろになったら、日中はおしゃぶりを外して赤ちゃんと目いっぱい遊んで触れ合ってあげましょう。
声をかけたり、触れ合って遊んだりすることでおしゃぶりへの依存度は低くなります。
また、この時期からは色々なものに手を伸ばし、口に入れて確かめたり、急成長の時期に入ります。
日中はなるべくおしゃぶりに頼らないで活動させ、家族とのコミュニケーションも大切にしましょう。
新生児のおしゃぶりと衛生ケア
新生児~生後半年くらいまでは、おしゃぶりも哺乳瓶と同じような消毒方法で消毒しましょう。
ミルトンなどの液体消毒なら1時間程度で消毒が完了します。
電子レンジ消毒ならもっと短い時間での消毒が可能。
赤ちゃんが遊んでいる間などに、定期的に消毒を行いましょう。
2つ用意してローテーションできれば、いざ消毒が間に合わなくても大丈夫です。
また、おしゃぶりの乳首の中までしっかり洗える形状のものを選ぶとよいです。
食洗器がある場合、手洗いより食洗器で洗った方が衛生的とも言われていますので活用してみましょう。
おしゃぶりはすぐにポロっと落ちてしまうもの。
抱っこして使うときなど床に落としてしまうこともあるので、ホルダーなどを使って不衛生な場所に落ちないよう工夫してあげましょう。
持ち運びや保管のときは、ケースにしまってホコリやゴミが付着しないように注意してくださいね。
おしゃぶりの卒業への不安は?
おしゃぶりの一番の不安、それは
「やめるときに困るのでは?」
という問題ですね。
卒業への不安は、今から心配する必要ありません。
実際に2歳近くになっても1日中おしゃぶりをしゃぶっていないと泣き出すような子はちょっと心配ですが、そいういう状況になるのは赤ちゃんの頃からおしゃぶりに頼りきって生活していた可能性が高いでしょう。
おしゃぶりとの上手な付き合いかた、でお話した項目
- おしゃぶりを使う時を決めておく
- 日中はおしゃぶりをはずしてコミュニケーションをとる
これを心がけていれば、成長とともにおしゃぶりを必要とする時間はどんどん短くなります。
今はまだ月齢が小さく、赤ちゃんにとっておしゃぶりを吸うことがとても重要かもしれません。
しかし、成長すれば言葉を発したり歌ったり、何かを見たり聞いたりして楽しむこと、おもちゃで遊ぶことなど、たくさんの刺激が待っています。
ちゃんと色々な刺激に触れさせてあげ、楽しいことを教えてあげていれば、1歳半~2歳半までにはおしゃぶりなんてもうどうでもよくなるんです。
子供にはその月齢に合った楽しみや、安心材料があります。
月齢が小さなうちはおしゃぶり命でも、もっと楽しいことをいっぱい経験させておしゃぶりの重要度を低くしてあげれば問題ないでしょう。
そのためには、日々ママやパパがいっぱい構ってあげること。
たくさんの経験を与えることが必要です。
私の2人息子たちは、2人ともおしゃぶり大好きでした。
母乳が出ず添い乳などもできなかったので寝かしつけがつらく、生後1か月ごろからおしゃぶりを使い始めました。
正直乳児の頃はおしゃぶり命で、日中もおしゃぶりさせることもありました。
疲れているとき、ぐずってぐずってしょうがないときなど、寝かしつけ意外にも「大人しくさせるために」使ったこともあります。
「最低限に」と心がけてはいるのですが、どうしてもきっちりとはいかないんですよね。
それでも上の子は冬場に風邪をひいて食欲が落ちたときに、おしゃぶりすら要らないという感じでそのまま卒業。
下の子は、1日中おしゃぶりを欲しがらない日が増えて、だんだん忘れていくという感じでした。
寝るときに
「チュッチュほしい」
と言ったのですが
私が
「あれぇ?おかしいね、どこかに落としてきちゃったのかな。」
というと
「じゃあしょうがないねー。」
と言ってそのまま眠りました。
「自分がもう赤ちゃんではない」という自覚も芽生えてきていたころに、2人とも自然と忘れていったのです。
しゃべり始めたり、歯がたくさん生えはじめるころには、子供自身が邪魔になってしなくなるという経験談も多いです。
新生児や乳児のうちから、やめるときのことを心配して消耗する必要はありませんので、今できる心がけを大切にしていってくださいね。
さいごに
おしゃぶりの使用を迷っているママは、周囲の厳しい意見や根拠のない情報に翻弄されないで欲しいと思います。
「ママが少しでも楽に、健やかに育児できること」が赤ちゃんにとっては一番いいことなんです。
おしゃぶりに頼らず育てるのが正しいわけでもないし、えらいわけでもありません。
タオルを持って寝る子やぬいぐるみをもって寝るのが好きな子がいるのと同じで、おしゃぶりを安心材料にして眠る子もいるというだけ。
新生児だっておしゃぶりを使ってもいいんですよ。
ただし、依存しすぎずに正しい付き合い方を日々心掛けていきましょうね。
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