女性やママに人気のアロマテラピーは、心身ともに様々な効果が期待できる健康管理方法のひとつ。
もちろん、健康管理としての目的だけでなく、香水や芳香剤代わりに香りを楽しむことや、虫除けスプレーや除菌スプレーの代用品にも活用することができます。
とても幅広い使い方が魅力で、意識の高い女性や子育て中のママからも人気。
ただ、知識がないと使いにくいことや、調合に手間がかかることなどもあって
「余裕のある人がやるもの」
というイメージを持っている方も少なくないのでは?
やってみたいけど忙しくてできそうもない。
結局めんどうになって、続かないかもしれない。
そんな風に、ハードルを高く持ってしまう人も少なくないんですね。
しかし、産後の女性や子育てに忙しく、日々疲れやストレスを感じているママにこそアロマが適しているのです。
今回は、アロマの効能や簡単に活用する方法をご紹介していきます。
アロマって、赤ちゃんがいる生活でも使えるの?
アロマテラピーでは、天然の植物から抽出した香り成分を凝縮したエッセンシャルオイルを使います。
このエッセンシャルオイルの香りを嗅ぐことで、脳や免疫系に働きかけ、心や体の調子を整えていくことが可能。
生後1~2カ月の小さな赤ちゃんに直接使用することはできませんが、大事なのはママの体調管理に生かせること。
産後のママは、疲れやストレスが溜まりやすい上に十分な休息がとりにくい状態です。
授乳中は薬を飲むことに不安のある人も多いため、なるべく自然な形で体調管理ができたら……と思う人も少なくないはず。
そこで、アロマテラピーが効果的なのです!
アロマの香りを嗅ぐと、嗅覚から脳に働きかけて、ホルモンバランスのコントロールをしてくれます。
この働きにより、心のバランスが保たれ、イライラや不安、うつ症状の緩和などに効果を発揮します。
アロマの成分が免疫系に働くと、それが体中の各器官を刺激するので、体の調子も整います。
このように、香りを嗅ぐだけでも心や体の不調を整え、健康的な状態に導いてくれるというのが、アロマテラピーの特徴です。
また、赤ちゃんは生後6か月を過ぎたころからは芳香浴でアロマを取り入れることができるようになります。
それまでは、赤ちゃんに直接成分がいかないように配慮して使うと安心です。
産後のママになぜアロマが効果的なの?
産後のママが陥りやすいトラブルに、アロマがどう効いてくるのかまとめました。
ストレス
産後のママとストレスは切っても切れない関係があります。
慣れない育児、寝不足、赤ちゃんのグズグズ…たくさんのことに、知らず知らずのうちにストレスを感じています。
ストレスは、定期的にケアしてあげないとどんどん蓄積していくもの。
赤ちゃん優先で頑張りすぎてしまうことも多いですが、ママ自身のストレスのメンテナンスをすることは赤ちゃんの健やかな成長にも繋がります。
好みの精油の香りを嗅ぐだけでも、リラックス効果があります。
またストレスの緩和、自律神経を整える効果のある精油を使うことで、より心の健康状態をよくすることができます。
ホルモンバランスの乱れ
産後の女性は、ホルモンのバランスが大きく乱れている状態です。
早い人で産後1~2カ月で調子が戻りますが、長い人だと卒乳の時期までずっとホルモンバランスが整わないこともあります。
産後のホルモンバランスの乱れは、様々な体の不調を引き起こします。
- 抜け毛
- むくみ
- イライラ
- 肌荒れ
- 生理不順
などなど。
ホルモンのバランスを整える精油を使い、日常での生活に少し気を配るだけでもだいぶ回復が早まるでしょう。
疲労・睡眠不足
産後は、全治1か月のけがを負ったのと同じくらい体がダメージを受けているとも言われています。
その状況で、24時間体制の育児が始まります。
母乳をあげたり、夜中に泣いて起きた赤ちゃんを抱っこしてあやしたり。
この状況では、疲労がたまるのは当然ですね。
もちろん、眠れるときに眠ってしっかり休養をとることが一番大事です。
それに加えて、疲れによく効く精油を使ったり、安眠効果のある精油を使うことで体力の回復を促していくのもよい方法です。
薬を飲むことに不安がある
授乳中は、薬が全く飲めないというわけではありませんが、なるべく避けたいと思うママが多いです。
赤ちゃんに100%安心な母乳を飲ませてあげたいと思うと、薬の服用に抵抗のあるママも多いはず。
アロマには、鎮痛効果のあるもの、鼻や咳などに効果のあるもの、生理痛の軽減に効果的なもの、など体の不調を緩和する効果があるものも多いです。
精油の種類と効能一覧
今回は初心者向けのアロマの精油を、産後のママの悩みに合ったものに厳選して選んでまとめました。
初心者の方が気軽に使いやすいものを中心にまとめています。
中でも、ラベンダーやカモミールローマンなどは万能なので、1本持っておくと色々な用途に使うことができるでしょう。
赤ちゃんの育児にアロマを取り入れるには?
