立ち仕事をしていると、夕方ふくらはぎが痛い、張った感じがする、足がむくんで靴がきつい…という経験はありませんか?
デスクワークでも、ずっと同じ姿勢で座ったまま仕事をしていると、だんだんと足がむくんできて朝履いてきた靴がきつくなる、ということがありますよね。
ひどくなると夕方には、ふくらはぎが数センチ太くなる、という人もいるそうです。
そんなに太くなったら、絶対に見た目であきらかに違ってきますね。
立ち仕事も座ったままの仕事も、そして外で歩き続ける現場や営業のしごとも、つらいのは皆さん同じ、足のむくみに悩んでいる女性は大勢います。
では、どうして足がむくんでくるのでしょう。
どうしたら、楽になるのでしょうか。
その原因と解消法を、ご紹介しましょう。
ふくらはぎがむくむ原因とは?
私たちの身体は20%のたんぱく質と20%弱の脂質と数%の無機質「ミネラル」、そして60%の水分から作られています。
ビタミンは補酵素なので、取っても身体の一部になることは、ほとんどありません。
身体の中の水分は、体温を調節し血液の成分となり身体中に色々なものを運び、老廃物を排出する働きがあります。
水分は体にとってとても重要な働きをしています。
水分が不足すると、脱水症状を起こし体温の調節が上手にできず、熱中症になってしまいます。
しかし、その水分がずっと立ったままの姿勢でいたり座ったままの姿勢でいると、重力の影響で下へと溜まっていきます。
水分の代表と言えば、血液です。
血液は心臓のポンプが押し出すことで、動脈を通って酸素と一緒に全身に送り出されます。
その後、二酸化炭素や体の老廃物を含んだ血液は静脈を通って、また心臓に戻っていきます。
この時、どれほど心臓が頑張っても足の先の血液まで、くみ上げる力はありません。
この時に血液をくみ上げる助けをするのが、足の筋肉です。
さらに、私たちには血液の他に、体液というものもあります。
この体液も、身体中の筋肉がポンプの役割を果たして、循環させています。
原因その1 長時間同じ姿勢でいること
人の体は、じっとしていると色々な機能が衰えてきます。
それは、50代、60代といった中高年だけではありません。
20代でも骨粗鬆症気味になる人がいるように、使わない筋肉や骨は、どんどんと老化します。
そして、筋肉を動かさないということは、静脈のポンプも動かないということです。
じっと、立ったまま、座ったままの、同じ姿勢を長く続けていると、足を動かすことがないため筋肉はあまり動きません。
筋肉が動かなければポンプも動かないので、時間が経つうちに重力の影響でどんどんと足の方に貯まってしまった血液や水分が、上に戻ることができなくなってしまいます。
スーパーや店のレジの中でずっと同じ姿勢を続けると足がむくんでいくのは、このような理由からです。
それは座りっぱなしの姿勢でも同じです。
立ち仕事でなければ、大丈夫、というわけではなく、座ったまま仕事をするシステムエンジニアやオペレーター、事務作業の人にも足がむくむ人は多くいます。
長時間同じ姿勢でいることは、足がむくむ原因となります。
原因その2 筋力の低下
体育の授業や自転車通学、部活などで最も筋力がつきやすい10代の頃には、足がむくむなんて悩みを持つ人はあまりいませんよね。
10代だから若いからというのもありますが、「体育」という授業だけでも運動をしていると、自然と筋肉がつきます。
そのため、アルバイトで20代以上の人と同じ様にレジで長時間立ち仕事をしても、疲れることはあっても足がむくむということは少ないです。
