小指に着ける指輪の意味は国によって違う?ピンキーリングの歴史や意味についての知識

ジュエリー

小指に着けるピンキーリングという指輪の歴史は大変古く、古代ローマ・ギリシャ時代ではすでに愛用されていたという記録が残っています。

 

小指に指輪を着ける習慣はその後もヨーロッパで広がり、やがてはアメリカにも伝わっていきます。

 

現在はファッションや願い事を込めて着用するのが主流のピンキーリングですが、実は国によって着ける意味があるのをご存知でしょうか。

 

こちらでは、小指に着ける指輪の歴史と意味を、時代と国ごとにご説明していきます。

 

さらに、ピンキーリングの着け方や男性のピンキーリングについてもお伝えしていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

ピンキーリングの歴史

 

指輪を小指に着ける習慣は古代ローマの頃からすでに始まっていたことが、歴史的な記録として残されています。

 

ピンキーリングを着ける習慣はヨーロッパからアメリカに広がり、男女を問わず多くの人たちに愛用されていました。

 

古代ローマ時代から、現代に至るまでのピンキーリングの歴史や込められた意味を辿ってみましょう。

 

古代ローマ

 

古代ローマの政治家で博物学者でもあった大プリニウスは、著書の中で「ほとんどの人は、所有する全ての指輪を小指だけに着ける。小指に1本だけ指輪を着ける人々もいるが、これは高価なシグネット・リング(印章)を密封するものである。シグネット・リングは普段は保管されているので、小指に1本の指輪を着けている人は、高価なシグネット・リングを所有していることを証明することになる。」と記しています。

 

古代ギリシャやフランスでもシグネット・リングをピンキーリングとして着用していた記録があり、小指はほかのどの指よりも使い勝手が良いと考えられていたそうです。

 

イギリス

 

19世紀のイギリスでは、結婚に興味のない独身の男女が左手の小指に指輪を着けるという習慣がありました。

 

さらに男性たちは、見た目の雰囲気が一番正しい場所であるという意味でシグネット・リングを左手の小指に着けていたそうです。

 

シグネット・リングの印章部分には、家系の紋章や個人を証明するものが彫刻されており、「ジェントルマンズ・リング(紳士の指輪)」と呼ばれていました。

 

当時、家族の紋章は高い地位にある家系だけが所有しており、紋章が記されたシグネット・リングを着けることは、身分が高いということを証明することでもあったのです。

 

(結婚指輪と重ね着け)

 

当時のヨーロッパでは、男性は結婚指輪を左手の小指に着けていました。

 

ヴィクトリア時代のイギリスで結婚指輪を着ける男性は少なく、本格的に結婚指輪を着けるようになったのは、第二次世界大戦後になってからでした。

 

特にイギリスとドイツでは左手の小指に結婚指輪を着けることが習慣となり、男性的に見えるという意味から、もう1本の指輪を結婚指輪の上に重ね着けするのが一般的でした。

 

(イギリス王室)

 

イギリス王室では、伝統的に男性が結婚指輪やシグネット・リングを左手の小指に着用しています。

 

このような伝統は、ヴィクトリア女王の息子たちがピンキーリングを好んで着けていたことから始まりました。

 

エリザベス女王の夫フィリップ王子は、父親から引き継いだピンキーリングを1970年代まで着用、チャールズ皇太子はエドワード8世から引き継いだ175年もの歴史を持つ「プリンス・オブ・ウエールズ」の公式シグネット・リングを結婚指輪の上にピンキーリングとして着用しています。

 

カナダ

出展元:http://blog.sina.com.cn/s/blog_5374815d0102vcvi.html

 

(プロフェッショナルな技術士である証明)

 

カナダでは、国内で技術士としての研修を受けた人たちが、高い知識と技術を持つプロフェッショナルの証として、指輪を小指に着けることが習慣になっています。

 

技術士に指輪を贈る習慣は1922年から始まり、学習修了した生徒やプロの技術士を認定する儀式の場で贈呈されます。

 

指輪には、高い技術を持つプロフェッショナルな技術士であることを常に忘れないようにという意味が込められています。

 

カナダで技術士に贈られる指輪は「アイアン・リング」と呼ばれ、鉄かステンレスで作られています。

 

アイアン・リングは利き手の小指に着けるように決められていますが、これは技術士が図面を書いたりするときに、指輪が紙をしっかりと支える役目があるからだそうです。

 

1968年には、ケベックの大学で人類生態学と家政学を修了した生徒に向かて、ピンキーリングを贈るという習慣が始まっています。

 

アメリカ

出展元:https://en.wikipedia.org/wiki/Engineer%27s_Ring

 

(技術士の誇りとして)

 

カナダと同じように北アメリカでも、技術士として科学技術分野の学習を修了した生徒たちへの卒業記念として、ピンキーリングが贈られるという習慣が1970年から始まりました。

 

卒業生たちが小指に着ける指輪は「エンジニアズ・リング」と呼ばれ、技術士協会から卒業生へ贈呈されます。

 

この指輪は卒業生のほかにも、技術士協会に登録しているプロの有資格技術士にも贈られ、必ず小指に着けます。

 

エンジニアズ・リングは厳粛なリングセレモニーの席で、誓いの言葉を述べた後に贈呈されます。

 

