出産を終えて数日後、恐る恐る体重計に乗ってみるときのあのドキドキ感は忘れもしません。
妊娠中に増えた体重、せめて半分くらいは減っているかな?
大変な出産を終えて、体がすっきりした感覚もあって、体重の変化に期待していた人も多いのでは?
しかし、その期待をおもいっきり裏切るように体重計は現実を突きつけます。
「え…?体重計壊れてるんじゃない?」
そう、出産が終わっても体重って全然減らないんですよね。
助産師さんは
「産後まだ数日だからしかたないわよ。」
なんて慰めてくれるのですが、その後1カ月経っても2カ月経っても目に見えて変化がないこともあります。
母乳をあげながら普通に育児していれば体重は減る、なんて話もよく聞きます。
でも、実際は産後体重が全然減らないことで、あせりやストレスを感じてしまうママも少なくないのでは?
産後すぐに急激に体重が減ることはありません。
しかし産後2カ月以上たって産後ダイエットを開始しても体重が減らない、というのはちょっと考え物です。
その理由は、正しい産後ダイエットの仕組みを知らないからではないでしょうか?
今回は産後なかなか体重が減らない理由と、その理由を踏まえた解決策を考えていきたいと思います。
妊娠中に増加する体重の内訳
妊娠中に増える体重は、人それぞれで妊娠前のBMI値によって増やしてもいい体重が異なります。
BMI18.5未満のやせ型体系 → 9~12キロ
BNI18.5~25未満標準体型 → 7~12キロ
BMI25以上の肥満体系 → 5キロ前後
このように、増えてもいい体重が決まっています。
自分のBMIによる基準値以上に増えてしまう人もいれば、最低限で抑えられる人も。
妊娠による増加体重の中には「母体必須体重増加分」と言い、妊娠継続のために必ず増える重さがあります。
母体必須体重増加分は平均3~4キロ。
その内訳は
- 赤ちゃんに送るための血液
- 水分
- 脂肪
となります。
さらにこれに
- 赤ちゃんの重さ(約3キロ)
- 羊水の重さ(約1キロ)
- 胎盤の重さ(約0.5キロ)
が加わって、合計7~8キロの増加になります。
つまり、妊娠中に増えた体重から7~8キロを引いた分は、分はむくみの水分や脂肪の重さ。
産後すぐにはこの7~8キロも落ちません。
さらにこれを超えた分の脂肪やむくみを落とすのには、時間がかかると考えてください。
他の人も産後体重が減らないと悩んでる?
産後、体重がなかなか減らなくて焦ったり不安になったりしているのは、あなただけではありません。
すぐに目に見えた変化が現れないのは当然のこと。
中には授乳するだけでぐんぐん体重が減り、妊娠前より痩せるという人もいます。
しかしそのようなケースは少数派であり、産後しっかりダイエットやトレーニングをして痩せた人の方が多いのです。
また芸能人やモデルさんが産後2カ月で公の場に復帰し、産後すぐとは思えないプロポーションを披露したりしていますよね。
メディアに出る人は妊娠中も産後も専属のトレーナーや医師を付けていることもありますし、一般人とは別世界です。
産後すぐから育児に家事とやるべきことも多い一般の主婦は、自分のペースでゆっくりと産後ダイエットに取り組んでいくことが大事です。
決して人と比べず、自分なりのやり方で理想の体型に戻していきましょう!
産後体重が減らないのは筋肉量の低下が原因!
妊娠中は筋肉量が低下します。
お腹に力を入れてはいけないし、重いものも持っていけない。
軽いウォーキングやマタニティスイミングなどをしている人もいますが、妊娠前よりも使わない筋肉が増えるので、当然筋肉量は減ってしまいます。
また、つわりの影響で食べる量が極端に減ることも筋肉量が落ちる原因です。
食べられるものが偏ったり、同じものばかり食べたくなったりすることもありますよね。
筋肉は思いの外簡単に落ちてしまい、それは脂肪に変わってしまうのです。
筋肉の量が落ちると、その分基礎代謝量が減ります。
普通に生活しているだけではカロリー消費はごくわずか。
また産後1~2カ月は床上げの影響もあって、思うように動けません。
母乳をあげていても、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうことで、体重は減る増えてしまう可能性もあります。
体重増加=脂肪増加ではない
妊娠中、むくみの症状が強かった場合、産後もしばらくむくみが治まらないことも。
大体産褥期(さんじょくき)である8週間を過ぎるとよくなることが多いですが、産後数カ月の生活はむくみを引き起こす原因がいくつかあります。
- 同じ座り姿勢での授乳
- 運動不足
- 寝不足
- 自律神経の乱れ
など、様々な原因によりむくみが解消されないことがあります。
「体重が減らない=脂肪が減らない」
ということではなく、むくみによる水分や老廃物の停滞にも注意して見ましょう。
むくみがある状態で産後ダイエットを実践しても、効果が表れにくいことも分かっています。
むくみがある状態とは、体の血流が悪くなっている状態です。
血流が悪いと、細胞のエネルギー代謝を妨げてしまうのでダイエット効果も出にくいと言われています。
産後体重が落ちないと悩んでいる場合、まずダイエットより先に「むくみの解消」に目を向けるとよいのではないでしょうか。
産後体重が減らない、その理由は食生活にあり?