赤ちゃんの育児にアロマを取り入れるのは、早くて生後6か月ごろからが安心です。
人によっては、3カ月くらいから芳香浴をしてもOKという人もいます。
でも、赤ちゃんには刺激が強すぎる可能性もあるので、生後間もない赤ちゃんには使わないようにしましょう。
赤ちゃんや子供の年齢別に、アロマの使用可能時期と方法をまとめてみました。
正しい精油の選び方
精油を選ぶときには、いくつかポイントがあります。
正しい選ぶ方ができていないと、いくら取り入れても効果がない、場合によっては逆効果になることもあるので注意が必要です。
アロマオイルとエッセンシャルオイルの違い
アロマテラピーに使うのは、「エッセンシャルオイル」や「精油」です。
表記がアロマオイル・ポプリオイルなどと書かれたものは、100%天然由来ものではありません。
エッセンシャルオイルをベースに、アルコールやキャリアオイルなどで薄めたもの。
香りを楽しむためのもので、化粧品の部類に入ります。(フレグランスオイル)などとも呼ばれます。
ただし、中には本物のエッセンシャルオイルでも「アロマオイル」と表記するメーカーもあるので、しっかりと内容成分をチェックして選びましょう。
また、精油とエッセンシャルオイルは同じ意味になります。
オーガニックのものを選ぶ
精油は、なるべくオーガニックのものを使ってください。
価格が安いものや、オーガニック表記のないものは、原材料に農薬などの薬品を使っていることもあります。
「それくらい平気じゃない?」と思うかもしれませんが、精油は原材料の成分をぎゅっと濃縮してあります。
農薬などの化学薬品の成分もその分凝縮されてしまうため、実際に使ったとき化学薬品の影響が大きく出る可能性があります。
実際に、オーガニックではない精油を使用することで、逆に頭痛が起こる、吐き気やめまいなどの症状が出ると言うケースもありますのでご注意ください。
特にお子さんと一緒に使いたいママはオーガニック製を選んだ方が良いでしょう。
オーガニック製で信頼の厚い、doterra(ドテラ)の精油がおすすめです。
毒性・アレルギー・副作用に注意する
精油の中には、毒性によって扱い方に注意が必要なものもあります。
特に注意したいのは、光毒性のある精油です。
柑橘系のベルガモット・レモン・グレープフルーツ
ハーブ系のアンシェリカ・ルート。
光毒性がある精油は、肌に付けた状態で日光を浴びることで、皮膚にダメージが加わります。
使用期限をチェック
精油には使用期限があります。
保存料などを加えていないので、時間が経つとどんどん酸化し、劣化していきます。
劣化した精油は体によくないので、決して体内に入れてはいけません。
中には、少しくらい使用期限が過ぎても大丈夫だった、という情報があります。
しかし小さなお子さんや赤ちゃんと一緒に使うのはとても不安ですし、あくまでも自己責任となることをお忘れなく。
柑橘系の精油は、開封して6ヵ月が使用期限です。
それ以外の精油は1年以内に使い切るようにしましょう。
もし余ってしまった場合は、掃除用のスプレーに混ぜるなど、肌に直接触れない使用方法で使い切るというユーザーも多いです。
精油のパッチテスト方法
使いたい精油が必ずしも肌に合うとは限りません。
アレルギーや副作用が出ることもあるので、使用前は必ずパッチテストを行うことをおすすめします。
まずは精油を薄めるための、キャリアオイルでパッチテストをしてみましょう。
- お好みのキャリアオイルを二の腕の内側などに、500円玉硬貨くらいの大きさに塗布
- そのまま1~2日間様子を見る
問題なければ、好みの精油をブレンドしてパッチテストを行います。
- キャリアオイル5mlに対して精油で薄める
- 二の腕の内側などに、500円玉硬貨くらいの大きさで塗布
- 1~2日様子を見る
もし皮膚に異常が出たら、速やかに皮膚科医に相談してください。
特に異常がなければOK。
早速活用していきましょう!
