ブルガリ
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ギリシャで銀細工師の一族に誕生したソティリオ・ブルガリが、19世紀中頃にローマに渡り店舗を開いたことから、ブルガリの歴史がスタートしました。
【ブルガリの歴史】
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1857年、ギリシャのイピリスという土地で銀細工師をしていたブルガリ家に息子ソティリオが誕生します。
1877年、ソティリオは故郷のギリシャを離れ、ケルキラ島やナポリなどに移り住んだあと1884年にローマにたどり着き、システィーナ通りに宝飾店を開店します。
1905年になるとソティリオのふたりの息子である、コンスタンチノとジョルジオもビジネスを手伝うようになり、店舗はコンドッティ通り10番地に移転します。
1935年にソティリオが他界、息子達がブルガリの経営を引き継ぎます。
1966年に他界したジョルジオに代わり、息子のジャンニと従妹のマリアが経営責任者に就任します。
1970年代にはパリ、モンテカルロ、ジュネーブ、ニューヨーク支店が開店します。
1984年にはジャンニが引退し、弟の二コラとパウロに加えて、いとこのフランチェスカ・トラパーニが経営責任者に就任、’93年にはブランド初の香水を発表します。
2001年にマリオットホテルのラグジュアリー部門と合併、’03年にはミラノにブルガリ・ホテルをオープンし、その後もバリやロンドン、北京、ドバイなどでホテルを開業しています。
2007年には、レストランやバーが入った10階建てのブルガリタワーが銀座にオープン、世界最大規模の旗艦店となります。
2011年、フランスの企業体LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の傘下に入ります。
2014年には創業130年記念として、ローマ店を常に見守ってきたスペイン階段の復元とトリビュートを開催しました。
【ブルガリ・スタイルの歴史】
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ブルガリは、創業当時からギリシャやローマの伝統を活かしたデザインを取り入れ、独自のテクニックを使用したジュエリーを製作し続けています。
時代が移り変わるとともに、伝統にモダンを取り入れながら次々と革新的なジュエリーを発表してきました。
(伝統を引き継いだデザイン)
ソティリオ・ブルガリが最初に製作したシルバージュエリーは、花をモチーフにしたビザンチンとイスラム文化の伝統的な作品でした。
ファッションの中心地パリで誕生したアール・ヌーヴォーとアールデコの全盛期であった1920年~’30年代には、トランペットをモチーフにしたプラチナとダイヤモンドのリング「トロンビーノ」(写真)を発表、ロングセラーとなる人気を獲得します。
’40年代後半にはゴールドをコイル状にして腕に巻き付けるスネークウオッチ「セルペンティ」を発表します。
ヘビは生命の再生を象徴する生き物として、古代エジプト時代からジュエリーのモチーフに使用されてきました。
(ブルガリ・スタイルの誕生)
1950年代に入ると、プラチナとダイヤモンドの白さを強調したジュエリーが再流行、花をモチーフにした「トレンブラント」(写真)という立体的なブローチを発表します。
’50年代後半には、ゴールドを基調とした対称的なデザインと鮮やかな色の宝石を大胆に使ったブルガリ独自のスタイルを確立していきます。
価値の低い宝石にのみ使用されていたカボション・カットをふんだんに使用した見事なブルガリ・スタイルは、宝飾界に衝撃を与えました。
(エスニック・モチーフ)
1970年代になると、異なるフォルムや大胆な色使い、ゴールドとダイヤモンドの組み合わせなど、多彩なデザインや形をしたジュエリーを製作し始めます。
日本の風景やエジプト、インドの伝統など世界中の芸術から着想を得た作品を製作、米国進出を記念して米国国旗をモチーフにしたブローチも発表しています。
古代ローマのコインをモチーフにしたデザインや、イエローゴールドを使用したジュエリーは後にブランドのアイコンとなります。
(カボションと半透明の宝石)
1980年代になると、ゴールドとカボションカットの宝石を使用した大胆なデザイン、スタイリッシュなモチーフと鮮やかな色使いのジュエリーがブルガリ・スタイルとしてその地位を確立します。
女性が日常で気軽に使用できる高級ジュエリーをという想いから、ローマの敷石の接合部分から着想を得た「パレンテシ」(写真)を発表します。
90年代に入るとモチーフはよりシンプルになり、海の生き物など自然界から着想を得たデザインが製作されています。
(二次元的なデザイン)
21世紀に入ると、ホワイトゴールドやプラチナを使用した幾何学的で美しい作品を製作しています。
2001年には四角と丸に象られた素材を、柔らかくて柔軟性のある素材を用いて連ねた作品「ルチア」(写真)を発表します。
現在もカボション・カットやカラーストーン、半透明の宝石やイエローゴールドを使った「ブルガリ・スタイル」の伝統とモダンを取り入れたデザインを発表し続けています。
【代表作】
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ローマの伝統にモダンをプラスしながら、現代に生きる忙しい女性が身に付けることのできるジュエリーを製作、ブランドロゴが特徴的なアイコンラインなどを発表しています。
(パレンテシ)
ローマの道路に敷かれた敷石の接合部分からインスピレーションを得たデザインで、ゴールドとダイヤモンドなどを使用した都会的なコレクションです。
(セルペンティ)
古代ギリシャやローマの神話に伝わる、知恵と活力と生命の象徴「へび」をモチーフにしたコレクションです。