技術士になるための教育を受けた人や、プロとしての技術がある人たちのみに贈られる指輪は、信頼のおける技術士としての証明となっています。

 

最初に使用されていたのは技術士という仕事の性質を表現したシンプルな鉄製の指輪で、プロの技術士として世界に利益をもたらすことを目的とする誓いを象徴するものでした。

 

現在はステンレス・スチール製の指輪が贈られており、力強さとプロフェッショナルを象徴しています。

 

(詐欺師やマフィアが身に着ける)

 

18世紀には、ピンキーリングは犯罪との関りが深くなり、特に詐欺師やマフィアが小指に指輪を着けているのが目立つようになります。

 

彼らが突然死した場合には、高額なピンキーリングを葬儀の費用などに充てるようにと考えられていたそうです。

 

映画「ゴッドファーザー」では、マフィアのボスを演じるアル・パチーノが、右手の小指に大きなピンキーリングを着用しているのが有名ですよね。

 

(シグネット・リング)

 

イギリスで流行した、男性がシグネット・リングを小指に着けるという習慣がアメリカにも広まります。

 

ルーズベルト大統領は父から受け継いだシグネット・リングを着け、息子のジェームスにも引き継がれます。

 

祖父から3代に渡って引き継がれたシグネット・リングは、3人ともに小指の上で、結婚指輪と一緒に重ね着けされました。

 

小指に込められた意味

 

小指は英語でリトルフィンガーまたはピンキーフィンガーと呼びます。

 

小指に着ける指輪はピンキーリングとして古くから知られていますが、ヨーロッパでは古くから10本の指にはスピリチュアルな意味があると信じられていました。

 

小指はローマ神話の中で旅や商売の守護神として登場する「マーキュリー」を象徴すると考えられており、理解力や知的能力を向上させると言われています

 

水星の守護神でもあるマーキュリーは、コミュニケーションを司ることから、人間関係を良くし、運に導く力を与えてくれます。

 

右手の小指の意味

 

自分が本当に持っている能力や魅力を上手に表現できるようになる指です。

 

試験や面接、プレゼンテーション、発表会など、人前に出たり緊張する場面のときでも、右手の小指に指輪を着けると自信を持って立ち向かうことができます。

 

告白やプロポーズなどの場面でも、自分の本当の気持ちを上手に表現できるので、相手に素直に伝えることができるでしょう。

 

内面の良さを上手にアピールすることができるようになるので、恋愛のみならず職場やプライベートにおいても、良好な人間関係を築くことができるようになります。

 

左手の小指の意味

 

変化を呼び込むので、新しいことにチャレンジしたり目標に向けて何かをスタートする機会が訪れます。

 

これまでの生活習慣やルーティンを改善したり、パートナーとの関係をより良くする効果があります。

 

最近忙しくて体調が優れなかったり、仕事や勉学に集中できない、恋人との仲がマンネリ化してきた…などといったときには、気持ちをビシッと切り替えて、新鮮な気持ちで改めて物事に取り組めるようになります。

 

左手の小指には癒し効果もあるので、疲れている気持ちをリラックスさせて、リフレッシュしてくれる役目も果たします。

 

ピンキーリングの着け方

 

 

 

小指に願いを込めて指輪を着ける場合は、ピンキーリングに願いを込めて毎日大切に着けるようにしましょう。

 

ピンキーリングを選ぶときには、指輪のモチーフや宝石に込められた意味や、デザインの意味などを知ってから購入すると、指輪への愛情がより深まります。

 

叶えたい願い事や目標があるときには、夢が実現したときの姿を想像して、その姿に向かって頑張ろうという気持ちをピンキーリングに込めましょう。

 

ピンキーリングを重ね着け

出展元:https://wear.jp/item/19131938/

 

小指に着ける小さな指輪は、何本かを重ね着けしてファッションを楽しむこともできます。

 

ピンキーリングは細身で繊細な彫刻やモチーフが施されたデザインが多いので、異なるデザインの指輪を重ね着けすると手元が華やかになります。

 

男性のピンキーリング

出展元:https://silverbene.com/vintage-men-dragon-claw-925-sterling-silver-adjustable-ring.html

 

イギリス王室やゴッドファーザーのように、男性もピンキーリングを着用してファッションを楽しむことができます。

 

男性は存在感のある大ぶりの指輪を選んで、力強い印象を強調するのがポイントです。

 

男性用のピンキーリングでは、定番のシグネット・リングが人気ですが、ほかにもワイルドなモチーフやオニキス、ダイヤモンドなどの宝石が付いたシルバーやゴールドの指輪など、多彩なデザインのものが販売されています。

 

小指に込められた意味は男女共通なので、小指に合うサイズの指輪を選んだりサイズ直しをしてもらって、ビジネスでの成功などの願いを込めたピンキーリングとして着けるのもおすすめです。

 

まとめ

 

小指に着ける指輪は歴史が長く、古代の時代から男性にも愛用されてきました。

 

現在はファッションとしてピンキーリングを楽しむことが主流なので、デザインの幅が広く選択肢も増えています。

[char no=”6″ char=”編集長”]

叶えたい願い事や目標があるときは、指輪に思いを込めて小指に大切に着けるようにしてくださいね。

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