産後は、母乳をあげることで食欲が増加してしまうことも多いですよね。
母乳をあげることで、1日に500~800キロカロリーは余分に消費していると言われています。
母乳をあげていれば、どんどん体重も落ちるという人がいる一方で、完全母乳なのにも関わらず体重が減らないと悩んでいる人もいますよね。
この違いは体質にもありますが、「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスが取れていない可能性が高いのです。
20代~40代の女性の平均的な基礎代謝量は1180~1140キロカロリーと言われています。
(参考サイト:+healthcare)
30代女性の場合でざっくりと計算すると、
1140kcal(基礎代謝量)+500kcal(母乳消費量)=1640kcal
1日の消費量はこれくらいです。
一般的な30代女性に比べて産後の女性は筋肉量が落ちているため、もう少し代謝量は低いかもしれません。
すると、基礎代謝と母乳だけでも1500kcal程度の消費量しかありません。
母乳をあげているからと安心して炭水化物や揚げ物、甘いお菓子や飲み物などを好きなように食べていると、摂取カロリー消費カロリーお大幅に超えてしまいます。
多少気を付けていたとしても、今すぐに体重が減るような効果が期待できないことも。
産後、体重が減らないと悩んでいる人は、1日の消費カロリーと摂取カロリーのバランスをもう一度見直してみる必要があります。
事情により完全ミルク育児の人、混合育児をしている人は、これ以上に消費カロリーが減るでしょう。
ミルク育児の場合、食欲のコントロールがしやすく、摂取カロリーを大きく削っても赤ちゃんの成長には支障が出ないメリットも。
しかし、育児は体力勝負なので極端な食事制限は禁物です。
どのような授乳方法であっても、バランスがよく高たんぱく低カロリーな食事を心がけることが大事でしょう。
産後、意識しなくても体重が減った人の共通点
- まめに家事をする
- アクティブに出かける
- 食べる時間をしっかり決めている
- 規則正しい食生活をしている
- もともと基礎代謝量が高い
- 骨盤ケアに関心が高い
日常生活で家事をこまめにやり、動き回ることの多い人は自然と体重も減ります。
育児に関しても積極的にお散歩に出かけり、育児サークルや支援センターなどに出向くママは、産後ダイエットにも成功しやすい傾向にあります。
赤ちゃんをベビーカーに乗せてお散歩するだけでも立派な運動。
理由をつけて動くことを避けるのではなく、何か動ける用事はないかと探すように考えをシフトしてみましょう。
元々の基礎代謝量など体質によるものも大きいですが、産後すぐに骨盤ケアをしている場合、やらない場合と比べて体重の戻りも良いようです。
私は1人目の出産後、すぐにとこちゃんベルトⅡを締め、出産後も1ヵ月はベルトを締めて生活していました。
母乳はそれほど良く出る方ではなかったのですが、産後2カ月くらいであっという間に体重がもどり、くびれが復活しました。
骨盤ケアをするべきポイントは、「くびれ」の復活にあります。
体重にダイレクトな変化を与えるわけではありませんが、体系をより早く美しく戻す効果があると言われています。
産後2カ月を過ぎても体重が減らないときは?
産褥期(さんじょくき)である、産後8週間までは無理をせずゆっくり過ごすことが大切。
逆を言えば、産後2カ月間は体重が減らないことを気にしなくていいのです。
とにかく体を休めて、これからの育児や産後ダイエットに向けて心も体も充電すべき期間。
しかし産後2カ月を過ぎて普通の生活に戻っても一向に体重が減らない場合は、生活習慣の見直しも必要になります。
まず、床上げが終わったらとにかく動くことです。
体力も筋力も落ちているので、動くことが億劫に感じられてしまう人もいますよね。
家事を念入りに行い細々とした用事をテキパキこなすことで、消費できるカロリーは積もり積もって意外と大きな数字になります。
あえてジムに通ったり、骨盤矯正に通ったりしなくても、日々の家事や育児で動き回ることで運動量を増やした方が効率的です。
産後、4カ月間で8キロ体重を落とした方法
私は2人目の出産後、産後2カ月から半年の間の4カ月間で8キロ痩せることに成功しました。
やったことはとにかく単純で
- 規則正しい食事
- 食事内容の記録
- 家事育児のながら運動
- 週2回のウォーキング
これだけ、何も特別なことはしていません。
母乳も出が悪くてほとんどミルク育児だったので、食事や食欲のコントロールはしやすかったように思います。
しかし、私の場合「動きたい!」という意識が強かったのが、成功のポイントだったと思います。
妊娠中、切迫早産で入院したり安静を余儀なくされていた時期が長く、自由に動けることがとても待ち遠しかったのです。
家事も思うようにできないので、実母や義母に手伝ってもらっていました。
とてもありがたいと思う反面、自分でやりたくて仕方ない気持ちを抑えることで必死。
あ~思いっきり部屋の掃除をしたい!