しかし、20代、30代になり、毎日仕事と家の往復、通勤電車も立ちっぱなし、という生活は、疲れているけれど運動をしているわけではありませんね。
筋力が低下していくと、足に溜まっている血液や体液を心臓や体の他の場所に押し戻す力がなくなります。
押し戻されない血液や体液の水分は重力に逆らえないので、時間が経つと、益々増えていきます。
そして、仕事が終わる夕方には、足に水分が溜まってしまい、パンパンにむくんでしまうのです。
20代、30代になっても筋力を衰えさせないためには、適度な運動が大切ということですね。
忙しい人は、駅の乗り換えをエレベーターから階段にしてみましょう。
原因その3 冷え性
低体温の人は、様々な病気になりやすい、というのをよく聞きます。
低体温の人の多くは血液の流れが悪いため、老廃物や栄養素を運ぶ力が弱っています。
水分代謝も悪くなります。
体内に水分が溜まりやすくなりますので、むくみやすくなります。
そのために、色々な病気にかかりやすくなります。
健康な人でも、夏、冷房の温度を低くしすぎたり冷房が直接あたる場所に長くいると、身体全体が冷えてしまい、足がむくんでくるということがあります。
身体を冷やしすぎてしまうこともむくみの原因になります。
また、暑いために、冷たいものを飲みすぎても、足がむくむ原因になりますので、注意しましょう。
原因その4 水分・塩分の取りすぎ
ナトリウムはカリウムと共に、人間の細胞の浸透圧のバランスを保つ働きがあります。
細胞の外側をナトリウムが、内側をカリウムが調節しながら、バランスをとっています。
ナトリウムが不足すると細胞外の浸透圧が低下し、細胞外液の水分が浸透圧の高い細胞内へ流れていきます。
すると、ナトリウム欠乏型脱水症という脱水症状を起こします。
逆に、ナトリウムの摂取が多くなると、体内でのナトリウム濃度を下げるために、身体の中に水分をため込んでしまいます。
足のふくらはぎに水分をため込んでしまった状態を、「むくみ」と言います。
これが、ナトリウム(塩分)の摂りすぎによる足のむくみです。
そして、ナトリウムとバランスを取っているカリウムが不足しても、これと同じことが起こります。
いくら塩分「ナトリウム」の摂りすぎを注意していても、カリウムを多く含む、野菜が不足すると、同じことが起こります。
野菜嫌いの人や不足しがちな人は、気を付けて下さい。
気軽にカリウムが摂れるのは、ドライフルーツ・ナッツ・バナナです。
おやつにナッツやバナナを用意しておくと良いですね。
水分を摂りすぎたり、むくむと水分を取らない、我慢してしまう人がいますが、これは間違いです。
しっかりと水分を摂って、いらなくなったものをどんどん排泄しましょう。
大切なのは、不要なものをいつまでも身体の中にため込まないということです。
特に危険なのは、トイレを我慢することです。
トイレに行く時間が中々ないバスガイドの人が、昔からよくむくみやすいと言われていたのは、こういったことです。
水は摂っても大丈夫なのですが、しっかりと1~2時間ごとにトイレに行くようにしましょう。
むしろ、水分が不足すると逆にむくむ人もいますので、気を付けて下さい。
ふくらはぎがむくむと病気のサインなのか?
足のむくみには、「アルブミン」とよばれる血液中に含まれるたんぱく質の働きが、関係をしていると言われています。
アルブミンは、アミノ酸などの栄養素を運ぶ他、血液の浸透圧を調節する、仕事をしています。
このアルブミンの量が低下すると、細胞と細胞のすき間にある水分を血管に吸収させる働きが弱まります。
すると、きちんと水分が取りこめないため、皮下の部分に水分が溜まりやすくなります。
どんな症状が病気のサインか?
