「どこまでするかは、自分で決めること」。
美容はすべて、
個人の価値観に基づくものです。
シミができても気にしない人もいるし、
気にはなるけれど、そのために
毎日紫外線を気にして
生きるなんて面倒、
という人もいます。
「冬でも紫外線対策をしないといけないですか」
「美白化粧品は何歳から使わないといけないですか」
「シミができてしまったのですが、レーザーしないといけないですか」
こういう質問がよくありますが、
これらはひとつも
「しないといけない」
ものではありません。
そもそもシミができてはいけない
というものではないので、
気にする人は、
自分でできる限りの対策を行なう
というだけのことです。
一生、
シミがひとつもできないということは
非常にまれです。
70代、80代まで生きれば、
ほとんどの人にシミはできます。
自分の顔に、
茶色い斑点のようなシミができることを、
どこまで許容するか、
それを防ぐための労力や
費用をどこまで自分はかけてんびんられるか、
頭の中で天秤にかけて考えてください。
「どこまですべきか」ということは、
医者が決めることでもないし、
化粧品カウンターの店員さんに
決めてもらうことでもありません。
なぜこのようなことをいうかというと、
日本人の女性は、
とにかく何でも人に決めてもらわないと
落ち着かない人が多いのです。
決められた通りのことをするのが優等生、
それを守れないのが劣等生、
というふうに学校で
教えられてきたからかもしれません。
私が学校の先生のように、
「日焼け止めはSPF○○のものを塗って、何月から何月までは日傘を使い。。」
などといえば、
きちんとそれをノートにとって
実践してくれるような人が多いのですが、
美容とはそういうものではないと思います。
紫外線の害を知ること。
どうすればそれを防げるかも知ること。
そういう情報を得ることは大切ですし、
そのためには皮膚科医や
各方面の専門家の話を
読み聞きすることも必要だと思います。
でもそれから先どうするかは、
自分で決めてください。
私自身は、
昔からアウトドアもせず
ほとんど日焼けした記憶はなく、
40歳を過ぎても目立つシミはありません。
現在では職業柄日焼けはできないので、
子供とレジャーに出かけるときも、
厳重に紫外線対策をしています。
でも、それをすべての女性が
実践すべきとは思いません。
昔からアウトドアが苦手であったということが、
私のライフスタイルに大きく影響しています。
暑いとか寒いとか風が強いとか虫がいるとか、
そういうことが私は昔から大の苦手であり、
そういう中でスポーツをしたり、
キャンプをしても、
正直落ち着いて楽しめません。
結果的にアウトドアと縁遠かったために、
日焼けする機会もありませんでした。
でも私は、
アウトドアの楽しみが
わからないタイプだともいえます。
海や山をエンジョイしている人が
うらやましく感じられることも、
ときにあります。
その結果としてシミができても、
大きすぎる代償であるとは
一概にいえないのではないでしょうか。
ただ、子供ができると
どうしても外に行く機会が増えます。
私も4人の子供たちを、
自分のような完全なインドア派に
したくないという思いもあり、
なるべく外に連れ出すようにしています。
すると多少慣れてきて、
今では外の環境や虫も
かなり平気になりました。
自分のためには頑張れなくても、
子供のためだから
頑張れたのかもしれません。
でも私の今の立場上、
まさか日焼けやシミを
容認するわけにはいきませんから、
海や山に行ったときも完全防備にしています。
真夏でも長袖を着て
スカーフを巻いている私を見ると、
子供が
「ママ、暑くないの?」
と不思議そうにいいます。
外に出ようとするたびに、
「ちょっと待って」
といって帽子とスカーフとUV手袋をつけるのも、
わずらわしく思うのも事実です。
海辺で撮った写真もすべて、
完全防備の出で立ちで、
正直、まわりから「浮いている」感は否めません。
「いつかは、紫外線対策を全部やめよう」
と私はひそかに思っています。
それがいつになるかはわかりませんが、
達観したときでしょうか。
今はシミを許容するつもりはないので、
完壁なガードを今年も来年も続けるでしょう。
でも、一度しかない人生、
お日様の下の生活がどんなものか、
体験してみてもよいのではないかと、
ずっと考えています。
暑くて面倒な紫外線対策も、
いつまで続けるのかと思うとうんざりしますが、
「いつかやめよう」と思っていると、
頑張れるものです。
そのときが楽しみでもあります。
欧米人は年齢が高くても肌を露出するし、
その手足には数え切れないくらいのシミがあります。
それは彼らにとって
太陽の下でバカンスを
エンジョイしたことの象徴だそうで、
そう思ってみれば
悪いとも見苦しいとも思われません。
シミだらけの手に
ゴージャスな指輪をした女性をよく見かけますが、
私もいつか、
そういう貫禄あるおばさんの仲間入りを
したいと心のどこかで思っています。
みっともなく見えないためには、
内からにじみ出る風格が必要かもしれません。
堂々としている人は、
まわりから否定されにくいものです。
いろいろな価値観、
いろいろな生き方があります。
美肌、白肌も大事、でも、
それ以外に大事なものもたくさんあります。
あなたにとって何が大事か、
白肌がどのくらい大事かを考えてください。
ただ、後悔しないためには情報が大切です。
日焼けしないつもりで生活してきて、
想いのほかシミができてしまった、
ということだけは避けたいものです。
白肌を目指す決心をした人は、
冬でも曇りでも室内でも、
厳重なガードが必要です。
「ファンデは好きになれないし、
夏に長袖や手袋なんて暑苦しい。
日傘なんて面倒くさい。
でもシミはイヤだから、
ビタミンCを飲んでおけばいいんですよね?」
という、困ったお嬢様が多いのですが、
それは無理な相談です。
ビタミンCを飲んでシミが消えるなら、
誰もシミで苦労はしません。
あなたのワガママは
彼氏には通用てんとさましても、
お天道様には通じません。
白肌道は厳しいのです。