1940年代に発表された、ゴールドをコイルのようにして手首に巻き付ける「トゥボガス」法を使った「スネークウオッチ」をジュエリーに発展させたラインです。
(ブルガリ・ブルガリ)
伝統的な古代ローマ時代のコインにブルガリのロゴを刻み込み、ブランドのルーツとモダンを融合させたコレクションです。
1975年に顧客へのクリスマスプレゼントとして限定製作されたのが好評だったため、’77年には「ブルガリ・ブルガリ・ウオッチ」として発表、そのジュエリーや小物などに発展した人気のアイコンラインです。
(ビーゼロワン)
ローマの遺跡コロッセウムから着想を得たデザインで、2重や3重のしなやかなラインとブルガリのロゴ、あらゆる地金と色のレイヤーが美しい、ブランドのアイコンアイテムです。
(ディーヴァドリーム)
古代ローマのモザイク模様と歴史を代表するディーヴァたちに敬意を表したデザインで、ダイヤモンドやカラーストーンを使用した、エレガンスと優雅さを備えた女性的なスタイルのコレクションです。
(セーブ・ザ・チルドレン)
ビーゼロワンからインスパイアされたコレクションですが、収益は全てセーブ・ザ・チルドレンへのチャリテイとして寄付されています。
【エリザベス・テイラー・コレクション】
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ブルガリジュエリーを愛したハリウッド女優のエリザベス・テイラーは、ローマ本店で数々のオーダーメイドジュエリーを製作依頼し、素晴らしいコレクションを所有していました。
1962年、映画「クレオパトラ」の撮影でローマに滞在していた頃、リズは共演していた俳優のリチャード・バートンと激しい恋に落ちます。
ある日バートンはブルガリのローマ本店を訪れ、7.4カラットのエメラルドをペアシェイプのダイヤモンドで囲んだ指輪を購入し、リズにプレゼントしました。
この日から二人は撮影の合間にブルガリに通うようになり、ジャンニ・ブルガリとの親交を深めていきます。
ふたりは翌年’63年に婚約を発表、この時彼女にプレゼントしたのは、’58年にブルガリが製作した23.44カラットのコロンビアン・エメラルドをダイヤモンドで囲んだブローチでした。
1964年に行われた結婚式では、19粒のエメラルドとダイヤモンドがたっぷりとあしらわれた豪華なネックレスに、婚約時に贈られたブローチをペンダントトップにしたジュエリーを身につけました。(上部写真)
このネックレスはブルガリが製作したもので、結婚記念としてバートンからプレゼントされたものでした。
1972年にはリズの40歳の誕生日記念として、バートンから65カラットのバーミーズサファイアがあしらわれたソートワール(ネックレス)が贈られました。
ほかにも25カラット以上もある円錐型カボションのサファイアにダイヤモンドが配された、トロフィーがモチーフの「トロンビーノ・リング」や、花が揺れ動くように見える「トレンブレン・ブローチ」など、数々の名作を所有していました。
エメラルドのブローチは映画「予期せぬ出来事」の中で着用され、その美しさが世界中に認識されています。
2011年3月にリズが他界し、同年6月に彼女のジュエリーコレクションがクリスティーズで競売にかけられます。
競売ではブルガリがエメラルドジュエリーを含む7点を買い戻し、これらは全て「エリザベス・テイラー・コレクション」として世界中で展示会が開催され、現在もブルガリで保管されています。
【第90回アカデミー賞授賞式】
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2018年のアカデミー賞授賞式では、ブルガリジュエリーをまとった多くのスター達の姿がレッドカーペットで注目を浴びました。
オリンピックのアルパインスキー競技の米国人金メダリスト、リンゼイ・ボンはプラチナとゴールドに大粒のルビーをふんだんにあしらったヴィンテージ・ネックレスと、ダイヤモンドのイヤリングとリングを身に着けていました。
プレゼンターとして登場した女優のアシュレイ・ジャッドは、ホワイトゴールドとダイヤモンドのネックレスとブレスレットを着用(写真上)、女優のゼンダヤはプラチナとダイヤモンドのアールデコネックレスと3本のブレスレット、さらに2本のリングを着用しました。(写真下)
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オーストラリアの女優サマラ・ウィ―ヴィングは、ピンクゴールドに20カラットのアメシストとルベライト、リボンモチーフにダイヤモンドがあしらわれた、豪華なイヤリングを着用。
同じく豪州の女優アビー・コーニッシュは、「デーヴァ・コレクション」からピンクゴールドとダイヤモンドのネックレスを着用しました。
授賞式のアフターパーティとして毎回開催されている「エルトン・ジョンエイズ基金アカデミー賞鑑賞パーティ」でホストのエルトン・ジョンは、プラチナ製の腕時計「オクト・フィニッシモ」とダイヤモンド、サファイア、ルビー、エメラルドのブローチ、さらにスネークの目がサファイアとダイヤモンドでできたホワイトゴールド製の「セルペンティ」リングを2本セットで着用していました。
まとめ
出典元:http://www.diamond-jewelry-pedia.com/
世界で名だたる5つの宝飾ブランドの歴史とブランドストーリー、歴史的アイテムなどについてのお話をお伝えしました。
常に流行の先端を行く革新的なデザインと技術で、独自のスタイルを築き上げてきた宝飾ブランド。
世界中の王侯貴族や富豪たちをはじめとする全ての女性を夢中にさせているのは、彼等の絶え間ない努力と、ジュエリーに対する熱い情熱があったからこそなのでしょうね。
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