アルブミンは食べ物に含まれるたんぱく質が肝臓で合成され、腎臓で濾過されます。
このアルブミンが低下していると水分が溜まり、足首やふくらはぎがむくんできます。
足のむくみには、アルブミンの低下が原因とも考えられます。
アルブミンが低下しているということは、合成する肝臓や濾過する腎臓にトラブルがあるサインです。
むくみがふくらはぎだけでなく腕などにも表れたら、肝機能障害を引き起こしている可能性があります。
むくみが中々治らない、夕方だけでなく朝でもむくむときがあるという場合は、肝臓の病気かもしれませんので、検査をしてみましょう。
夕方になると足首やふくらはぎがむくんでくるのは、立ち仕事の人にとっては、宿命のようなものです。
ただ、疲れが取れない、疲れやすい、という場合は、心臓にトラブルがあることも考えられます。
心臓にトラブルがあると、心臓のポンプが正常に果たせません。
すると、心臓から送り出す血液を送る圧力も弱ります。
充分な圧力がなく血液が送られると、血流が悪い状態で生活をしていますから、疲労物質が体内に排泄されません。
休んでも身体の疲労が、どんどんと蓄積されていきます。
また、階段の昇降の際に息切れや動悸があれば、心臓の疾患の可能性が高くなります。
肝臓にトラブルがあっても、疲労が取れなくなります。
どんな病気が考えられるか
足のむくみに、中々抜けない疲労感を伴ったら、肝機能障害、心不全の可能性が高くなります。
心不全の原因としては動脈硬化や狭心症、心筋梗塞という重篤な病気が隠れています。
むくみが全身に広がっていれば肝臓の病気の可能性が高いです。
代表的な病気では、肝炎があります。
また、立ち仕事に多い人の足の病気で、下肢静脈瘤というものがあります。
足の静脈にある弁に障害が起こり、血液が足に溜まりやすくなります。
高いヒールの靴を履いて立ち仕事をする人に、よく見られます。
足のふくらはぎや足首がむくみ、疲れやすくなるだけでなく足の血管がこぶのようにプクプクと膨らんできますので、一目でわかります。
下肢静脈瘤は、生命にかかわる病気ではない、とのことですが放置しておくと手術をすることになります。
初期であれば、着圧ストッキングや弾性ストッキング・靴下を履くことで改善されることもあります。
他にも、甲状腺機能低下症、原因不明の突発性浮腫、リンパ浮腫でも、足がむくむことがあります。
ふくらはぎのむくみを改善する方法
マッサージ
まず、マッサージを効果的にするためにも足を温めましょう。
足湯や「フットバス」もいいですが、お風呂の半身浴で足を温めたあとでも効果があります。
マッサージオイルやクリームを塗るとより効果が高まります。
足を温める時間がなければ、ホットマッサージ用のオイルやクリームも良いでしょう。
くるぶしの下のあたりからふくらはぎにかけてこすりあげるように、マッサージしましょう。
膝の裏を、膝裏から持ち上げるように、マッサージをします。
膝の下のへこみも老廃物が溜まりやすいです。
手のひらだけでなく、こぶしの状態にしても、よくもみほぐします。
膝から太ももにかけては、こぶしの状態で円を描くように手を動かし、ほぐしながらマッサージします。
最後に、足全体を足首からこすり上げるようにして終わりです。
ストレッチ
足は、じっと動かさないのが一番悪いので、仕事中の座った体制でもデスクの下で足を軽く上げて、足首を伸ばしたり曲げたりするだけでもストレッチになります。
また、夜寝る前に布団の中で足首を曲げたりのばしたりするのも、ストレッチになります。
その後、足をあげてぐっと伸ばします。伸ばした状態で足首を曲げたり伸ばし多利します。
最後に、足を開いたり、閉じたりを繰り返します。
1日10回~15回くらいやってみましょう。
朝起きたら、布団から出る前にも足を曲げたり、伸ばしたりするのも大切です。
ツボ押し
足の裏のちょうど真ん中よりもちょっと上あたりに、「湧泉(ゆうせん)」とよばれるツボがあります。
ここは、排尿を促してむくみの原因となる足に溜まった水分を取り除く効果があります。
足に溜まった水分を、除くことでむくみを改善する効果があります。
足枕
足のふくらはぎや足首のむくみを解消するための、足枕というものがあります。
市販されているものもありますが、バスタオルやフリースのひざ掛けなどを15センチから20センチの、筒状のものに、すれば、理想の足枕になります。
市販の足枕では、次のような人気の足枕があります。
・ドクター・スミス 脚マクラレッグエンジェル
価格14,000円
税込
ふくらはぎに巻き付けて使う、履くタイプの足枕です。
美脚の効果もあります。
色は、ピンクや水色、茶と全部で5色。サラッとした素材で夏場でも蒸れずに使えます。
持運べば、会社の机の下で、巻いていても大丈夫です。