シーツを全部剥がして、洗濯したい!
毎日家事に育児にしんどいと思っていたのに、自由に動けなくなったとたんに今まで義務感でやっていた家事が愛おしくなるわけです。
そんなこともあり、私はとにかく家事に育児にと自由に動くことが楽しくて仕方がなかったように思います。
体も妊娠中よりはるかに軽い。
「もう走ってもジャンプしていいんだ~!」
と、身軽な体に感謝したものです。
週2回のウォーキングは、夜子供たちが寝てから主人に様子を見ていてもらっている隙に。
これもやっぱり、一人でずんずん自分のペースで歩けることに快感を覚えていました。
上の子の手を引かなくてもいい、抱っこひもで下の子を抱えなくてもいい。
自由に歩いたり走ったりできることが楽しかったので、長続きしました。
私のように感じる人がいるかどうかは分かりませんが、産後の身軽さって「感謝」すら覚えるものなんですよ。
そこを上手く利用して、どんどん動く。
これが私の産後ダイエット成功の秘訣だったのかな、と思っています。
また、食事内容はなるべく記録して、暴飲暴食をしないようにしていました。
平日はなるべくダイエットメニューにして、油物や炭水化物は控えめに。
おやつは午後3時前後に決め、200kcal以内に決めていました。
夜は18時以降なるべく食べ物を口にしない、どうしてもお腹が空くときは0kcalゼリーや刺身こんにゃくなどを食べていました。
平日はこの食生活を徹底しますが、夫や上の子が休みの土日はダイエットもお休みに。
1週間ぶりに揚げ物やこってりしたスイーツを食べると、腰が抜けるほど美味しく感じるんですよね。
なんとなくダラダラ食べるのではなく、食べ物のありがたみを感じながら食べる、ということも大切だと思いますよ。
産後ダイエットの正しい理解と継続
産後、体重が全然減らないという悩みには、必ず原因があります。
- むくみを解消する
- 規則正しい食事をする
- 脂肪や糖質の多いおやつをやめる
- できるだけ動く
- 消費カロリーと摂取カロリーを考える
これを試しても全く変わらない…ということはまずないのでは。
ダイエット方法が間違っていると、いくら続けても結果は出ません。
しかし、理に適った方法で積み重ねていけば、必ず結果は出るでしょう。
ダイエットの基本は、食事9割運動1割です。
母乳をあげていてお腹が空いてしまうのであれば、たくさん食べても太りにくい食材を使って料理したり、間食に適したものを用意したりして工夫しましょう。
運動は、家事や育児でついでに動けることをどんどん探してください。
あえてお金を払ってどこかに通うとか、運動のための時間を特別に設けなくてもいいのです。
(もちろん、気分転換をかねてジムや習い事に通ってもいいですね。)
ついでの運動でも、ちゃんと積み重ねれば十分産後ダイエットの効果は発揮されますよ。
また、ダイエットはそもそも「簡単に」「苦労せず」達成できるものではないことも覚えておきましょう。
増えてしまった脂肪を減らすのは、決して簡単なことではありません。
5キロ痩せたいのであれば、10キロ痩せるときの努力や志が必要です。
何事もそうですが「痩せたい!」「体重を減らしたい!」という強い気持ちが重要なポイントになります。
「なんとかこれで痩せられたらいいな~。」
「これで痩せたらラッキー♪」
というスタンスでは、結果は出ないと思います。
「絶対キレイなママになりたい!」
「〇月までに絶対〇〇キロまで体重を減らす!」
と強い目標を持ちましょう。
産後に体重を落とすためには、正しい体の仕組みを理解して、確実に痩せる方法を考えます。
そして、あとは目標を強く持って実践していくのみです。
さいごに
産後、体重が減らないお悩みは解消できたでしょうか?
産後2カ月間は焦らずゆっくり休養をとりましょう。
むくみや筋力の低下、または産後まだ日が浅いなどの様々な理由で、体重の変化がないことは多いものです。
産褥期を過ぎて体調も良ければ、どんどん体を動かして消費エネルギーを稼いでください。
アクティブに動くことはダイエットだけでなく脳や自律神経にも良い影響を与えますよ。
食事も極端に減らすことなく、体にいいものを適量食べるということを心がけましょう。
正しい栄養と運動で、効率的なダイエットを目指していきましょう!