アロマの基本的な使い方
アロマテラピーはとてもたくさんの使用方法があります。
その中でも今回は、忙しい産後のママが簡単に実践できる方法を紹介していきます。
芳香浴(ほうこうよく)
芳香浴は、香りの成分を空間に拡散させたり、持ち物に精油を付けたりして香りを楽しむ方法です。
もっとも簡単で始めやすいので、子育てで忙しいママでも習慣づけやすいでしょう。
熱湯とマグカップで芳香浴
新たにグッズを揃えなくても、マグカップと熱湯さえあれば簡単に芳香浴を始められます。
熱いお湯を注いだマグカップに、精油を1~5滴たらしてみましょう。
蒸気が上がるので、それと同時に香りが空間に広がります。
枕元や、机の上などに置いてさりげなく芳香浴を楽しんでみましょう。
アロマディフューザーを使う
アロマディフューザーを使っての芳香浴もお手軽です。
無印良品や家電量販店、雑貨店などでディフューザーを購入できます。
(もちろん通販でもたくさん商品があります。)
加湿機能付きのものは、加湿器とディフューザーを兼ねているので便利です。
ただし、水分と精油が混ざるので香りが弱くなるという欠点があります。
空気圧縮式ディフューザーは、加湿機能がないディフューザーです。
水分と一緒にならないので香りがしっかり続き、効果も発揮しやすいと言えます。
アロマポット
アロマポットは熱の力で精油を蒸発させ、香りを拡散します。
コンセントにさす電気式のものがおすすめ。
キャンドルで温めるものは雰囲気があっていいですが、小さいお子さんがいるおうちで火を使うのは危険ですので避けましょう。
全身浴
全身浴は、お風呂の浴槽のお湯に精油を垂らして使う方法です。
皮膚を通じて精油の効果を実感するものなので、必ずパッチテストをしてから使いましょう。
浴槽1回分のお湯に対して、精油を1~5滴たらすだけ。
天然塩と混ぜてバスソルトにしたり、キャリアオイルと混ぜてバスオイルにしてからお風呂のお湯に入れるのもおすすめ。
精油はお湯に溶けにくいので、お湯によく溶ける状態にしてから使うのもよい方法です。
アロマバスソルト…天然塩200gに好みの精油10~15滴を混ぜる。
(密閉容器で3週間保存がききます。)
バスオイル(1回分)…キャリアオイル20mlに好みの精油1~5滴。
(こちらも多めに作って小瓶などに入れて3週間保存ができます。)
足浴
産後、お風呂に入れないときや生理中などは足浴がおすすめ。
バケツ一杯の熱めのお湯に、好みの精油を1~3滴ほど垂らして完成。
とてもかんたんなので、思いついたときにすぐ実践できます。
精油は、たった1滴でもとても濃度濃いので十分な効果があります。
必ず必要滴数を守って使いましょう。
育児中のアロマの幅広い活用方法
赤ちゃんにも使用できる、虫除けスプレー
赤ちゃんとの夏のお出かけ、部屋の中での蚊よけなどにアロマの虫除けスプレーが便利です。
虫除け効果のある精油はとってもたくさん種類があるので、ブレンドしてスプレーを作るといろいろな場面で役立ちます。
【赤ちゃんも使える虫除けスプレーの作りかた】
- 遮光性のスプレー容器(30ml)
- 無水エタノール
- 精製水
- お好みの精油
- スプレー容器に、好みの精油を合計12滴になるように入れます。香りの好みでいくつかブレンドしてもいいし、単品でもお好きな配合でOK。
- 無水エタノールを5ml入れる
- 精製水を30ml入れる
- 蓋をしてしっかり振って混ぜる
これで、アロマの虫除けスプレーの完成です。
1歳未満のお子さんに使う場合は、直接肌にかけないでください。
衣服や帽子、ベビーカーなどお子さんの周辺にスプレーするだけでも十分な効果があります。
お休み中の蚊よけには、寝具へスプレーしておくとよいでしょう。
冬時期の風邪予防に
冬場は、加湿器と一緒にユーカリの精油を炊くと空間除菌の効果が期待できます。
風邪の予防や、家族感染を防ぐことができるのでおすすめ。
6か月を過ぎたら芳香浴OK
赤ちゃんは、生後6か月を過ぎたら、軽い芳香浴ならできるようになります。
ただし使用できるのは、ラベンダーとカモミール・ローマンのみです。
子育て中のアロマ使用時の注意すべきポイント
新生児には、芳香浴であっても精油を使えません。
あくまでも、育児で忙しいママがご自身のケアに使うということをお忘れなく!
生後半年を過ぎたら、芳香浴から少しずつ取り入れることができます。
しかし、オイルマッサージや全身浴などの直接肌に触れる方法は使えないのご注意ください
生後3か月ごろから推奨されるベビーマッサージでオイルを使うことがありますが、これは精油の入っていない「ベビーオイル」を使用します。
決して間違えないようにしましょう。
さいごに
産後のママにおすすめのアロマテラピーの実践方法、いかがでしたか?
使用方法のコツや注意点を知ることで、手軽に簡単に生活にとりれることができます。
今回は忙しい育児中のママが、すぐに実践できる方法をまとめています。
学べば学ぶほど楽しいアロマテラピーの世界。
是非子育てや家事、ママ自身の体調管理に役立ててみてはいかがでしょうか?
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