・MOGU マタニティママ フットピロー
価格4,104円
税込
マタニティーの時に多い、足のむくみ用に開発されました。妊婦さん以外にも、人気がある商品です。
枕内で使われているパウダービーズは、刺激臭が低くて自然に近いもので作られています。
名前はマタニティーですが、普通の人でも使用感が良いと人気の足枕です。
・ビーチ 王様の足枕
価格 2,550円
税込
足を乗せたときに安定しやすいウェーブ形状は、多くの人の心地よさを感じることができます。
足枕をして眠ることで、足に溜まっていた血液や水分が身体全体に戻り始めます。
夜眠る時だけでなく帰宅後、家でくつろぐ時にもちょっと足をあげる意味で、利用しても良いでしょう。
仕事場で休憩室があれば、休憩の時に少し足をあげるために、枕のようなものをちょっと添えると、少しだけ楽になります。
足がむくんだ時だけでなく、疲れてだるい時でも、高価があります。
足湯
足湯に浸かると足全体が暖かくなります。
それによって、血行が良くなり、足首やふくらはぎに溜まっていた水や血液が、流れ出します。
むくみは、血行が悪いことでさらにひどくなります。
血行を良くすることは、むくみの解消に大切なこと。
足の先から温まれる足湯は血行を良くするために、最適な方法です。
ふくらはぎのむくみを自分で簡単にとる方法
簡単履くだけ着圧ソックス
職場でも利用できる着圧ソックスや着圧ストッキングは、むくみの予防に、解消に効果的ですね。
むくみの予防には、足首の手前までの長さのようなレギンスタイプでは、むしろ足首のところの血管を絞め付き過ぎてしまい、むくみの予防にはなりません。
必ず、足の先の部分まであるタイツやストッキング、ソックスを選びましょう。
着圧ストッキングや弾圧ソックスには、圧迫力が色々あります。
医師の指導で選んだものであれば最適ですが、市販のものを購入する時には圧力12から24hPaと書いてあるものを選びましょう。
立ち仕事でむくみがひどい時は、少し圧迫力の高いものを選ぶと良いかもしれません。
27から33hPaと書いてあるものが良いですね。
・キュットスリムプロ
価格 2,580円
税別
見た目は普通のストレッチになります。仕事に履いていっても大丈夫です。
サイズや色も色々、むくみ予防だけでなく、お腹のポッコリや、足を引き絞めて、シェイプアップ効果もあります。
・テンポリンポ
価格 1,500円
税込
医療用ですが普通に購入することができます。親・姉妹に下肢静脈瘤の人がいれば、予防のためにもおすすめです。
3つのタイプと5つのサイズ展開がありますので、自分に合ったものを選んで利用しましょう。
・天使の休足
定価 2,500円
税込
医療用とは思えないかわいいデザインの、天使の休足です。
こちらは、名前の通りお休み時に着用する、むくみ防止用のソックスになります。
スクワランとアミノ酸を配合した保湿素材で、素肌の乾燥を防ぎます。
慣れないうちは、あまり圧迫感のあるものではない方が良いでしょう。
その他の簡単な方法
ダイエットを目的にした重ね履きソックスというものがありますが、こちらを履いて寝ると足の先から温まります。
血行が良くなり、身体全体が温まります。
足首を絞めつけない、ゆるゆるのタイプがおすすめです。
ふくらはぎのむくみを予防するには?
足の外側から温める方法
冷房が効きすぎる部屋や、冷房が直接あたる席で仕事をする人は、夏でもひざ掛けがあると良いですね。
飲み物など内側から温める方法
身体を温める飲み物といえば、ショウガですね。
しょうが湯や、ジンジャーティ―は、身体全体を温めて血行を良くする効果があります。
紅茶はカフェインが含まれていますが、新陳代謝を高める効果もありますので、足下まで温めるためには、とても効果的です。
ココアには含まれるカカオ成分の「テオブロミン」が、末梢の血管を拡張する働きをします。
ココアもカフェインが含まれていますが、テオブロミンの効果で体温をあげて血圧を下げます。
抹消の血管が拡張することは、足首やふくらはぎのむくみを解消する働きがあります。
まとめ
足がむくむということは、ただ、だるい、つらいというだけでなく、怖い病気が隠れている可能性もあります。
そして、下肢静脈瘤の場合は、放置しておくと、ますますひどくなってしまいます。
下肢静脈瘤なら気軽にできる予防があります。
仕事場、家庭でできる予防策で、改善できます。
改善できない場合は、重大な病気の場合もありますので早めに医師に相談をしましょう。
たかが、むくみと思わずにしっかりと症状を確認し対策を立てて、むくみ知らずの毎日を目指しましょう。
コメント
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